NISA(ニーサ)制度のデメリット!やった方がいいの?

 

 

NISA(ニーサ)制度のデメリット

やった方がいいの?

 

 

NISA(ニーサ)制度については、今、書店などに行ってもたくさん書籍が出ていて、国を挙げての一大キャンペーンのようになっています。

 

NISA(ニーサ)自体は、毎年100万円(2016年からは120万円)まで新規投資に関する分配金や譲渡益が非課税になるシステムですから、非常に良いシステムではあるのです。

 

ただ、アベノミクスで盛り上がった日本のマーケットと、個人の盛り上がりをリンクさせていこうという政府の意図も見え隠れしているのも事実です。

 

 

NISA(ニーサ)制度のデメリットとは?

 

NISA(ニーサ)というと、非課税という部分ばかりがクローズアップされていますが、実は大きなデメリットもあるのです。NISA(ニーサ)の一番大きなデメリットは、損益の通算や3年間の損失の繰り越しができないということです。どういうことかというと…

 

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まずNISA(ニーサ)の非課税のメリットを受けるためには、NISA(ニーサ)用にNISA(ニーサ)専用口座を作らなければなりません。

 

普通の一般的な話ですが、株式の売買をしていると、当然利益が出る銘柄もあれば、損が出る銘柄もあるわけです。通常はそれらを合算して損益を計算し、最終的に税金を計算することができます。

 

例えば、2017年の1月から12月までの間にAという株で200万円の利益が出たとします。

 

一方、Bという株では100万円の損失が出てしまったとします。この場合、200万円−100万円=100万円が課税対象になって、100万円×20.315%=203,150円を税金として計上すればいいということになります。

 

これがNISA(ニーサ)の場合には違ってくるのです。具体的には、NISA(ニーサ)口座で保有している株式については、その他の銘柄と損益の通算計算をすることができないとされているのです。

 

これは、NISA(ニーサ)口座以外の口座に入っている株式との通算計算ができないということだけではありません。NISA(ニーサ)口座内の株式でも通算計算ができないということなのです。

 

これはどういうことかというと、先ほどは200万円の利益が出たら100万円の損失は、200万円から差し引くことができましたが、これができないということです。

 

つまり、200万円にそのまま税金がかけられるということなのです。これが、NISA(ニーサ)の説明の際に、なかなかされないデメリットになります。

 

もともとNISA(ニーサ)自体が、利益が出ているお金持ちの個人投資家の投資意欲を駆り立てようというのが主たる目的ですから、NISA(ニーサ)で損が出た場合には何の保障もないのです。

 

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とういことで、NISA(ニーサ)口座で保有している銘柄については、一切足し算引き算ができないということを、よく覚えておいて下さい。もちろん、利益が出続けて儲かっていればいいのですが、初心者がいきなり勝てるほど投資は甘くありません。

 

「NISA(ニーサ)は非課税ですよ、やらないと損ですよ!」と儲かった時の話ばかり聞かされると、ついつい損した時のことに目をつぶってしまいがちですから注意して下さい。

 

 

NISA(ニーサ)制度のデメリットのまとめ

 

NISA(ニーサ)制度のデメリットとして、まずわかりにくいということがあります。これは、イギリスのISA(イーサ)をモデルとして始まったため、熟考を重ねたオリジナルでない分、日本に無理に合わせようとしたことから、制度が複雑になってしまっているのが原因です。

 

また、試行錯誤の段階で変更を前提にスタートしていることから、非課税という部分はありがたいことではありますが、何とか抜け穴がないように、見落としがないようにということで、ガチガチのスタートになってしまったこともあるようです。

 

もう1つ、1人1口座、すなわち、1人1金融口座に限定されるのも大きなデメリットと言えます。

 

これは、2014年にどこかの金融機関でNISA(ニーサ)口座を開設すると、他の金融機関に口座変更するには2018年までできないことになっています※。これですと、最初に金融機関を決める段階で慎重にならざるを得ません。

