国民健康保険が高い払えない..
滞納なら差し押さえ!減免や免除はあるの?
先日、新聞を読んでいて驚いたことがありました。
国民健康保険を支払えずに滞納していると、納税するセクションの人は取ろうとするわけですが、これが法律で禁止されている、例えば生活保護や年金、児童手当などにも突っ込んで差し押さえをしようという動きがいくつかあるそうなのです。
そんな事例がいくつも載っていました。
国民健康保険が高い理由とは?
なぜ払えないで滞納?
そもそも国民健康保険というのは、他の公的医療保険に入れない人たちの受け皿になっているものです。国民健康保険が対象にしているのは、自営業者や農林水産業者というイメージがあると思います。
でも、実際に2012年度のデータを見ますと、自営業者や農林水産業者の割合はたった18%だったのです。実際には、国民健康保険の加入者の43%が高齢者や職を失くした無職の人、35%がパートや契約社員などの非正規労働者でした。
今、正社員が減って非正規労働者が増えていますから、そういった人たちがどんどん国民健康保険に入ってきているというのが現実なのです。
しかも、加入者の一世帯当たりの年間所得もどんどん下がってきていて、1995年度はおよそ231万円だったのですが、2012年度にはおよそ4割も減っておよそ141万円まで落ち込んでいます。
所得に対する保険料の負担の割合もどんどん高くなっていて、1995年度のおよそ7%から2012年度にはおよそ10%に上昇しています。141万円の10%ということは、保険料は約14万円です。
さらに、年間所得が30万円未満の世帯の場合ですと、保険料の負担割合が19.4%にもなっています。
これは、大企業の社員が入る健康保険組合や中小企業の社員が入る協会けんぽの4〜5%に比べると、非常に高い数値になっています。
つまり、今の国民健康保険は、低所得の人ほど保険料の負担が重くなってしまっているという変な仕組みになってしまっているのです。こうしたことから、保険料を滞納しているのは、加入者のうちの2割近いおよそ370万世帯となっています。
一方で、滞納者への差し押さえもどんどん増えていて、この5年間で約2倍の25万件になっているそうです。
国民健康保険が高いと払えない..
滞納なら差し押さえ?
生活が困窮して国民健康保険が払えなくなり滞納すると、自治体の納税課が赤い封筒を送ってきます。中を開けると、差し押さえをしますよというチラシが入っています。
最近は、平成の赤紙などとも言われているようですが、要するに、放っておくと財産を差し押さえますよという警告です。
中には、生活保護費や国民年金、児童手当など、本来であれば手をつけてはいけないところにまで踏み込んで、差し押さえをしているケースがあるようなのです。
国民健康保険は、その人の所得に応じた割合で決まるものだと思いがちですよね。
ですが、実は国民健康保険というのは、基本的には所得がなくてもかかる平等割や家族数に応じて増える均等割という仕組みを取り入れていて、所得がゼロの世帯でも年間およそ2万7千円の保険料を支払わなければならないことになっています。
もちろん、これ以上は所得に応じてかかってくる保険料は上がっていきますが、ただ負担率は非常に高いものとなっているのです。
本来なら年金は、国民年金法で差し押さえてはいけないことになっているはずなのですが、こうしたことが行われているのは、管轄の省が違っていたり、実際に保険料を徴収しているのが市町村だったりするからなのです。
国民健康保険の滞納が長期になると…
病院での支払いが10割負担になったり、給与や預貯金を差し押さえられたりします。そうなる前に市役所の窓口で納付の相談をするようにして下さい。
国民健康保険高いけど減免や免除はあるの?
国民健康保険制度では、支払いが厳しい人のための減免・免除の制度があります。一般的には、各自治体の保険年金課に申請が必要です。
私が住んでいる自治体では、減免・免除対象は、世帯の合計所得金額が125万円以下で、次の2つの条件のどちらかに該当する世帯とされています。
1つは、母子・父子・寡婦世帯で、20歳未満の子供を養育している世帯が、免除を受けられます。この適用を受けるには、その年度の納入通知書と医療受給者証を持参して、保険年金課へ申請する必要があります。
もう1つは、世帯主が身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を持っている世帯が、減免を受けられます。この適用を受けるには、その年度の納入通知書と該当の手帳を持参して、保険年金課への申請が必要になります。
なお、具体的な基準については、自治体によっても違ってくるので、保険料の支払いが厳しくて滞納しそうな場合には、現在お住まいの各自治体に相談してみてください。
国民健康保険が高い・払えないのは
財政的な問題?
健康保険証1枚で、いつでもどこでも誰でも医療を受けられるのが国民皆保険です。その国民皆保険を支えている国民健康保険が今、危機的状況になっています。
国の負担が半減する中、国民健康保険の保険料は30年前と比べると2倍以上になり、高額な保険料が支払えず、保険料滞納世帯が2割に迫っています。
政府は、これまで市町村が担っていた国民健康保険の財政運営を都道府県に移そうとしています。
財政運営の移行後、都道府県が市町村ごとに分担金を割り当てる案が出ていますが、そうなると、市町村は県に納める分担金が足かせとなって、保険料の収納率が低い場合には、保険料を上げざるを得なくなります。
また、行政と住民の距離が遠くなれば、これまで以上に機械的な取り立てや差し押さえが横行するかもしれません。国庫負担が減らされる中、都道府県も保険料を上げるか、入院ベッドを減らすか、あるいはその両方か、苦しい選択が迫られています。
個人的には、国民皆保険を立て直すためには、やはり国の財政負担を増やしていって、運営は身近な市町村が行うのがよいのではないかと思います。