婚姻費用算定表と住宅ローン|別居と離婚の減額計算式!

 

 

婚姻費用算定表と住宅ローン

住宅ローンがある場合の婚姻費用はいくら?

 

 

例えば、夫が妻との別居を考えていて、夫が家を出て行く場合、住宅ローンが残っていたら、夫は妻にいくらの婚姻費用を支払うのが適正なのかというのが問題になります。

 

婚姻費用というのは、算定表により適正額が決まります。また、婚姻費用には、衣食住に関する全ての費用が含まれるので、「住」である住宅ローンもこれに含まれてしまうとも考えられます。

 

ですが、そのように形式的に考えてしまうと、住宅ローンが残っている家から、夫が出て行く形で別居を始めることになった場合には、妻がもらえる婚姻費用の金額が少なくなりすぎてしまうという問題があります。

 

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一方、婚姻費用に中に全く含めないとすると、今度は夫が高額の支払いをしなければならなくなり、それでは過酷すぎるということになります。実務上、こうした問題には様々な考え方があるのですが、次のような考え方に一理あると思います。

 

住宅ローンは、当然、婚姻費用に含まれる「住」に関する費用であるのは否めませんが、ただ一方で家賃とは違って、住宅ローンを完済すればその住宅は自分のものとなります。その意味では、資産形成という面もあります。

 

そうすると、住宅ローンについては、離婚の際の財産分与で考慮されるのが妥当であって、婚姻費用では考慮されるべきでないと考えられるのです。

 

では、上記の事例ではどう考えたらよいのでしょうか?

 

先ほど述べた通り、住宅ローンには、婚姻費用に含まれる「住」の面と、財産分与の対象になる資産形成の面があります。なので、これを調整することが必要になってきます。

 

つまり、夫の年収から住宅ローンの1年分の費用を減額して、その額を算定表に当てはめればよいのです。

 

例えば、妻が専業主婦で夫が年収600万円、1年間の住宅ローンの返済総額が120万円だったとします。すると、夫の年収を480万円(600万円−120万円)として、算定表に当てはめることになります。

 

 

婚姻費用分担請求とは?その計算式は?

 

例えば、会社員の夫と離婚しようと別居を考えている妻が専業主婦の場合、夫に生活費をいくら請求できるのかという問題があります。

 

これについては、たとえ別居中であっても、夫婦である以上は、どちらか一方が生活費に困っているときには、他方に生活費の支払いを請求することができることになっています。

 

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これは、夫婦である以上は、お互いに自分の生活と同レベルの生活が送れるようにする必要がある義務(生活保持義務)があるからです。婚姻費用というのは、この生活費のことを言います。

 

では、婚姻費用は相手にいくらくらい請求できるのでしょうか?

 

実務上は、婚姻費用の判断には、算定表が基準にされる傾向にあります。この算定表というのは、婚姻費用について簡易迅速な計算ができるように、裁判所の研究会が作ったものです。

 

そして、この計算式が合理的だと最高裁判所が承認したため、広く実務でも利用されるようになったのです。

 

算定表によると、婚姻費用の適正額は、夫婦双方の年収を基準にして決まるとされています。また、算定表を利用する時は、「夫婦のみの表」とか「子1人の表」のように分かれているので、まずは自分がどの算定表を使うべきなのかを決めます。

 

ここでは、上記の事例、夫が会社員で妻が専業主婦という前提で解説します。

 

まずは夫の源泉徴収票を見て下さい。そこにある「支払金額」の欄に記載されている金額が算定表に当てはめる年収になります。なお、算定表を見る場合、手取り金額を基準にするのではありませんので注意して下さい。

 

たとえば、源泉徴収票の「支払金額」が500万円だったとします。

 

すると、算定表の義務者の年収は500万円、権利者の年収は0円ということになりますので、適正額は6万円〜8万円ということになります。ということで、妻は夫に対して、婚姻費用として6万円〜8万円を請求することができるということになります。

 

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婚姻費用とは?

 

婚姻費用とは、結婚期間中の生活費のことです。例えば、家賃、光熱費、食費、教育関連費、交際費など、色々なものが含まれます。

 

例えば、夫が正社員で、妻が専業主婦として子育てしているという家庭で、夫が妻に生活費を渡さなくなったという場合には、妻は夫に対して婚姻費用を請求することができます。これは、別居した後であっても同じです。

 

通常、婚姻費用は、夫婦の互いの収入や世話をしている子供の年齢、人数、通学している学校が私立か公立か、などに応じて決められます。

 

また、婚姻費用が十分に支払われなかった場合、あるいは一方が過度に負担した場合には、離婚する際に財産分与において再度考慮することがあります。

 

 

夫の収入にバラつきがある場合の婚姻費用は?

 

婚姻費用というのは、夫婦間において別居するなどした時に、収入の少ない方が多い方に生活費を請求することができるのですが、その費用のことをいいます。

 

この婚姻費用をいくらにするのかというと、調停実務では、お互いの収入を認定して、婚姻費用算定表で判断されることが多いです。

 

その収入の認定の際に、お互いの収入がいくらなのかというのを基礎収入として決めるのですが、その基礎収入の決め方をめぐり争われることもあります。

 

例えば、過去4年間の収入がバラバラだった場合です。例えば、直近は1,100万円、2年前は1,300万円、3年前は1,150万円、4年前は1,200円というよなケースです。

 

こうしたケースの場合、家庭裁判所では、4年間の平均値を基礎収入として認定しています。

 

このように、収入が変動しているという場合、その変動の平均値をとった方が有利だというときは、直近の収入だけでなく、しっかり過去の収入もチェックして主張した方がいいです。

 

 

婚姻費用分担算定表とは?

別居離婚の減額計算式!まとめ

 

簡単に言うと、例えば、妻が夫と別居して生活費が欲しいと請求するのが、「婚姻費用分担請求」になります。基本的に別居した場合は、収入のある方が収入のない方に対して生活費を補助してあげなければいけません。これが婚姻費用分担です。

 

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例えば、妻と夫が離婚を前提に別居していて、子供は妻と一緒で、夫は1人で生活しているという場合です。

 

このような場合だと、妻は子供がいるのであまり働けませんよね。その時夫の年収が500万円だとしたら月40万円くらいありますから、それなら別居中はまだ夫婦なんだから、そのうち半分くらい生活費を下さいと言えるのが「婚姻費用分担請求」です。

 

夫の給料の多くて半分くらいもらえますので、月40万円くらいの収入なら、手取りで月15万円くらいはもらえます。

 

これには、「養育費・婚姻費用算定表」というものがあるので、インターネットで検索して見つけて下さい。そこに、夫の年収と妻の収入がいくらの場合には、いくらくらい請求できるというグラフがありますので、それをたたき台にして話し合うことをおすすめします。

 

何も準備せずに、単に妻が「生活費としてお給料の半分下さい!」といっても「何言っているの?」となってしまいます。

 

ですから、前述の「養育費・婚姻費用算定表」をプリントアウトして、裁判所はこういっているということを教えてあげて、もし裁判をやったらこのとおりになるという感じで話しを進めていけば、夫もそれなら仕方ないということで、「月20万円はきついから16万円くらいで…」というような感じで折り合いがつくはずです。

 

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