事例で検討
前期の決算の未払配当金を辞退しました。この配当所得についても、申告する必要があるのでしょうか?
アドバイス
申告が必要な場合と不要な場合があります。
どのような場合に申告が必要になるの?
辞退する理由によって、次のように取り扱われます。
■配当金の全部または一部が支払不能の状況にある場合
確定した配当金の全部または一部の支払いが受けられない場合には、その支払不能の部分の金額は、収入がなかったものとされます。
なお、支払不能の判定は、事業所得などの場合の貸倒れの判定に準じて行なうことになります。
■それ以外の場合
法人に支払能力があるのに、単に法人への資金援助を意味するような辞退の場合には、配当を辞退したときに、配当金の支払があったものとされます。
この場合は、源泉徴収の対象にもなりますし、配当所得として申告しなくてはなりませんので注意して下さい。
〜結論〜
未払配当金の辞退した場合のその配当所得については、辞退する理由により、申告しなければないケースとそうでないケースがあるということです。
具体的には、配当金の全部または一部が支払不能の状況にある場合には、支払不能の部分の金額については、その収入がなかったものとされます。
一方、それ以外の場合は、配当を辞退したときに、配当金の支払があったものとされることになります。
この場合は、配当金の支払があったものとされるわけですから、源泉徴収の対象になることはもちろん、配当所得として申告する必要があります。