iDeCo(イデコ)おすすめ運用方法とは?
預金と債券、株式のみでOK!
iDeCo(イデコ)の運用方法としておすすめなのが、プロ(機関投資家)の投資手法をマネすることです。要は、機関投資家の運用方法をマネして運用すれば、ほぼ確実にお金が増やせるということです。
ちなみに、ここで言う機関投資家とは、銀行や信託銀行、生命保険会社、損害保険会社、信用金庫、年金基金、共済組合、農協、政府系金融機関など、大量の資金を使って株式や債券で運用を行う大口投資家のことです。
iDeCo(イデコ)で重視すべき運用対象は?
実はプロが重要と考えている投資対象というのは、預金(キャッシュ)と債券、株式、この3つしかありません。機関投資家は、この3つを投資対象として、それに色々なタイミングやバランスなどの要素を組み合わせて投資をしているだけなのです。
まず個人の場合は、信用取引とかFX(外国為替証拠金取引)などですと、お金を借りてきて投資することもできますが、ほとんどはお金を預けてするものですから、預金を考えればよいということです。
一方、キャッシュと書いたのは、機関投資家はお金を借り入れて投資することができるからです。
次に、債券と株式ですが、わかるようでわからない投資対象かもしれません。実はiDeCo(イデコ)のラインナップに出ているものには、単独の債券や株式はありません。iDeCo(イデコ)では、債券や株式を組み合わせた投資信託になっているからです。
なので、債券や株式には単独で投資はできませんが、考え方としては、預金(キャッシュ)と債券、株式、この3つを把握しておけば、上手く投資信託も選ぶことができます。
なお、基本的に、3つの投資対象のリスクは、預金(キャッシュ)<債券<株式、の順で大きくなっていくと捉えておけばOKです。
iDeCo(イデコ)での預金の運用方法とは?
実は預金も重要な投資対象です。実際、機関投資家もキャッシュを上手く使っています。預金には大きく分けると以下の2つの機能があります。
■デフレによる現金価値の上昇
■預金の信用創造機能
デフレというのは、物価が下がり続ける状況です。日本は、1990年くらいにバブル経済が崩壊して以降、物価が上昇していません。これは消費者物価指数といって、食品やガソリンなどを含めた指数を見るとよくわかります。
実はこうした物価が上がらない状況だと、現金の価値が高くなるのです。なので、日本というのは、この20年間くらいは、預貯金にお金を置いておくだけでその価値が高くなってきたのです。
マイホームを購入して住宅ローンを組んだ人はわかると思いますが、今、住宅ローンの金利はほとんどないですよね。それぐらい金利が下がっているということなのですが、実は今、お金はマーケットにジャブジャブの状態なのです。
日本人の堅実性も現れていると思うのですが、預貯金はどんどん増えています。実際、個人金融資産は1,700兆円くらいあると言われています。なので、まずはデフレは現金の価値を高めているということを押さえておいていただきたいです。
預金の機能である信用創造とは?
日本は借金が多いという話をよく聞きますよね。実際、国と地方を合わせると1,000兆円を超えていると言われていますが、日本はギリシャのように破綻はしません。
その理由は色々とあるのですが、信用創造の仕組みにもそれは現れています。日本だけでなく先進国には、部分準備制度というものがあります。
例えば、誰かが銀行に100億円預けたら、10%の10億円を銀行に残して、残り90%の90億円を企業に貸してしまいます。
すると、90億円を借りた企業は、支払いなど別の企業にお金を出し、またその受け取った企業はそのお金を銀行に預けます。そうすると、その銀行は、また10%を手元に残して残り90%のお金は貸し出しに回します。
これがよく言われる信用創造の仕組みです。これを計算式で表すと複雑になるのですが、簡単に言うと、100円を預けると900円の預金が生まれることになるのです。
つまり、実際の預金としては、100円しかないのですが、どんどん膨らませていって900円になるということなのです。このように経済というのは、どんどん大きくなっていきます。
そのお金を使って、銀行は会社にお金を貸して、企業に色々な投資をしてもらって、お金を生んで成長していくという仕組みになっているのです。ただ現在は、300兆円ほどお金が供給されているにもかかわらず、900兆円くらいしか貸し出しがありません。
本当はもっとたくさん貸せるのですが、借りれる人がいない状況です。貸せる対象が今は少なく、日本はもっと貸した方がよいと言われています。ですが、借りれる限度などもあって、なかなか借りれないという状況にあるのです。
iDeCo(イデコ)の債券・株式とは?
