母が病院で使用するおむつの購入費用は、医療費控除の対象になりますか?

事例で検討

 

母が寝たきりで病院に入院中です。

 

病院では、自己負担でおむつを使用しているのですが、この購入費用は、医療費控除の対象になるのでしょうか?

 

アドバイス

 

医師の「おむつ使用証明書」があれば、医療費控除の対象になります。

 

 

おむつは医療費控除の

対象になるの?

 

医療費控除の対象になる医療費は、医師等による診療や治療等を受けるために直接必要な費用に限られています。これをおむつについて考えてみますと、寝たりきりになった人については、病気の治療を行う上では、おむつが欠かせない現状にあるといえます。

 

そこで、治療を継続して行なっている医師が、治療をする上でおむつが必要と認めた場合には、医師の治療を受けるために直接必要な費用と認められています。

 

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医療費控除の対象になるのは

どのような人?

 

次のすべての条件を満たす人に、医師が「おむつ使用証明書」を発行した場合には、そのおむつの購入費用(または賃借料)が医療費控除の対象になります。

 

■傷病により、おおむね6か月以上にわたり寝たきり状態にあると認められる人

 

■その傷病について、医師による治療を継続して行う必要があり、おむつの使用が必要と認められる人

 

 

具体的にはどのようにして

控除を受けるの?

 

「おむつ使用証明書」とおむつ代の領収書(患者の氏名と成人用おむつ代であることが証明されたもの)を確定申告書に添付するか、確定申告の際に提示してください。

 

 

「おむつ使用証明書」は

毎年提出するの?

 

2年目以降も、おむつ代の医療費控除を受けるの場合には、「おむつ使用証明書」がなくても、市町村が主治医意見書の内容を確認した書類または主治医意見書の写しと、おむつ代の領収書を確定申告書に添付するか、確定申告の際に提示してください。

 

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入院中のおむつ代と医療費控除

おむつ使用証明書は病院別?

 

例えば、寝たきりの親がA救急病院に搬送され、今は別のB病院に入院しているけれど、1か月後にC病院へ転院するようなケースです。

 

この場合、A病院とB病院、C病院それぞれでおむつを使用した場合、「おむつ使用証明書」はそれぞれの病院で必要になるのでしょうか?

 

これについて、「おむつ使用証明書」というのは、かかりつけの病院の医師から証明してもらうことになります。

 

つまり、A病院で使用したおむつについてはA病院で、B病院で使用したおむつについてはB病院、C病院で使用したおむつについてはC病院でというように、それぞれの病院ごとに発行してもらうようにします。

 

ちなみに、病院でなく在宅であっても、かかりつけの医師がおむつの必要性を認めてくれれば、「おむつ使用証明書」を発行してもらえるはずです。

 

なお、医師が使用を認めることなくおむつを使用したとしても、そのおむつの購入代は医療費控除の対象にはなりませんので注意が必要です。

 

 

おむつ使用証明書の発行費用は?

おおむね6か月以上とは?

 

医療費控除を受けるためには、1年目は「おむつ使用証明書」が必須です。

 

病院によってもマチマチだと思いますが、多くの病院では「おむつ使用証明書」を無料で発行してもらえると思います。用紙についてはインターネットで検索すると様々なところからダウンロードできます。

 

ちなみに、国税庁ホームページを見ると、以下のように書かれています。

 

「傷病によりおおむね6か月以上寝たきりで医師の治療を受けている場合に、おむつを使う必要があると認められるときのおむつ代(この場合には、医師が発行した「おむつ使用証明書」が必要です。) 」

 

ここで、6か月に満たないと医療費控除の対象にならないのではないかと心配されている方もいらっしゃるかもしれませんが、この期間はあくまでも目安と考えてください。要するに症状が固定されているかどうかということがポイントになっているからです。

 

おむつが必要になるケースというのは、疾病やそれ以外のものがあります。例えば、介護の負担を減らしたいからと本来は必要ではないのにおむつを使用しているケースもあるわけです。

 

ですから、例えば、病院からの指示があっておむつを購入したようなケースでは、たとえ6か月に満たなくても認められる可能性が高いですから税務署に確認してみて下さい。この場合は、病院からの指示があった日付以降で証明書を発行してもらえばOKです。

 

なお、必ず領収書は保管しておいて下さい。

 

1回のおむつ代は小さな金額でも、塵も積もればで最終的には数十万円も戻ってくる可能性もありますからね。1年目は手続きに若干手間がかかるものの、一旦認められればその後は楽ですからぜひ面倒くさがらずにやってみて下さい。

 

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