住宅ローン破綻|老後破産の現実、生活苦の原因と実例・事例

 

 

住宅ローン破綻老後破産の現実..

生活苦の原因と実例・事例

 

 

今、60代、70代の住宅ローン返済に困った人の相談件数が急増しています。実際、相談件数の半分以上が60代以上となっています。特に最近目立つのが、平成5年〜10年くらいに住宅ローンを組まれた方です。

 

当時「ゆとりローン」と言われ、バブル崩壊後の金利が少し下がって物件も買いやすくなった時に、物件に飛びついて買われた方々が、20年経って今60代を迎えています。

 

その当時の方々の、現在の物件の下落や、家も売るに売れずに住宅ローンが残ってしまっているという相談がここ数年でかなり増えているのです。

 

当時は、終身雇用が約束されていて、年功序列で給料が上がっていく、しかも不動産の価値は下がらないと言われていましたから、想定された住宅ローンだったのです。

 

それが現実的に難しくなった今、住宅ローンを組んだ方がそのままローンを払い続けていることで、住宅ローン破綻の問題が出てきたのです。

 

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要は、もともと不動産を高値で買っていて、売るに売れなくなって、それでお年もめしていて、雇用関係の変化もあって、という方々が住宅ローン返済に行き詰っているのです。

 

 

老後破産になる原因と実例・事例

 

まずは、健康です。病気やケガが原因となり働けなくなると、住宅ローンを抱えて老後破産に陥りやすいということあります。

 

リストラも同様です。また、転職も老後破産の引き金になります。これは、例えば、高待遇の企業にヘッドハンティングされて、収入も上がるということで転職してみたら、リーマンショックで会社が破綻してしまったようなケースです。

 

また、脱サラして自営業に転職したら上手くいかなかったとか、IT企業に転職したらITバブルの崩壊で会社が破綻してしまったとか、そういった原因で収入が減ってしまうケースです。

 

転職に関しては、実は「こんなはずじゃなかった…」という方の方が多いのが現実です。住宅ローン破綻者の中では、特に転職をきっかけに生活苦で払えなくなったというケースが多いです。

 

さらに、退職金の減額も老後破産の引き金になります。減額ならまだよいのですが、退職金が出ないという場合もあるので、その場合はかなり深刻です。それを当てにしていた方は一気に人生設計が狂ってしまいます。

 

それから家庭面においては、離婚、介護、年金も、老後破産の引き金になります。例えば、介護にお金がかかるということはもちろん、それが始まると、介護のために仕事を辞めて、収入がかなり下がってしまったというケースは多いです。

 

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また、年金がもう少しもらえると思っていたのに、全然もらえなかったというケースや、年金を払っていなかったケースがあってこんなはずじゃなかったというケースもあります。実際、年金を当てにしていたけれど、全然足りないという話はよく聞きます。

 

というように、住宅ローンを組んだ時には想像しなかったようなことが、こうやって出てきて老後破産の引き金になってしまうのです。

 

 

団塊世代が危ない?

 

ちょうど団塊世代の方が65歳を迎えようとしています。その方々が、働き盛りの30代後半から40代前半に住宅ローンを組んで、物件の価格が高い時に家を買って、今下落が大きくて売るに売れなくなっています。

 

金利も安くなったとはいえ、3%〜5%くらいで組んでいる方がほとんどです。

 

それで借り換えもしていないと、今も高い金利で住宅ローンを返済し続けている状況です。ただ、払えうのがきつくても、もう高齢のため借り換えをできなかったりして、金利の高い住宅ローンを払い続けている方もいます。

 

それから、この世代にはバブルの時に住宅ローンを組んだ方もいて、まだローンが終わっていなくて高金利のまま払い続けているという方もいます。

 

特にバブルの時に買った物件は、下落率は酷くて、買った値段の半分くらいになってしまって、売るに売れない状況に陥ってしまってかなり深刻です。

 

 

地方が深刻?

