確定拠出年金とは|制度の仕組みと節税メリット・デメリット

 

 

確定拠出年金とは?

制度の仕組みと節税、メリット・デメリット

 

 

確定拠出年金は、節税のメリットがすごく大きくて、確実にしかも先取りでメリットが受けられる制度です。今、低金利で私たちの運用先がない中で、確定拠出年金は、圧倒的に有利な商品といっても過言ではありません。

 

本当に厳密に言うと、家族構成とか年収によっても違うのですが、ざっくり言うと、年収250万円くらいでも、1年で55,000円くらいの節税になります。これは1年でですから、30年だったら約166万円にもなります。

 

ちなみに、年収500万円だったら30年で約248万円もお得になります。

 

248万円といったら、ちょっとした年収レベルですから、ものすごくお得だというのがわかっていただけると思います。確定拠出年金は、まだあまり知られていない制度ですが、これはやらないと絶対に損です。

 

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確定拠出年金の仕組みは?

 

今、日本の年金というのは、一般的には3階建てと言われています。1階部分には、国民年金あるいは基礎年金と言われている、これは国民全員が加入する年金があります。その上には、サラリーマンの場合には2階部分というのがあって、それが厚生年金です。

 

厚生年金は報酬比例なので、給料が高くてたくさん保険料を払った人ほど年金給付が増えるという収入比例になっています。ちなみに、国民年金の一階建て部分は、月額66,000円くらい、40年間保険料を納めた場合は全員一律に支給されます。

 

さらに、企業によっては3階部分が企業年金というもので、これまでもあったものです。

 

ただし、この3階部分というのは、事実上大手企業のみです。企業年金というのは中小企業というのはほとんどないですし、自営業の人は全くないですから、この3階部分というのは、かなり恵まれたサラリーマンに限られるということです。

 

公務員は、共済をやっていたので、事実上3階部分に相当する職域加算というのがありました。なので、自営業の人は基本的には1階部分のみで、一流企業や公務員の方だけが3階部分を持っているというのが、これまでの日本の年金だったのです。

 

ですが、これだとあまりにも不公平ですよね。そこで、全員が3階部分を持てるようにしましょうというのが、この確定拠出年金の制度なのです。

 

 

確定拠出年金とは?

 

確定拠出年金というのは、実は、今までもあったものです。それは、個人型で自分で積み立てる形です。ちなみに、なぜ“確定拠出年金”というのかというと、年金額が保証されているわけではないからです。

 

つまり、年金額が保証されているわけではないので、積み立てていっても、運用の成果によっては、もらうお金というのは変わってきます。ただ自分で積み立てるということ自体は、個人事業主や企業年金のない中小企業には認められていたのです。

 

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確定拠出年金は誰でもできるの?

 

これもあまり知られていないのですが、実は2017年1月から、企業年金のある大企業の人も公務員の人も、さらに専業主婦も、すなわち国民全員がこれができるようになりました。

 

ただ、個人事業主や企業年金のないサラリーマンなどを対象に3階部分を作りましょうということで始めた制度なのに、2017年1月からは全員が対象になるということは、「恵まれている人は4階部分もできてしまうのでは?」と思うかもしれません。

 

確かにその不公平は残るのですが、ですが、本当の不公平は、知っている人と知らない人との差なのです。

 

 

確定拠出年金のメリットは?

 

賢い人はすでに確定拠出年金を始めています。なぜかというと、この確定拠出年金の掛け金というのは、掛け金の上限はあるものの、全額所得控除になるメリットがあるからです。

 

わかりやすく説明すると、例えば、年収が500万円あったとします。

 

そうすると、500万円全部が課税対象になるわけではなくて、色々な控除があるのですが、それは置いておいて、500万円の課税所得があったとして、50万円の個人型の確定拠出年金に保険料を払うと、500万円の課税所得から50万円所得を差し引いてもらえるのです。

 

すると、450万円に対して税金がかかる、つまり、その年の税金が減るということです。これは人によってなのですが、普通のサラリーマンは、所得税が5%から、中高年くらいの少し多目の人で10%くらい取られています。

