教育資金の一括贈与非課税制度のデメリット!

 

 

教育資金一括贈与非課税制度

メリットとデメリット!

 

 

教育資金の一括贈与非課税制度は、平成25年度から始まった制度なのですが、スタートした当初はこんなに素晴らしい制度があるのかと人気が爆発した制度です。未だにやはり、今のうちに孫にあげておこうかなという相談をよく受けます。

 

ですが、「ちょっと待って下さい」というケースも多々あります。この制度をよく理解していただいて、本当にそれが良いのか悪いのかをよく考えてからやらないと、一度始めてしまったら後戻りはできないので注意が必要です。

 

 

教育資金の一括贈与非課税制度の内容は?

 

教育資金の一括贈与非課税制度は、1,500万円の現金を教育資金に使うという約束をするのなら、贈与税を全くかからないことにしてあげましょうという制度です。

 

1,500万円の現金を通常の暦年で贈与すると、500万円弱くらいの贈与税がかかります。それが0円ですから、かなりお得な制度と言えます。

 

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政府としては、現金が65歳以上の方々のタンス預金に埋もれてしまっていて、しかもその方々はなかなかお金を使わない、一方、人生のうちでお金の需要が高い3大イベントは結婚・住宅・教育ですから、これをキーワードにして、タンス預金が日の目を浴びるように世の中に出そうと、使っていただこうという思惑があったのです。

 

なので、制度としては、子供や孫に1,500万円までの贈与をしたら非課税にしますというものなのですが、主流としては、おじいさん、おばあさんから孫へ贈与するというものがほとんどとなっています。

 

ただ、注意しなくてはいけない点もあります。この1,500万円もらったお金を、お子さんやお孫さんが30歳までに使い切らなければならないということです。もし30歳までに使い切らなかったら、30歳の誕生日を迎えた時点で贈与税がかかってしまいます。

 

ただ、大学で終わろうと思っていたけれど、まだお金が残っているから大学院に行こうというような前向きなことにつながるのなら悪くない話しであります。

 

 

教育資金の一括贈与非課税制度のメリットは?

 

元気なうちに一括贈与できるというのもこの制度が爆発的に人気になった理由の1つです。

 

今、85歳以上の4人に1人が認知症と言われています。もし認知症になってしまうと、その所有者の意思が確認できませんので、いくらたくさんのお金を持っていても、それを子供や孫が勝手に使うことは許されなくなってしまいます。

 

ですから、元気なうちにおじいさん、おばあさんもあげてうれしい、子供や孫ももらってうれしい、というウィンウィンの制度と言われるのです。

 

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また、この制度は暦年贈与との併用も可能です。暦年贈与というのは、もらった方が1年間に110万円までなら贈与税がかかりませんという基礎控除のことです。

 

これとは別枠として、1,500万円の非課税枠が使えるということです。コツコツ110万円ずつの贈与を続けながら、それにプラス、子や孫の教育資金を確保するということもできるのです。

 

ただ、この教育資金はどこかにプールしておけばいいというわけではありません。やはり、教育資金として使ったという証明が必要になるので、金融機関にそれ専用の口座を設けて、その信託口座の中で少しずつ使っていくという形式をとります。

 

そうすると、金融機関としては、これは商売するのに絶好のチャンスですから、手数料や口座管理料が取られるのではと心配になるかもしれません。ですが、金融機関としてはそこまでは取らないようですから、思ったよりは良心的なコストでできます。

 

 

教育資金の一括贈与非課税制度のデメリットは?

 

まず一般的に良く聞かれるデメリットとしては、制度が期間限定ということです。平成31年3月31日までに限られています。ですが、この制度、当初は平成27年12月までの時限立法だったのです。

 

それがその後の税制改正で、やっぱりこの制度はすごく人気があるし、タンス預金もかなり出てきたからということで、平成31年まで延長しようということになったのです。なので、もしかしたら、今後もまたさらに延長される可能性もあります。

 

2つ目のデメリットは、教育資金でなければダメだということです。

 

きちんと領収書でそれを明らかにしなければなりません。どれが教育資金に該当するのかというのは、文部科学省がQ&Aを出していますのでそちらを参考にするとよいと思います。

 

ただ、一般の納税者はそんな細かいところまで知りませんので、その辺がわかりづらいというのはデメリットといえます。

 

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教育資金の一括贈与非課税制度の思わぬ落とし穴とは?

 

そもそも相続税がかかる方々、おじいさん、おばあさんが突然亡くなって相続税がドカンとかかってしまう方々がいます。

 

その方々は対策として、コツコツと暦年贈与をしていくのですが、それだけでは追いつかなくて、ドカンと何か対策できないものかというところにこの教育資金贈与が出てきたので、みんなが飛びついたのです。

 

つまり、相続税対策という面が非常い強かったのです。

 

ところが、そもそも相続税がかからない方も、この制度に飛び乗ってしまったのです。実際には相続税がかからないのに、周りがやっているのからとついやってしまう人がいるのです。

 

相続税がかかる人が増えたといっても8%ですから、世の中の92%の人は相続税がかからないのです。

 

つまり、実際は相続税がかからないのに、教育資金贈与をしてしまって後で後悔する人が出てきたのです。良いことをしたとはいえ、自分の老後の不安が増大してしまったという落とし穴があるのです。

 

また、教育資金1,500万円を贈与した時には、すごくみんなが喜んでくれたのに、その後は教育を受けるのが当たり前になってしまって、感謝されることもなく、寂しくなってしまったというケースもあります。

 

さらに、孫がたくさんできて、最初の孫にはできたけれど、その後の孫の時にはお金が全然なくなってしまってできなくなってしまうケースもあります。こうした思わぬ落とし穴もあるわけです。

 

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教育資金は贈与ではない?

教育資金をその都度贈与することは非課税!

 

一番大切なポイントは、そもそも教育資金というのは、その都度おじいさん、おばあさんがお金をあげる分には贈与にならないということです。

 

例えば、子供が良い大学に入学できて、その入学金に100万円かかる時に、おばあさんが100万円出してあげるというのは贈与ではないのです。仮に医学部に合格して500万円かかったとしても、それでも贈与ではないのです。

 

ですから、教育資金はその都度あげて、その度に喜んでもらった方が良かったんじゃないかと後悔する方もいるのです。一括で大金をあげて1回だけ喜んでもらうより、その都度あげて何回も喜んでもらった方がうれしいですからね。

 

そういったデメリットもありますから、教育資金の一括贈与非課税制度を利用するに際しては、本当にこれをやってもいいのかと先のことまで見極めてから判断することが大切です。

 

今、教育資金の一括贈与非課税制度をやってみようかなと考えている人は、少し立ち止まって実際にお金を入れたらどうなるのか、イメージしてみることをおすすめします。

 

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