家賃の値上げ問題で現在係争中で、毎月の家賃は供託されているのですが、これは不動産所得になるのでしょうか?

事例で検討

 

先日借家人に家賃の値上げを断られ、現在係争中です。この期間の家賃の受け取りは拒否しているので、借家人は係争前の家賃60,000円に5,000円を積み上げ、合計35,000円を各月の約定支払日に供託しています。

 

このような場合でも、不動産所得になるのでしょうか?

 

アドバイス

 

ご質問の場合ですが、借家人が供託している35,000円については、争いのない金額といえます。なので、たとえそれを受け取っていなくても、35,000円については、収入金額に計上しなくてはなりません。

 

 

まず不動産所得の金額は、

どのように計算するのですか?

 

不動産等の貸付けについての不動産所得の金額は、その年の不動産所得にかかる総収入金額から必要経費を控除して計算します。

 

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不動産所得の収入を計上する時期は

どのようになっているのですか?

 

それぞれ、次の日とする取り扱いになっています。

 

■賃貸料については、契約または慣習によって支払いの日が決められているものについては、
その支払日、支払日が決められていないものについては、支払いを受けた日
・請求したときに支払うことになっている場合は、請求日

 

・賃貸借契約の存否について係争等になっている場合※1の判決、和解等があるまでの期間の賃貸料※2については、原則として、その判決、和解等があった日

 

※1 未払賃貸料の請求についての係争は除きます。
※2 供託されているもの、供託されていないもの、遅延利息、その他損害賠償金を含みます。

 

■頭金、権利金等について
・不動産の貸付けにより、一時に受け取る頭金、権利金、名義書替料、更新料等については、その貸付契約において資産の引渡しを要するものはその引渡しの日(または貸付契約の効力発生の日)、引渡しを要しないものは、貸付契約の効力発生の日

 

 

私の場合はどうなりますか?

 

ご質問のような、家賃の値上げについて係争の場合ですが、借主が供託している家賃については、もはや争いのない金額といえますので、たとえ供託中の家賃を受け取っていなくても、その35,000円については、収入金額に計上しなくてはなりません。

 

 

判決、和解等があった場合は

どうしたらよいのですか?

 

その時は、値上げされた部分の金額、遅延利息、その他損害賠償金を含めた合計額から、すでに供託されていて家賃の収入金額に計上されている金額を控除した残額を、不動産所得の総収入金額に計上することになります。

 

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