 

地方の方の場合、土地は安くても建物に住宅ローンを組んで返済している方がいます。

 

特にバブル時には、地方でも物件が高い時がありましたので、下落率もかなり高くて、今売るに売れない、また、地方は需要がないので売却したくてもできない、というのが現実です。

 

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また、地方の場合、都心よりも相談する窓口が少なかったり、情報が少なかったり、周りの目を気にして借金があることを知られたくないということでこもってしまって、相談できなくて、最終的に競売になってしまうという現実もあります。

 

 

住宅ローン破綻と老後破産の現実

生活苦の原因と実例・事例

 

元タクシー運転手のAさんの事例・実例を紹介します。

 

Aさんは、相談に見えた当時71歳で、住宅ローン残額2,500万円ありました。53歳の時に北関東に3,700万円で一軒家を購入しました。このエリアでも、今考えるとかなり高い物件ですが、当時は周りにもう物件がありませんでした。今考えると、買えなくなるという危機感から、買ってしまったそうです。

 

住宅ローン期間は25年で、月々20万円の返済でした。

 

そして、58歳の時に不況で年収が600万円から400万円に減少しました。そこで、返済が苦しくなったので、銀行に相談して条件変更をしてもらい、月々の返済を11万円に減額してもらいました。

 

ただその後、60歳になっても仕事を辞められないので、契約社員として残って、年収は300万円とさらに減少しました。

 

70歳になって、アルバイトをしている状況で、年収は200万円です。年金はもらっている状況でしたが、71歳の時に、将来的に完済するのは不可能ではないかと不安になって、相談に見えたのです。

 

そもそもこの住宅ローンは、最初から無理のあるものだったのですが、当時は周りも物件を買わなければということで、ゆとりローンで金利も下がったしということがあったようです。

 

当時は、土地神話もありましたし、持ち家を持って当たり前という時代背景もあったのですね。

 

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どのように解決したの?

 

結局、Aさんは、72歳の時に700万円で自宅を任意売却しました。そして、73歳で退職して、住宅ローン残額は1,800万円残りました。

 

この1,800万円については、自宅の担保が外れて無担保の債務になったので、今は生活状況に合わせて少額ずつ返済をしているところです。

 

Aさんの場合、住宅ローンも払えないし、先も見えないし、自己破産や競売を考えることもありました。

 

ただ、通常であれば、ローン残額が2,500万円ありますから、それ以上で家が売れないと不動産の売却はできないのですが、任意売却という方法なら、住宅ローンを借りている銀行と話し合いをして、時価(相場)で売却することができます。

 

つまり、競売と違い、強制的に引越しをするとかそういったこともなく、自分の手で売却ができるのです。

 

なので、残った債務については、法定整理とか少しずつ払っていくとか色々な選択肢があるのですが、このケースでは任意売却を選んだのです。

 

任意売却の場合は、市場価格で取引されますので、このケースだと700万円ですから、こんなに下がってしまうのと思われるかもしれません。ただ、非常に売りにくい土地だったので、もし競売になっていたら500万円いかないくらいになっていたはずです。

 

なお、住宅ローンを完済したらそれで終わりではありません。リフォーム費用や固定資産税などもかかってくるからです。

 

 

これから住宅ローンを組む人の

老後破産リスクとは?

 

今低金利時代ですから、多くの方が今だ今だと思って家を買っています。金利は1%台が当たり前で、優遇があったら0.*%という時代ですから。

 

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そういった駆け込み需要のような感じで、「今買わなきゃ」という形で、少し身の丈以上の良い物件を買ってしまう方もいます。もちろんそうすると金額も上がるわけですが、「低金利だからいいよね」「何とかなるよね」という形で買ってしまうのです。

 

それから、頭金を入れないフルローンの方です。こういった方は、いくら低金利といっても、売りたいという時には債務超過になってしまいます。なので、頭金0円というのは、絶対にやめた方がいいです。

 

おおよそ住宅ローンの目安としては、年収の5〜6倍とされています。また、住宅にかける月々の支払いは、月収の3分の1以下が目安になります。

 

良い物件を見てしまうと、「住宅ローンが組めるのだったらいいや」と思ってしまいがちです。そして、月々の返済金額しか見ませんから、そうすると、先ほどの管理費や修繕積立金、固定資産税などが頭に入っていなくて、後々返済がきつくなっていくのです。

 

低金利の時代に住宅ローンをパンパンで組んでしまうと、ちょっと金利が上がっただけでもかなり家計が苦しくなりますから、その点にも注意が必要です。

 

もしかしたら、今ゆとりローンで住宅ローン破綻、老後破産が問題になっていますが、今後は低金利破綻による老後破産がくるかもしれません。

 

住宅ローンで老後破産しないためには、きちんと自分で、どんな住宅ローンを組んでいるのか、今残債がいくらあるのか、今金利はどれくらいなのか、などを確認してシミュレーションすることが大切です。

 

今は色々な情報がインターネットなどで取れますから、色々自分で調べることが大事です。

 

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