事例で検討
先日、息子が自転車にのっていて交通事故に遭い、ケガをしました。この自転車は、私が息子に買ってあげたものです。
その購入の際に、メーカーが私を受取人として、息子に交通傷害保険をかけてくれていたため、この度、保険金60万円を受け取ることができました。
この損害保険の保険金等の税金は、どうなるのでしょうか?
アドバイス
メーカーが掛けてくれた損害保険によって受け取った保険金には、所得税はかかりません。
自転車メーカーが掛けてくれた
損害保険の性格は?
自転車を購入する際に、サービスとして交通傷害保険を掛けてくれることがあるようですね。こういった場合は、サービスですから、当然、交通傷害保険の掛金は自転車メーカーが負担することになります。
よって、このようなサービスは、広告宣伝のための景品付販売にみられる一種の景品としての性格をもっていることになります。
交通傷害保険をつけてもらう場合の
経済的利益の税金は?
景品付販売の景品として交通傷害保険をつけてもらう場合の、経済的利益についての税金はどうなるのかということですね。これについては、少しややこしい話しになりますので、わかりやすくいきます。
まず、広告宣伝のための景品を、購入する人が同じようにもらえる場合を考えます。
仮に景品をもらえない人には、その商品の値引きしてもらえる場合は、景品の金額は商品価格から値引きします。また、その商品の値引きをしてくれない場合には、その景品の金額は一時所得としての収入になります。
その景品の金額については、形態によって異なりますが、交通傷害保険の場合はどう考えたらよいでしょうか?
この場合は、交通傷害保険という景品の価額を、自転車を購入した日に、その交通傷害保険契約を解約したとすれば返戻されることになる解約返戻金であるというふうに考えます。
こういうふうに考えると、通常、交通傷害保険契約は掛捨保険なので、解約しても掛金の返戻はありません。すなわち、景品としての価額はゼロということになります。
よって、商品の購入価格から値引きをする場合もそうですが、一時所得とされる場合でも、広告宣伝のための景品付販売の景品として交通傷害保険をつけてもらっても、経済的利益による収入はありませんから、これに対しての税金というのは考えなくてよいということになります。
※経済的利益・・・この場合の経済的利益とは、実際に金銭のやり取りはないけれど、もしそれをお金に換算したらいくらになるのというような意味です。
私が受け取る交通傷害保険の
保険金についての税金は?
まず、身体の傷害によって受け取る損害保険の保険金は非課税とされています。ただし、この場合非課税とされるのは、自己の身体の傷害によって受け取るものをいいます。
ですから、保険金の支払を受けた人と、身体に傷害を受けた人が異なる場合は、非課税とされないのが原則になっています。
しかしながら、例外として、その保険金を受け取る人が、身体に傷害を受けた人の配偶者、直系血族、生計を一にするその他の親族であるとき(要するに一緒に暮らしている家族ですね)は、非課税になるとされています。
よって、あなたが受け取る交通傷害保険の保険金も非課税所得になります。