自筆証書遺言とは|メリット・検認・封印・訂正・文例!

 

 

自筆証書遺言とは?

メリット・検認・封印・訂正・文例!

 

 

遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言、特別方式による遺言があります。今回は、このうちの自筆証書遺言についてのお話です。

 

自筆証書遺言とは、遺言をされる人(遺言者)が遺言の全文と日付を自分で書いて、その後で署名と押印を行うものです。

 

これをするだけで、自筆証書遺言として成立します。なので、文字が書ける人なら基本的には誰でも自分一人だけで「遺言」を作成することができます。

 

当然、費用はかかりません。紙とペン代くらいです。

 

ちなみに、ペンは鉛筆ではなく、ボールペンとか万年筆を使いましょう。ボールペンでもフリクションなど消せるボールペンは避けた方が無難です。また、遺言したことを誰にも言わなければ、遺言したこと自体を秘密にすることもできます。

 

ここまでは、自筆証書遺言のメリットになります。一方、自筆証書遺言にはデメリットもあります。

 

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自筆証書遺言のデメリットとは?

 

まず1つ目は、自筆証書としての方式に不備があれば、せっかく作った遺言が無効になってしまうということです。

 

2つ目は、内容が不明確で執行困難になるケースが多いということです。

 

自分で書くので、場合によっては、「結局のところどういう意味で書いているのかわからない」という内容が明確でない場合もあるのです。

 

内容が明確でないと、せっかく書いてあっても執行ができないということにつながります。なので、できるだけ簡潔でわかりやすい文章を書くようにしたほうがよいです。

 

3つ目は、遺言書の偽造・変造・紛失・滅失のリスクがあることです。

 

自分で書いて例えば引き出しに入れておいたとしても、誰かが見つけて偽造されたり、変造されたり、もしくは自分に都合の悪いことが書いてあって勝手に破棄されたり、そういう危険性があるということです。

 

4つ目は、自分が亡くなった後に、相続人が自筆証書遺言を検認手続きをする必要があるということです。

 

 

検認とは?

 

検認というのは、相続人に対して「遺言がありますよ」とその内容を知らせるとともに、その遺言の内容を明確にして、遺言書の偽造や変造を防止することを目的とした手続きになります。なお、検認は、遺言書を家庭裁判所に提出して行うことになります。

 

ただし、この検認手続きをしたからといって、その遺言が有効か無効かが判断されるものではありません。なので、「検認したからこの遺言は有効だ」と言われても、内容に違反があれば遺言として使えない可能性もあるのです。

 

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封印されている遺言書を見つけたら?

 

通常、多くの人が遺言書を封印するのですが、そういった封印された遺言書は、家庭裁判所に持っていって、その検認手続きの中で相続人等の立会いの上で開封しなければいけないことになっています。

 

ですから、封がされている遺言書を検認手続きをする前に開けてしまったりすると、相続人から排除されてしまう可能性もありますので注意して下さい。

 

 

自筆証書遺言の要件は?

 

まず1つ目は、遺言者が遺言の全文を必ず自書することです。2つ目は、遺言者が遺言に必ず日付を自書することです。3つ目は、遺言者が遺言に必ず氏名を自書することです。4つ目は、遺言者が遺言書に必ず押印することです。

 

自筆証書遺言の要件は、基本的には以上の4つです。

 

 

自筆証書遺言は訂正できるの?

 

自筆証書遺言を書き間違えた場合に訂正してもいいのかということは、一応以下のように法律にかかれています。

 

「自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者がその場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない」

 

このように、訂正の仕方はかなり厳格なので、法律を読んでもなかなか理解しづらいと思います。ですから、もし書き間違えた場合には、最初から書き直しすることをおすすめします。

 

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それから、書いている最中に間違えたという場合も含めて、例えば、書いた1年後に「やっぱりここを変えようかな」という場合も、上記のようなきちんとした手順を踏めば変更しても構いません。

 

ただその場合も、それをしたが故に、遺言書が無効になってしまうということもあります。なので、その場合も一から書き直した方が無難です。その方が間違いなく遺言書を有効なものとして相続人に伝えることができますからね。

 

 

自筆証書遺言の文例は?

 

自筆証書遺言の文例としては、例えば以下のようなものになります。

 

        遺言書

 

私の所有する下記不動産を、相続人中 鈴木五郎 に相続させる。
   ○○県○○市○○区○○町1丁目1番1
   一、宅地  100u00

 

私の所有する■■銀行の預金の全てを、相続人中 鈴木桃子 に相続させる。

 

鈴木五郎、及び、鈴木桃子は、父の意思を尊重し仲良く暮らして下さい。

 

 平成○年6月5日

 

   ○○県○○市○○区○○町1丁目1番1

 

      鈴木太郎 印

 

上記の「鈴木五郎、及び、鈴木桃子は、父の意思を尊重し仲良く暮らして下さい。」は法的効果はありませんが、遺言書にはこういうことを書いても構いません。

 

ただし、ここをあまり書きすぎると、遺言書の内容が曖昧になってしまいますので注意して下さい。また、日付に関しては、“日”もしっかり特定させて下さい。ここを例えば6月吉日としてしまうと、それだけで遺言書が無効になってしまいますからね。

 

なお、最後の印は押し忘れないようにして下さい。

 

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