事例で検討
母は、収入がないため、同居している兄が扶養していますが、病気治療で入院しました。私も医療費の一部を負担したのですが、これは、私の医療費控除の対象になるのでしょうか?
アドバイス
あなたは、お母様と生計をともにしていませんので、あなたが負担した費用は、医療費控除の対象にはなりません。
医療費控除は、生計をともにしていないと
受けられないのですか?
医療費控除というのは、自分や自分と生計をともにする親族のための医療費を支払った場合にだけ受けられることになっています。
生計をともにするというのは、
同居しているということをいうのですか?
生計をともにする(生計を一にする)というのは、必ずしも同じ家屋内で日常の生活を共にするということに限られません。
たとえば、同居していない親族間でも、生活費の送金が常に行われているような状況であれば、生計が一であるとして取り扱われます。
また、医療費控除の対象になる生計をともにする親族というのは、必ずしも、扶養親族や控除対象配偶者に限られません。
その親族に一定額以上の所得があったり、生計をともにする他の所得者の扶養親族等になっているような場合でも、生計をともにしている限り、医療費控除の対象になります。
私の場合はどうなりますか?
ご質問の場合ですが、お母様の生活費をお兄様がすべて負担していて、あなたは全く負担していないとう場合は、あなたとお母様とは生計をともにしているとはいえません。
よって、たとえあなたが、お母様の入院費の一部を負担したとしても、あなたの医療費控除の対象にはできないということになります。