不動産の
損益通算・繰越控除について
今回、不動産の損益通算・繰越控除について大きな改正が入りました。配偶者特別控除もそうですが、大きな影響を受ける人が出てくると思われますので、注意が必要です。
具体的にはどのようなもの?
昨年までは、分離課税の対象である土地・建物等の譲渡所得が赤字になって損がでた場合には、原則として他の所得の黒字とこの赤字を相殺(損益通算)できることになっていました。
今回の改正で、この損益通算は一部の例外を除いてできなくなりました。この赤字を翌年以降に繰り越すこともできなくなりました。また、総合所得となる事業所得が赤字になっても、これと土地・建物等の譲渡からの黒字を相殺(損益通算)することもできないことになりました。
この改正は、配偶者特別控除と並んで大きな影響を受ける人もいると思いますので、注意してくださいね。
居住用財産の
損益通算・繰越控除の改正
今回の改正では、「特定の居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除」の制度が大きく変わっていますので、かなり注意が必要となっています。
具体的な改正点は
どのようなもの?
まず、個人が譲渡資産の譲渡をした年の一定の日に、一定の住宅借入金等の残高があることという要件がなくなりました。また、純損失の繰戻し還付制度の純損失の金額には、譲渡資産の譲渡損失の金額を含めないものとされました。
この改正が行われたほか、譲渡資産の譲渡損失の金額について、その譲渡資産からの所得以外の所得との相殺(通算)が認められ、その適用期限も平成18年12月31日までの3年延長になりました。
制度も「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除制度」に改められています。
つまり、平成16年分からは、「特定の居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除」と「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除制度」の2つの制度になったということです。