年金受給者が、代行返上後に受け取った一時金は、何所得になるのですか?

事例検討

 

年金受給者です。このたび代行返上により、厚生年金基金制度から確定給付企業年金制度に移行し、一時金を受け取りました。

 

この一時金は、何所得になるのでしょうか?

 

代行返上とは

何ですか?

 

代行返上とは、厚生年金基金制度から確定給付企業年金制度に移行する際、国に代わって行なっていた老齢厚生年金の給付義務を国に返上することをいいます。

 

 

代行返上が行なわれると

どうなるのですか?

 

代行返上が行なわれると、厚生年金基金の加算年金と基本年金+α※の年金原資が確定給付企業年金として承継されます。そして、基本年金の+α部分を除いた部分の年金原資が国に移り、国が老齢厚生年金の給付を行なうことになります。

 

※基本年金に係る給付原価で、代行部分の1割以上の部分です。

 

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確定給付企業年金法の

「みなし退職所得」に含まれるものとは?

 

これには、確定給付企業年金規約に基づいて支給される年金の受給資格者に対し、その年金に代えて支払われる一時金で「退職の日以後その年金の受給開始日までの間に支払われるもの」と、「年金の受給開始日後に支払われる一時金のうち、将来の年金給付の総額に代えて支払われるもの」が含まれることとされています。

 

また、厚生年金基金から支払われる選択一時金※は、加算年金に代えてのみ、その支給が認められています。

 

なので、基本年金と加算年金を別個の年金として整理し、加算年金の保証期間中に支払われる一時金を「将来の年金給付の総額に代えて支払われるもの」として「退職所得」として取り扱っています。

 

※年金の受給資格者の選択により、厚生年金基金がその規約に基づいて、加算年金の保証期間分の一定額に代えて支給する一時金です。

 

 

質問の場合は、みなし退職所得には

ならないのですか?

 

確定給付企業年金の場合は、厚生年金基金の加算年金から承継した部分と、基本年金+α部分を承継した部分を区分することができるのですが、規約によって、それぞれ一時金による給付を任意で定めることができることになっています。

 

よって、年金受給者の場合、年金の受給開始日後に+α部分の一時金と、それ以外の確定給付企業年金が一時金で支払われ、将来の年金給付の総額に代えて支払われるものであるのなら、「みなし退職所得」になりますが、

 

ご質問のように、+α部分の一時金のみが支払われる場合には、「将来の年金給付の総額に代えて支払われるもの」にはなりませんので、「一時所得」になります。

 

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