 

また、こういうガチガチの制度なので当然なのかもしれませんが、既に投資信託を始めている人が、それをNISA(ニーサ)口座に移行しようと思っても、それはできないことになっています。

 

あくまでも新規にNISA(ニーサ)口座で買ったものだけが非課税対象になるということなので、これもデメリットと言えます。

 

そして、NISA(ニーサ)制度の最大のデメリットは、従来の証券会社等にある特定口座や一般口座と損益通算ができないということです。

 

従来の特定口座の中で株式の売買をしていると、例えばAという株で損してBという株で儲かった場合には、損と儲けを合わせて利益が出ていれば、その分に税金がかけられることになります。

 

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NISA(ニーサ)制度では、これができないということです。NISA(ニーサ)口座で儲けが出ている分については、非課税ですから当然メリットがあるわけですが、損をした時には他の口座、あるいは、NISA(ニーサ)口座内でも通算できないのはデメリットと言わざるを得ません。

 

最後に、100万円(120万円)という決められた非課税枠は、1年間のうちに使い切らなければいけないというのもデメリットと言えます。

 

例えば、今年100万円のうち80万円使って残り20万円の枠があるからといって、次の年にその20万円分の枠を繰り越すことはできないということです。あくまでも非課税枠はその年に使ってしまわなければいけないというのがデメリットと言えます。

 

※現在は1年に1回のみ金融機関の見直しができるようになりました。

 

 

NISA(ニーサ)口座は作った方がお得なの?

 

前述したように、NISA(ニーサ)口座にはメリットもデメリットもあるわけで、結局のところ、NISA(ニーサ)を作った方がいいのかと迷うところだと思います。

 

メリットとしては、売却益や配当金などが非課税になるのはお得です。一方、デメリットとして、今ある口座とは別にまた開設しなければならないので結構手続きが面倒なこと、投資枠が年間120万円までと限られていることなどがあります。

 

ただ、個人的には、NISA(ニーサ)口座を作ることをおすすめします。なぜ、おすすめするのかというと、NISA(ニーサ)制度は、導入当時から次々とバージョンアップを繰り返しているからです。もちろん、政府がすすめているからもあります。

 

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そもそも2013年以前は、配当金や売却益にかかる税金は10%課税でした。

 

それが終了して20%に上がると同時に、このNISA(ニーサ)制度が導入されました。スタート当初は、非課税投資枠は年間100万円までで5年間のみという決まりだったのですが、2016年からは非課税枠が120万円まで広がりました。

 

さらに2018年からは、今度は積立型ニーサというのが登場します。

 

非課税投資枠は年間40万円までと下がるのですが、投資できる期間が20年間と約4倍に増えます。これを別名「積立型ニーサ」と呼んでいるのですが、投資枠がこれまでの600万円から800万円に拡大されます。

 

ちなみに、これまでのNISA(ニーサ)は、成人版のものですが、0歳から19歳までの人も株式投資ができるジュニアニーサというのも、2016年4月から登場しています。

 

こちらは、投資枠が年間80万円までとか、子供が18歳になるまで原則引き出しができないなど色々な条件があります。例えば、大人2人子供2人の4人家族の場合、大人と子供全員合わせると年間400万円まで投資枠が拡大します。

 

これが5年間ですから、トータル2,000万円(400万円×5年)まで増えるわけです。1人で500万円と言われるとそんな程度かと思われるかもしれませんが、人数を増やすことで投資枠というのは拡大していきます。

 

自分の資産が数億円あるとか、500万円や2,000万円では全然足りないという人は少数派だと思います。多くの人は、1,000万円くらいの資金で、定期預金などもしているはずです。そう考えると、2,000万円という枠はかなり大きいと思います。

 

なので、ぜひNISA(ニーサ)口座の活用をおすすめします。

 

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