事例で検討
私がもっている土地に妻が建物を建設し、これを私が代表をしている会社に貸しています。会社が支払う賃借料のうち、地代は私の所得とし、家賃は妻の所得として申告できますか?
アドバイス
会社が借りた建物の所有者が奥様なら、その建物の賃貸からの所得は、原則として、奥様に帰属することになります。
建物の賃借料の中には、
敷地の使用料は含まれないということ?
そういうことではありません。
本来建物の所有権は、敷地利用権と一体となって、財産権としての価値を持っています。もちろん、この場合も敷地の使用料が含まれていると考えるのです。
ご質問の場合ですと、土地の利用権は、妻がその土地の上に建物を建てたことによって、その支配下に置かれたものと考えます。
ですから、妻に支払われる建物の賃借料の中には、敷地利用権の貸付の対価も含まれているものと考えますので、会社が支払う地代名義の賃借料は、妻の建物の賃借料とあわせて、妻の不動産所得として申告すべきものとなるのです。
実際に、妻が夫に
地代を支払っていた場合はどうなるのですか?
その場合でも、その支払った地代は、奥様の不動産所得の必要経費にはなりません。
この場合は、あなたの不動産所得の計算上も妻からの地代収入はなかったものとされます。その代わり、あなたの土地に係る租税公課などは、奥様の不動産所得の必要経費にできることになっています。