給与・賞与・退職金の税金:サラリーマンの税金ガイド
サラリーマンの税金ガイド
税理士資格を取得するための専門学校の費用は、特定支出として控除できますか?

[詳 細]
・税理士事務所に勤務。
・税理士の資格を取得するため、専門学校に通っているが、この費用は、給与所得者の特定支出として控除できるか?

アドバイス

たとえ職務上必要な資格を取得するための支出でも、法令によってその資格をもっている人だけが特定の業務を行えるような資格は、対象になりません。ですから、ご質問の場合も特定支出にはなりません。

給与所得者の特定支出控除とは、どのようなものですか?

給与所得者の特定支出の控除の特例というのがあるのですが、これは、特定支出の額が、給与所得控除の額を超えるときは、特定支出の額を控除できることとされているものです。

この特定支出とは、どのようなものをいうのですか?

次のような支出をいいます。
※給与等の支払者によって補てんされる部分があって、かつ、その補てんされる部分について所得税が課されない場合におけるこの補てんされる部分は除きます。

■通勤費のうち、一般の通勤者について通常必要と認められる部分の支出
■転任に伴う転居費で、通常必要と認められる支出
■転職の遂行に直接必要な技術や知識を習得することを目的として受講する研修(人の資格を取得するためのものは除きます)のための支出
※職務の遂行に直接必要なものに限られますので、その技術や知識が間接的に必要であるとか、あったほうがよいという程度のものは対象にはなりませんので、注意してください。また、研修が対象になっていますので、客観的に研究と認められるものは対象にはなりません。
■人の資格(弁護士、公認会計士、税理士その他の人の資格で、法令によってその資格を有する者に限り特定の業務を営むことができることとされるものは 除きます 。)を取得するための支出で、その支出が職務の遂行に直接必要なもの
■転任に伴う別居等の場合の帰宅旅費で通常要する支出

私の場合はどうですか?

ご質問の場合は、資格取得が仮に仕事をするうえで必要なものであったとしても、税理士法上、税理士でない者は税理士業務を行えないことになっていますので、その資格取得費用は、特定支出にはならないことになります。

では、特定支出控除の対象になる資格とならない資格を具体的に教えてください?

以下、特定支出控除の対象になる資格とならない資格を分けて整理してみます。

■特定支出の対象になる資格
・簿記や珠算
・英語の検定資格
・栄養士や調理師の資格
・看護師
・タイピストの資格
・運転免許
・危険物取扱者免許など

■特定支出控除の対象にならない資格
・弁護士
・公認会計士
・税理士
・医師
・歯科医師
・弁理士
・海事代理士
・不動産鑑定士
・司法書士
・行政書士
・社会保険労務士
・建築士
・土地家屋調査士
・柔道整体師など


[関連トピック]
・日本法人であるB会社に勤務している。
・B会社の親会社は米国法人A会社である。
・A社は自社と子会社であるB社の役員と一定の従業員に対し、ストックオプション制度を導入している。
・私は、このたびストックオプションを行使し、同日に取得した株式を親会社であるA社に売却した。
・すると、行使時のA社株式の市場価額と行使価額との差額がA社から支払われたが、この支払われた差額にかかる税金はどうなるのか?

アドバイス

ご質問の差額は、給与所得として課税されることになります。

ストックオプション制度とは、どのような制度ですか?

ストックオプション制度とは、株式を将来あらかじめ定められた価格(行使価格)で購入できる権利を付与する制度のことです。ストックオプションは、それを付与した者から成功報酬型の給与として受ける報奨制度の一つです。これは、使用者から役員や従業員に対して、その地位や職務に関して与えられます。

また、ストックオプション制度は、経営幹部等の業績への貢献を促し、その貢献に会社が答えるための制度ともいわれています。

では、ストックオプションから受ける経済的利益は、何所得になるのですか?

上記のことから考えますと、このストックオプションから受ける経済的利益というのは、結局、その人との雇用関係や委任関係その他これに類する原因にもとづいて、使用者から受けるものといえますので、給与所得として取り扱うのが妥当ということになります。

私の場合、子会社に勤務しているのですが、それでも給与所得となるのですか?

あなたの場合、直接親会社との雇用関係はありませんが、子会社等に勤務する人に親会社が権利を付与するというのは、その子会社での精勤を求める対価として付与するものと考えられます。

これは、間接的にですが、その子会社への勤務が親会社に貢献するものということに着目して付与された成功報酬型給与といえます。

よって、このような場合は、出向者に支払う報酬に類似したものといえますし、権利付与者と子会社等に勤務する人との間に雇用関係に類似する契約があるものと認められますので、給与所得として課税されることになるのです。


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