50代の医療保険の必要性は?
30代・40代の女性におすすめはガン保険(1)!
50代になると身体の衰えも感じるし、医療保険に加入した方がいいのかな、それなら終身の医療保険に入ろうかなと考え始める方も少なくないようです。
50代は、子供も大きくなって、体力も落ちてきて、周りも持病を持っている人たちが何人か出てきて、自分の親の世代がどんどん亡くなっていく、そんな時期です。そして、入院するとすごくお金がかかるのではないかなど不安になるものです。
50代女性の医療保険の必要性は?
50代以降の女性の医療保険が必要かどうか以前に、まず基本的に30代や40代その他どの年代であっても医療保険は必要ないと思います。そもそも医療保険、入院保険というのは貯蓄で賄うものであって、保険で賄わなければならないものではないからです。
これは頭ではわかっているけれども、予備知識が少ないし、実際に病気になったらどうなるかわからないから不安になって、それなら医療保険に加入しようかなと考えてしまうのだと思います。
医療保険の種類は?
50代以降の医療保険に対する考え方としては、自分の体力の衰えから将来への不安を感じてという方が圧倒的に多いです。なので、少なくとも有期の医療保険は考えておらず、ずっと保険が効く終身医療保険を考えている方がほとんどです。
これは、20代、30代の医療保険に対する考え方とは明確に違うところです。
終身医療保険とは?
終身医療保険の有期の払い済みですと、だいたい60歳払い済み、あるいは65歳払い済みが多いのです。また、止めるまで払い続ける終身払いもあります。
当然、終身払いの方は価格は安いですが、ずっと払い続けるもので、払い済みの年齢が若ければ若いほど毎月の支払が高くなっています。
これをどのように選ぶかということですが、50代から加入するとなると、60歳払い済みは相当高くなりますので、毎月およそ1万2千〜1万5千円くらいの支払いになります。
なぜこういうことを考えるようになるかといえば、子供が大学も卒業したり結婚をして、家には夫婦のみという状態になり、お金にもある程度余裕がある、そして、まだ働いているので、保険料が払えるからです。
なので、自分が働いている間に保険を全て支払ってしまいたいか、もしくは安い金額を年金時代も含めてずっと払い続けるか、という選択になってくると思います。
50代女性の医療保険はいくらくらい?
50代前半で入る終身医療保険ですと、終身払いの日額5千円タイプで、毎月の保険料の掛け金は2,500〜3,000円くらいで加入できます。また、65歳払い済みですと月額8千円くらいです。60歳払い済みですと1万2千〜1万5千円くらいです。
普通の人は、「1日いくらもらえるのか」ということにすごく興味があると思うのですが、それ以外に医療保険は、1回の入院で何日間もらえるかという1回入院に関する日数制限と、全体の日数制限の2つがあります。
全体の日数制限はおそらく1,000日なので、ほぼ使い切ることはないと思います。
重要なのは1回入院当たりの方です。1回入院当たりについては、およそ60日もしくは90日もしくは120日の3タイプになりますが、現在はほとんどが60日タイプになっています。従来は120日タイプが主流だったのですが、どんどん短くなっています。
これは、医療が発達をして、入院日数がすごく減っているので60日で十分、その分値段を安くしていくという保険会社の考え方になります。なので、主流は1回入院当たり60日で、全部で1000日ということになっています。
高額療養費制度(高額医療費制度)で
医療保険の必要性は低い?
50代から医療保険を検討している方の不安の多くは、いくらかかるかわからないということです。
ですから、まず最初に予備知識として、医療保険の範疇にある、入院や手術、通院などにいくらくらいお金がかかるのかということを知っておくことが大切です。経済的な面をトータルで考えると、医療保険は必要ないという結論になるのですが…。
まず最初に保険内の治療である場合、どれだけお金がかかっても、1人およそ9万円くらいで済んでしまいます。
これは、高額療養費制度(高額医療費制度)があるからです。高額療養費制度(高額医療費制度)は、協会けんぽと国民健康保険のどちらでも同じ9万円です。
ちなみに、年収が高いと9万円よりもう少し高くなりますが、そもそも年収の高い人は医療保険などは考える必要はありません。
なので、6人分あるいは8人分のベッドの部屋で保険内の治療を受けて入院をする場合、たとえ100万円かかったとしても、自己負担額は1ヵ月最大9万円で収まるということになります。
しかも、最近は事前に登録をしておくと、9万円を超えるところは、直接地方自治体に請求してくれということができるので、自分自身で立て替えることもなくなっています。この辺りのところは、地方自治体や病院に直接聞いてみて下さい。
ガンでも自己負担は9万円まで?
