株式投資信託の受益証券の購入手数料と解約差損の取扱方法は?

 

事例で検討

 

年金所得者です。今年、A証券会社で株式投資信託の受益証券を450万円で購入し、その際、購入手数料として10万円を支払いました。

 

この株式投資信託は、主に国内株式に投資するもので、収益の分配金は年間20万円で、所得税14,000円が差し引かれていました。先日、この投資信託を解約したら、40万円の解約差損が生じました。

 

この解約差損と購入手数料は、どのように取り扱ったらよいのでしょうか?

アドバイス

 

ご質問の場合、株式投資信託の受益証券の収益の分配からの配当所得と解約差損との損益通算はできません。

 

ただし、もし、他に株式等の譲渡所得等があるのでしたら、購入手数料10万円と解約差損40万円を、他の株式等の譲渡益から控除することができます。

 

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株式投資信託の

受益証券の収益分配金からの

配当等の税金は?

 

公社債投資信託以外の公募証券投資信託(特定株式投資信託は除きます。)(以下『株式等証券投資信託』とよびます。)の収益分配からの配当等は、従来は、公社債や預貯金の利子と同じように、源泉分離課税によって課税されていました。

 

しかし、平成15年度の改正によって、平成16年1月1日から平成20年3月31日までの間に支払われる収益の分配からの配当等については、上場株式等の配当等と同じ扱いとされました。

 

つまり、源泉徴収(所得税7%、住民税3%)をした後、確定申告をしないで課税関係を終わらせるか、または、確定申告をして配当控除を適用して、源泉徴収税額を精算するかを選択することになりました。

 

また、平成16年1月1日以後は、『株式等証券投資信託』の解約や償還によって、解約差損や償還差損が生じた場合には、それを他の株式等の譲渡益から控除できることになりました。

 

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私の場合、解約差損を収益の分配金から

差し引くことができますか?

 

できません。

 

『株式等証券投資信託』の受益証券の解約差損や償還差損を控除できるのは、あくまで他の株式等の譲渡益とされています。ですから、配当所得である収益の分配金や解約差益、償還差損と相殺する(損益通算)ことは認められません。

 

ご質問の場合も、株式投資信託の受益証券の収益の分配からの配当所得と解約差損との相殺(損益通算)は、認められないことになります。

 

 

他に株式等の譲渡所得が

ある場合はどうですか?

 

その場合には、解約差損の金額を他の株式の譲渡益の金額から差し引いて、株式等についての譲渡所得等の金額の計算をすることができます。

 

 

この場合、購入手数料は

どうなりますか?

 

購入手数料については、投資信託の受益証券の取得にかかった費用になりますので、その投資信託の受益証券の取得費に含めます。

 

よって、この金額を含めて他の株式等の譲渡益の金額から差し引くことになります。

 

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