 

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10%所得税を取られている人というのは、その分確定拠出年金に掛けたお金がかからなくなるので、例えば50万円預ければ、その10%、5万円(50万円×10%)が、その年に先に返ってくることになるのです。

 

今、銀行に100万円預金しても、金利が10円しか付かないとかいう時代です。

 

確定拠出年金というのは、自分で運用対象を選べるわけですから、投資信託などある程度リスクのある商品を選んでもいいし、預金を選んでもいいのです。ですから、リスクの嫌いな人は預金を選べばいいのです。

 

ただ、この確定拠出年金の掛け金をかけた瞬間に所得税が戻ってくるというのは、超高利回りといっても過言ではありません。

 

つまり、リスクの度合いは違うけれど、あなたが確定拠出年金にこの金額だけ預けると決めた段階で、その金額がそのまま節税になるということなのです。

 

 

確定拠出年金のデメリット(問題)は?

 

確定拠出年金の最大のデメリット(問題)は、60歳までずっと積み立てていかなくてはいけないことです。つまり、60歳から出ないと引き出せないので、余裕のある資金でやる必要があるのです。あくまでも確定拠出年金制度というのは、老後のための仕組みだからです。

 

もう1つデメリットとしては、もうすぐ60歳になる人には、確定拠出年金を始めるメリットが少ないということです。

 

例えば、あと半年で60歳になってしまう人だと、手続きが面倒なだけでメリットは少ないかもしれません。でも、今58歳以下の人なら大きなメリットがあるので、始めた方がお得です。

 

 

確定拠出年金の申し込みはどこで?

 

確定拠出年金について、実は金融機関があまり宣伝していません。なぜかというと、金融機関側は、面倒くさいだけで儲からないからです。

 

しかも、投資信託などなら信託報酬と手数料を取れるのですが、この確定拠出年金用の投資信託は、信託報酬や手数料が低く抑えられている商品がたくさんあるため、ますます儲からないからです。

 

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要は、各金融機関は、確定拠出年金を取り扱ってはいるのだけれど、儲からないから宣伝をしていないということなのです。世の中というのは、ガンガン宣伝している商品よりも、宣伝していないところに意外なお宝商品があるということなのですね。

 

ちなみに、確定拠出年金の手数料も取られるので、そこはしっかりインターネットなどで調べて安いところを選んだ方がいいです。

 

 

確定拠出年金は退職金の優遇税制も!

 

もう国民年金や厚生年金など公的年金は、払った保険料が自分に返ってくるということはなくなったのです。なぜなら、今から12年ほど前に、保険料で集めたすべてのお金を今の高齢者で山分けするという仕組みに変わったからです。

 

ですから、これは厚生労働省は言っていませんが、間違いなくこれから公的年金の実質給付はズルズル下がっていきます。

 

そうした中で、自分の老後は自分で守らなければならないので、自分で積み立てて自分のために使うというのが確定拠出年金なのです。自分で預けたお金は、自分の老後ためのお金だということです。

 

確定拠出年金は、自分に返ってくるお金なのです。もちろん、年金を受け取る時点で、これは所得になるので税金はかかるのですが、歳を取ってからはそれほど年収がないので、通常は税金はそれほどかからあにので心配する必要はありません。

 

ちなみに、一時金で受け取れば退職金扱いになるので、退職金の優遇税制が受けられます。

 

 

確定拠出年金制度で一番メリットを受ける人は?

 

確定拠出年金制度で最もメリットを受ける人は、比較的恵まれた会社に勤めているサラリーマンということになります。大企業のサラリーマンは、企業年金にも入って、この確定拠出年金にも入って、また生活に余裕があるからごっそりこちらにも持っていけるからです。

 

なので、こうした人たちは豊かな老後が過ごせるということもあるのですが、でも誰にとっても有利な制度には違いないわけです。

 

ですから、中小企業に勤めていても、普段の無駄遣いをやめて、無理をしない範囲で1万円でも2万円でもいいので確定拠出年金を始めることをおすすめします。これは自分で運用するので、絶対に使いこまれることはないですから。

 

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