どんなに医療費がかかっても月額9万円しかかかりません。1日当たりなら3千円(9万円÷30日)です。入院日数については、すごくかかりそうだと思われるガンですら、1ヵ月入院できません。色々なガンを平均的に考えても20日程度です。
入院が60日を越えてくるものというのは、本当に限られています。例えば、脳疾患や脳梗塞、脳卒中など脳血管系の病気、あるいは高血圧症です。
それ以外になると、統合失調症や妄想癖、幻聴などの精神疾患、もしくは認知症などは入院期間が長いと言われています。
ただ、例えば統合失調症でも軽微なものであれば、薬で調整できてしまうケースが多いので、およそ1ヵ月も入院しないことがほとんどです。ちなみに、仮に高い薬になったとしても、1ヵ月最大自己負担額9万円は変わりません。
ガンと医療保険の必要性..
実は今の時代、入院できないのです。1日5千円で、最大60日入院したとしても、30万円しか支給されません。つまり、1回入院のマックスが30万円です。この金額を支払うことはできないでしょうか?
50代の女性の多くは貯蓄はあまりないのでと言うのですが、200万円、300万円だと少し無理があるかもしれませんが、これぐらいなら医療保険に入らなくても準備できるのではないかと思うのです。
ただ、一番の不安はガンだと思います。例えば、抗がん剤治療で通院で長期にわたるようなケースです。当然、ステージによっても変わりますが、ステージが3以上になって入院でかなりお金がかかる可能性はありますが、思っているほどはかからないというのが実状です。
まず粒子線治療や陽子線治療などの先進医療の場合、およそ300万円くらいかかるのですが、これを日本国内で利用しているのは0.01%くらい、1万人に1人です。日本全国で見ても、年間5千人くらいしかいないのです。
つまり、かかる率は非常に低いということです。
これは混合診療なので、自由診療も含まれるのですが、効果があるのか否かは医者によっても異なりますし、そこで使うか使わないのかを考えることになります。
ただ、効果が絶大にあるものなら、お金はかかっても先進医療ではなく保険治療になるはずなのです。それなのに、未だに保険治療になっていないということは、それなりに効果が見込めるケースと見込めないケースがあるということなのです。
でも、ガンの部位にもよるのかもしれませんね。スティーブ・ジョブズさんもそうでしたが、すい臓ガンなど手術しても取れないような完治の難しい、5年生存率の非常に低いガンなどには、使えるかもしれませんから。
それから、こうした特別な医療を受けられる施設が、ご自身が住んでいる地域にあるかどうかというのもあります。都会なら絶対にありますが、地方ですとない可能性が高いですから、通わなければなりません。
こうした医療を選択肢として取るのかどうかというところです。一般的には、年齢が高くなればなるほど、自分の生活圏から離れたくないという方が多いですから、そういうところで治療するというのはどうなのかなと思います。環境もガラッと変わりますから。
医療保険よりガン保険..
ガンは通院に日数が結構かかるのですが、そうなってくるともう医療保険の範疇ではなくなってきます。そもそも医療保険には、ほぼ通院特約がついていませんから。
貯蓄のない若い人で、どうしても医療保険に加入したいという人におすすめしているのが「都道府県民共済」ですが、それですら通院は事故しかありません。つまり、病気での通院は保障されないのです。
そもそも保険の作り方自体が、保険で賄うものというよりは、貯蓄の補助的な役割で、しかも入院に関しては、金額的に貯蓄で賄える範囲なのです。
前述したように、60日以内の入院がほとんどで、それを越えるものとして重度のものがありますが、通常は通院で終わってしまうケースがほとんどで、それでも約9万円しかかからないからです。
通常、かかる確率の高い病気や骨折も含めた疾患、そういったもので60日間となってきても、貯蓄で支払えてしまうのです。医療費だけで考えたとしても、2ヵ月で18万円で済んでしまうのです。
通院したとしても、それでかかった薬代や治療代は、9万円を超えれば自己負担は9万円までです。なので、ガンの通院を補償して欲しいということであれば、終身医療保険を考える前に、まずガン保険を考えたほうがいいです。
終身医療保険にガン特約は入れられますが、基本的には、特約よりも単体のガン保険の方が、当然手厚い保障になっているので、通常考えるとしたら、医療保険ではなくてガン保険を選択すべきだと思います。
ガン保険だけで医療保険は必要ない?
女性のガン罹患率というのは、30代、40代、50代が一番のピークになります。これは、ちょうど閉経を迎える頃のホルモンバランスが崩れているときに起こりやすい乳がんなどです。それを考えた場合には、そういう保険を考えたほうがいいと思います。
確率論や経済的な合理性から、貯蓄と医療にかかるお金のバランスを考えると、どうしても入りたいという場合には、ガン保険を検討するくらいになります。