NISA(ニーサ)制度の概要!
開始・改正・見直し変更と期限いつまで?
NISA(ニーサ)制度というのは、イギリスのISA制度を参考に日本に導入された制度です。平成25年度税制改正で大幅に拡充手当がされて、平成26年1月から開始されています。具体的には、NISA(ニーサ)制度には、3つのポイントがあります。
NISA(ニーサ)制度というのは、少額投資非課税制度の愛称を指します。
ということで、1つ目のポイント“少額”というのが何を指すのかというと、年間120万円までの投資を指しています。平成27年までは100万円までだったのですが、改正されて平成28年からは120万円までに上限が変更・見直しされました。
2つ目のポイント、何に投資すればいいのかということで、投資対象は上場株式や公募株式投資信託などに限定されています。
3つ目のポイント、何が非課税になるのかというと、NISA(ニーサ)制度を活用して投資した上場株式や公募株式投資信託などの配当・分配金、譲渡益が非課税になります。つまり、配当所得と譲渡所得が非課税になるということです。
少額貯蓄非課税制度との違いは?
以前、NISA(ニーサ)制度と似たような制度で「少額貯蓄非課税制度」という制度がありました。これは、いわゆるマル優と呼ばれるもので、預金の利息について非課税になるというものでした。
これに対して、現在のNISA(ニーサ)制度は、“少額投資非課税”すなわち真ん中の言葉が「貯蓄から投資へ」変わっているのです。
ということは、真ん中の言葉が“投資”に変わったわけですから、良いこともあれば悪いこともある、つまり、リスクがある、マイナスになる可能性があるということです。
そうすると、マイナスになった時に売った場合も、譲渡所得が非課税ということになるので、マイナスで売った損失がなかったものになる点には注意が必要です。
つまり、NISA(ニーサ)制度の税制上の最大の注意点は、このマイナスになった時に、このマイナスがなかったものになるということなのです。
ですから、極力リスクを回避するためにも、例えば、分散投資をするなどして、マイナスにならないように上手く自分自身で考えて運用していかないといけないということになります。この点は非常に重要なので、よく頭に入れておいて下さい。
NISA(ニーサ)制度の概要とは?
利用可能者・非課税対象
NISA(ニーサ)制度を利用できるのは、その年の1月1日において満20歳以上の方になります。当然、法人は利用できません。
一方、非課税対象は、上場株式や公募株式投資信託など配当や譲渡益です。非課税投資額は、毎年、新規購入額で合計120万円です。
つまり、毎年、新規購入ということですから、もともと持っている株式とか投資信託をNISA(ニーサ)口座に移管することはできないということです。
原則として“新規購入”であるという点には注意して下さい。ただし、例外もあります。それは、NISA(ニーサ)口座にある商品をその中で移管させるという“ロールオーバー”というものです。
NISA(ニーサ)制度の概要とは?
途中売却・損益通算・期限いつまで?
口座開設可能期間は、平成26年1月から開始されていますので、当初から数えると10年間ということで平成35年までとなります。非課税期間は、投資した年から最長5年間という仕組みになっています。
ちなみに、途中売却は自由とされています。
つまり、特にNISA(ニーサ)口座で買い付けたからといって、売れないということはありません。ただ、売却することは可能なのですが、一定のルールがあります。それは、売却した部分の非課税枠の再利用はできないというルールです。
また、損益の通算については、特定口座等の他の口座で生じた譲渡益や配当との損益通算はできません。
これは当然のことです。なぜなら、NISA(ニーサ)というのは、配当や譲渡益が非課税になるということですから、それはすなわち譲渡所得が非課税になる、譲渡損益がなかったものになるということだからです。
つまり、税制上は儲けもないけれど損もないということになるからです。ですから、NISA(ニーサ)口座で発生した譲渡損は、当然、他の株式や投資信託の譲渡益との通算をすることはできませんし、配当金や分配金との通算もできないのです。
通常、上場株式や株式投資信託については、確定申告することを条件に、損失を3年間繰り越せるようになっています。
一方、NISA(ニーサ)口座で発生した株や投資信託の譲渡損については、損がなかったものとして扱われますから、繰越控除の対象にもならないということになります。
なお、口座開設数は、原則1人1口座ということになっていますが、平成27年からは毎年一定のルールのもとで金融機関の変更ができるように見直しがされました。
NISA(ニーサ)口座のロールオーバーとは?
あなたがNISA(ニーサ)口座を開設すると、毎年毎年、1つの非課税投資枠が与えられるというイメージになります。
例えば、平成26年の投資枠、平成27年の投資枠、平成28年の投資枠というようにです。この投資枠が、その年の1月1日から5年経過後の年末に終了します。これを正式には“非課税管理勘定”と言います。
毎年毎年の非課税枠は5年後の年末に終わるということで、最長5年間非課税が受けられるという仕組みになっているのです。
なので、NISA(ニーサ)口座の中に毎年毎年1つの非課税投資枠が与えられて、その投資枠が5年経ったら終わってしまうというイメージになります。
そうすると、例えば、平成26年からNISA(ニーサ)口座を活用している人は、平成26年の非課税投資枠を使って投資をしたら、この平成26年の投資枠は平成30年の年末に終了してしまいます。
平成30年末までに譲渡していれば何も問題ありませんが、平成30年末まで商品をそのまま持っていたという場合はどうなるのでしょうか?
平成26年の非課税投資枠は、平成30年末で閉鎖されてしまいますので、この時点でNISA(ニーサ)口座に入っている商品は、一度売ったものとみなされます。
ですから、一度出て行って、通常の特定口座や一般口座の課税される口座にその商品が受け入れられ、そこまでの譲渡損益はなかったものとみなされるというイメージになります。
そのような形で毎年毎年、1つの投資枠が与えられて、その投資枠は5年後に終了する、終了時に残っている商品は、一般的には通常の課税口座に移管されることになります。
一方、NISA(ニーサ)の出口には、その例外として、別の年の非課税投資枠にロールオーバーできる制度があります。
以上が、NISA(ニーサ)制度の概要になりますが、まずは大きなイメージをつかんでから、口座開設されることをおすすめします。