住宅ローン保証料なしのカラクリ!

 

 

住宅ローン保証料なしのカラクリ!

 

 

今回は、住宅ローンを借りるときにかかる保証料のお話です。具体的には、この保証料という仕組みは、あなたを守るものではないというお話です。

 

まず住宅ローンを選ぶ際には、金利や保証料、手数料、保険料、決済時期などに注意する必要がありますが、その中の保証料についてです。この保証料、非常に高額になるケースがあります。一般の銀行だと、保証料が一番高額になることも多いです。

 

保証料は、借入金額と返済期間によっても変わってくるのですが、例えば、返済期間30年で3,000万円くらい借りる場合、60万円くらいかかったりします。

 

ただ、名称が「保証料」ということで、保証してくれるものなら仕方ないと思いがちです。ですが、この「保証」が何を保証しているものなのか、というはぜひ知っておいていただきたいです。

 

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保証料とは?

 

あなたが住宅ローンを借りると、当然、貸してくれた銀行にお金を返済していくことになりますが、保証料というのは、この返済ができなかった場合の保証ということになります。

 

つまり、あなたが返済できなくなった場合に、あなたに保証料が下りるという性格のものではないということです。

 

実際には、銀行があなたに対して持っている債権が保証会社に移動するだけです。要するに、銀行があなたに貸したお金を回収しそびれることのないように、保証会社に債権を保証してもらうものなのです。

 

ですから、あなたが万が一住宅ローンを返済できなくなって、銀行が保証会社からそれを保証してもらった場合、あなたの返済先は銀行ではなく保証会社に代わるのです。

 

つまり、あなたの住宅ローンの返済先が代わるだけで、住宅ローンの負担自体は全く減らないということです。

 

あくまでも保証料というのは、住宅ローンを貸している銀行のために保証会社を使うためのものなのです。このように“保証”といっても、実はあなたにとって何のメリットもないものなのです。

 

なので、こうした保証料の性格を知ったうえで、手数料も含めてそのバランスを考える必要があります。

 

 

保証料なしのカラクリとは?

 

最近、ネット銀行では保証料なしとあったりします。

 

これはどういうことかというと、結局、銀行と保証会社が同じグループ会社の場合が多いので、同じグループ内で保証し合ってもあまり意味がないということで、そこではお金を取らないで、その分手数料を高く取って利益を上げようということなのです。

 

実際、ネット銀行の場合、保証料なし、つまり0円ですが、手数料が20〜30万円かかるところも多いです。一般の店舗のある銀行だと手数料は3〜5万円ですから、これと比較するとネット銀行の手数料の方がかなり高く感じると思います。

 

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ですが、ネット銀行の場合は保証料は0円、店舗のある一般銀行の保証料は50〜60万円ですから、トータルで見るとネット銀行の方が安いケースが多いです。

 

保証料と手数料の2つに分かれていると、どうしても“保証”という言葉に惑わされがちです。「最悪の場合に何とかしてくれるものだから、金額は高くても仕方のないものだ」と勘違いしてしまいそうですが、前述のとおり、あなたを守るものではありません。

 

そうであれば、やはり保証料は手数料と同じと考えるべきなのです。

 

実際、銀行も保証会社も同じグループなら、保証料と手数料をひとくくりにしてもよさそうです。

 

ですが、一方で保証料は手数料と違って、名目がやはり“保証”というものになるのもですから、例えば、繰り上げ返済をして保証する金額が少なくなると、多少戻ってくるということがありますので、その意味では手数料よりもやや良い面もあります。

 

ただ、実際に戻ってくる金額といっても、そんなに大きな金額が戻ってくるわけではありません。なので、大半の場合は、手数料と保証料を合計してトータルで安い銀行を選んだ方が現実的です。

 

どうしても住宅ローンの場合は、金利ばかりに意識がいってしまいがちですが、保証料や手数料、保険料など、色々なものをバランスよく見て最終的に決定することをおすすめします。

 

なお、住宅ローンの仕組みというのは、非常にわかりにくくなっていますので、要底ごとに分解して判断するとわかりやすくなります。

 

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住宅ローンの保証料は何を保証しているの?

 

例えば、4,000万円の借り入れをするときに、銀行によっても若干違うのですが、35年返済ですと、約82〜83万円くらいの保証料を一括で支払う必要があります。これを資金計算のシミュレーションを計算していた時、相談者から次のようなことを言われました。

 

「一括で80万円以上も支払うのですね。でも、住宅ローンの保証料を支払うわけだから、万が一自分たちが返済できなくなったら、保証料を支払う保証会社の方で保証してくれるんですよね。」

 

これは一見すると正しいようですが、もしかしたら誤解されているかもしれないと思い、きちんと説明させていただいたということがありました。あくまでも返済ができなくなって保証会社が保証するのは、住宅ローンを貸した銀行の方の弁済に対してです。

 

ですから、それが終わると、その債権は銀行から保証会社の方に移るので、保証会社からあなたに債務の支払いがくることになるのですよと。

 

すると、「そのための保証料を私たちが払うんですか?」と驚かれました。

 

実際、そのために保証料を支払うわけです。住宅ローンの保証料というのは、あなたを守るものではありません。あくまでも住宅ローンを借りて返済できなくなったら、保証会社が銀行に保証をしてくれるだけなのです。

 

その後、債権は銀行から保証会社に移るだけで、今度は保証会社がその債権の請求をあなたにしてくる、つまり単に返済先が変わるだけです。

 

要するに、あなたの債務がなくなるという話ではないのです。これが住宅ローンの保証料なので、ぜひ誤解されている場合は、ここでしっかり理解しておいて下さい。

 

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