債券とは、一言でいうと「借金」のことです。政府が国民から借金をすることを「国債」と言い、企業が投資家から借金をすることを「社債」と言います。一方、株式とは「出資金」のことです。
株式会社を作る時に、まず株式を発行してお金を払いこんでもらいます。その元手のお金を使って企業活動をしていくのです。ちなみに、債券も株式も、どちらも資金調達の手段です。
まず株式会社を作ると出資金として投資家からお金を集めます。また、元手のお金以上に大きく事業をしたいとなったら、債権者(銀行)からお金を借りたり、債券(証券)を発行して投資家からお金を募ります。そして、これら集めた資金を資産に換えます。
設備投資をしたり、不動産や商品を買ったり、そういった企業活動を行って、そこから売上が上がって利益が残ります。株式というのは、残った利益から会社の中に残す部分を差し引いて、投資家に配当する仕組みになっています。
一方、債券は、お金を貸していますので、利益が上がる前の段階で利息を定期的にもらえる仕組みになっています。株式の配当は、すべての結果が出て利益が残ったらやっともらえる仕組みなので、ここが債券と株式の大きな違いになります。
企業利益の分配はどうされるの?
企業活動のイメージとしては、まず色々な商品を売ると年間の売上高が上がります。その売上げを上げるために、売上原価、販売コスト、人件費などが上がってきます。これを差し引いて本業の利益(営業利益)が上がります。
債券に投資している人には、その後の営業外損益で利息を支払います。そうすると、経常利益が出てきて、そこから税金を差し引くと純利益が出てきます。
株式はここの最後のところです。会社に残す内部留保と配当という部分に分けて分配することになります。つまり、株式投資というのは、企業の最後の利益が算出されてようやくもらえるということです。以上をまとめると…
iDeCo(イデコ)の債券と株式の違いは?
債券と株式の違いを簡単にまとめると、まず債権は、利息や元本の取り決めが最初からあるものですが、株式には、そういった取り決めは最初からありません。
また、債券の利息は費用になりますが、株式の配当は税引後の利益処分ですから利益が残らなかったら配当はもらえません。会社の業績が悪いと、株式の配当はもらえないのです。
つまり、株式はリスクが高いので、株価の変動があるということです。
この会社は調子がいいなという時に株価は上昇するのです。そうすると配当として利益の一部がもらえるかもしれません。だから、株式を買うのです。利益が出ないと思ったら、その会社の株は買われません。なので、株価は下がってしまいます。
一方、債券は、元利払いと市場金利によって収益の期待値が決まっているので、おおよそ手元のどれくらいのお金が入ってくるのかはわかっています。
株式はそれはわかりません。なお、もし会社が上手くいかなくて、解散した場合は、残った財産をもらえる権利が株式にはあります。
iDeCo(イデコ)で個人資産を形成する方法とは?
iDeCo(イデコ)に限ったことではありませんが、個人の金融資産形成の場合は、預金と債券、株式以外はほぼ考えなくてOKです。プロの運用に沿った投資プランを採用すると、一番上手くいきます。
機関投資家などプロの投資家は、原資産(預金・債券・株式)だけを見て運用をしています。これらを組み合わせて、いわゆるオプション商品になっています。
例えば、住宅ローンを利用した人がお金がないから、債券と預金の仕組みをうまく使ってお金を貸しましょうとか、ある条件になったら保険金を支払いますよという生命保険にしたりとか、預かったお金を信託にして、利息を少し高めにした商品を出そうとか、そういったオプション商品です。
こうしたオプション商品は、iDeCo(イデコ)の中のラインナップにも入っています。ですが、これらの商品はコストが高いです。