不動産の長期譲渡所得の税率引下げと
100万円特別控除廃止について
今回の改正で、不動産の長期譲渡所得の税率引下げが行われ、また、100万円特別控除が廃止されました。影響を受ける人は注意が必要です。
具体的な改正点は
どのようなもの?
長期譲渡所得の課税の特例の改正がされました。長期譲渡所得の長期とは、その年の1月1日時点での所有期間が5年を超えるかどうかで判断します。
まず、土地や建物等を譲渡した場合の税率軽減の特例がなくなるとともに、税率も引き下げられました。税率は、改正前は特別控除後の譲渡益の20%でしたが、改正後は譲渡益の15%になっています。
それから、長期譲渡所得の100万円の特別控除もなくなりました。なので、平成16年分以降は、100万円の特別控除はありませんので注意が必要です。
さらに、土地や建物等の長期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額については、土地や建物等の譲渡による所得以外の所得との通算と翌年以降の繰越を認めないことになりました。
不動産の短期譲渡所得の税率が
引下げられたことについて
今回の改正で、不動産の短期譲渡所得の税率が引下げられたわけですが、具体的には、短期譲渡所得の課税の特例の改正がなされました。
具体的な改正点は
どのようなもの?
税率が、次のように引き下げられていますので、注意してください。
【改正前】
次のいずれか多い方の税額。
@譲渡益の40%相当額
A全額総合課税をした場合の上積税額の110%相当額
ただし、国等に対する譲渡については、次のいずれか多い方の税額による。
@譲渡益の20%相当額
A全額総合課税をした場合の上積税額
【改正後】
次の税額による。
譲渡益の30%相当額
ただし、国等に対する譲渡については、譲渡益の15%相当額の税額による。
また、土地や建物等の短期譲渡所得の金額の計算上生じた損失額については、土地や建物等の譲渡による所得以外の所得との通算と翌年以降の繰越を認めないことになりました。
それから、これは継続適用になるのですが、適正価格要件に係る証明規定の停止措置の期限が、平成20年12月31日まで5年延長されました。