為替オーストラリアドルと日本円
今後の見通しと推移は?
オーストラリアドル(豪ドル)は、高金利通貨でありながらメジャー通貨ということもあって、ニュージーランドドルと並び、日本の個人投資家には非常に人気がありますよね。
オーストラリアドルの魅力と言えば、何といってもその金利の高さと通貨の流動性の高さにあります。しかしながら、やはりFX取引をする上では、経済情報には特に注視していきたいですね。
オーストラリアドルの見通し・推移を知っておこう!
同様にニュージーランドドルも人気の高い高金利通貨ですが、こちらと比べれば経済情報は集めやすいと言えるわけです。それでも米ドルやユーロなどと比較したら十分豊富にあるというものではないので、若干注意も必要かもしれません。
そんな中で、毎月公表される「雇用統計」は、特に注意したい経済指標と言えます。
また、もしかしたらそれ以上に重要かもしれない経済指標である「消費者物価指数」にも注意が必要です。というのは、オーストラリアの中央銀行はRBA(オーストラリア準備銀行)は、インフレターゲットを採用しているからです。
実際、前年比の消費者物価指数が中期的に2〜3%で推移することを目標にしていますので、この消費者物価指数がインフレターゲットよりも高ければ、利上げの可能性が高まりますし、反対に、インフレターゲットよりも低ければ、利下げの可能性が高まるわけです。
ちなみに、オーストラリアの消費者物価指数というのは、四半期に一度しか発表されません。でもそれだけに注目度も俄然高くなりますから、十分に注意して見るようにしてくださいね。
<オーストラリア情報>
■首都:キャンベラ
■人口:約2,030万人
■面積:7,692,024平方キロメートル
■主な輸出品:石炭と鉄鉱石
■主な輸入品:原油と自動車、石油製品など
■主な貿易相手国
・輸出:中国、日本、韓国、米国
・輸入:中国、米国、日本
オーストラリアは、金や石炭、鉄鉱石、ボーキサイトを豊富に産出しています。そういったこともあって、産出国通貨の豪ドルは資源国通貨と呼ばれているのです。
それから、オーストラリアはインフレ目標を採用しています。
具体的には、消費者物価指数の前年比で+2〜3%を目標レンジとしていると言われていて、オーストラリアの中央銀行であるRBA(オーストラリア準備銀行)は、それを達成すべく政策運営を行っているわけです。
もちろん、RBAが外貨準備を管理していて、為替介入もこのRBAが実施します。
このオーストラリア準備銀行の準備銀行理事会ですが、総裁1名、副総裁1名、財務次官1名、外部理事6名の合計9名で構成されています。ちなみに、理事会は1月を除き、毎月第1火曜日に開催され、多数決により決定されます。
ニュージーランドドルの見通し・推移を知っておこう!
オーストラリアドルと同様、ニュージーランドドルも金利が高いですから、日本の個人投資家には人気が高い通貨ですよね。
とはいえ、ニュージーランド経済についての情報を集めるのはかなり難しいのではないでしょうか?新聞やテレビのニュースなどでも滅多に見かけませんしね。
でも、それほど心配する必要はありません。必要最低限の確認すべき経済指標さえ把握しておけば、ニュージーランドドルの動向はある程度はわかるからです。
もちろん、ニュージーランドにも多くの経済指標があるわけですが、その中でも最も注視してほしいのは「消費者物価指数」になります。ちなみに、消費者物価指数というのは、物価の変動を表した指標です。
この消費者物価指数が重要なのは、ニュージーランドの中央銀行であるRBNZ(ニュージーランド準備銀行)が、インフレターゲットを採っているからなんです。
RBNZは、このターゲットに基づいて政策金利など金融政策を決めるわけです。
つまり、消費者物価指数の数値が低ければ利下げの可能性が高まるわけで、反対に、高ければ利上げの可能性が高まるわけです。こうした傾向を事前に知っておくことで、ある程度ニュージーランドドルの動向は予測できるのです。
金利が下がりそうだという期待がマーケット参加者に広がれば、NZドルは売られやすくなりますし、逆に、金利が上がりそうだという期待がマーケット参加者に広がれば、NZドルは買われやすくなるからです。
とはいえ、ニュージーランドの消費者物価指数は、四半期に一度しか発表されません。
<ニュージーランド(NZ)情報>
■首都:ウェリントン
■人口:約410万人
■面積:267,707平方キロメートル
■主な輸出品:酪農製品、肉類
■主な輸入品:鉱物燃料、機械・機器、輸送用機器
■主な貿易相手国
・輸出:豪州、米国、日本
・輸入:豪州、中国、米国、日本
ニュージーランドドルというのは、資源国通貨とも言われたりするのですが、ニュージーランドはオーストラリアとは異なり、酪農が中心の農業国です。ただ、オーストラリアとは地理的・経済的に結びつきが強いこともあって、豪ドルと連動しやすいとは言えます。
ニュージーランドもオーストラリアと同様、インフレ目標を採用していますので、ニュージーランドの中央銀行であるRBNZ(ニュージーランド準備銀行)は、そのための政策運営を行っています。
具体的には、消費者物価指数が中期的に前年比で+1〜3%をになるようにしているのです。ちなみに、金融政策においては、RBNZ総裁にもに決定の権限が付与されています。
為替介入を実施する権限もRBNZにあるわけですが、これについては、自国通貨の乱高下が大きい場合などの際、自己の判断で行うことができることになっています。
ただ、そのスタンスとしては、為替相場に長期的な影響を与えるような介入は実施しないということらしいです。
スウェーデンクローナの特徴は?
スウェーデンクローナと聞いてもあまり馴染みのある人はいないかもしれません。
でも、スウェーデンというのは、北欧諸国でも最大の経済規模を誇っているのです。また、スウェーデンの中央銀行であるRiksbankは、1668年に創設されたのですが、この中央銀行は世界で最も古い中央銀行とされているのです。
スウェーデンクには、有名企業もありますよね。ボルボやエリクソンなどです。また、スウェーデンクはユーロ圏経済との結びつきが強いことから、スウェーデンクローナは当然、対ユーロの動きに左右されやすいといえます。
ノルウェークローネの特徴は?
ノルウェーといったらどんなイメージがあるでしょうか?
やっぱりフィヨルドでしょうか。でも実際のところは、ノルウェーは世界でも有数の産油国なのです。なので、ノルウェークローネは、いわゆる資源国通貨(コモディティー通貨)としても位置づけられています。ちなみに、ノルウェーの中央銀行は、Norgesbankです。
ユーロ圏との経済的つながりが強いこともあり、ドイツやイギリスが主な貿易相手国となっています。このため、クローネの動向は、原油価格やユーロ圏の経済指標に影響を受けると覚えておくとよいと思います。