事例検討
昨年の8月に退職しました。その際、退職金1,000万円のうち700万円をもらい、300万円が未払いとなっていました。
本年になって会社が倒産し、未払分は支給されないことになったのですが、この場合、退職金が700万円だったとして再計算できるのでしょうか?
アドバイス
支給されないことになった300万円については、はじめからなかったものとして再計算できます。
所得が回収不能になった場合は、
どのように取り扱われるの?
各種所得の金額※の全部または一部が回収不能になった場合には、次の金額のうち、どちらか低い方の金額に達するまでの金額は、その計算上なかったものとみなされます。
(1)回収不能額が生じた時の直前において確定している総所得金額、退職所得金額、山林所得金額の合計額
(2)(1)の金額の計算の基礎になった各種所得の金額のうち、その回収不能額等に係るものから、その回収不能額等に相当する収入金額がなかったものとした場合に計算される各種所得の金額を控除した残額
これは、わかりやすくいうと、要するに、事業の場合は、その事業から生じた所得から、貸倒損失を必要経費に入れることで、実質的に所得を減額するけれども、事業以外の所得の場合は、直接所得を修正して減額しますよということです。
※事業所得、不動産所得、山林所得を生ずべき事業から生じたものは除かれます。
具体的に、私の場合は
どうなりますか?
ご質問の場合は、支給されないことになった300万円については、なかったものとして再計算して、減額された源泉徴収税額の還付を受けるために申告をすることができます。確定申告している場合には、更正の請求をしてくださいね。