特定同族会社事業用宅地等と特定居住用宅地の併用は?二世帯住宅や家なき子は?

 

 

特定同族会社事業用宅地等特定居住用宅地の併用は?

二世帯住宅家なき子は?

 

 

今回は、会社でコインランドリーを運営している土地は特定同族会社事業用宅地に該当するのかどうか、というお話です。

 

この場合の特定同族会社事業用宅地等というのは、相続開始直前において被相続人と被相続人の親族等が株式の50%超を保有している法人が、貸付事業を除く事業に使っている土地などのことをいいます。

 

なので、仮にその法人が被相続人から土地を借りて、建物を建てて、自らコインランドリーを運営しているのであれば、特定同族会社事業用地等に該当することになります。

 

最近の土地の有効活用方法として法人が建物を建てて、コインランドリー事業者に土地と建物を貸すというケースが増えていますよね。

 

この場合は貸付事業用宅地等となりますから、小規模宅地等の特例は200uまでの50%減をとるか、自宅(特定居住用宅地等)の80%減の減額とるかの選択適用になります。

 

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特定同族会社事業用宅地等と特定居住用宅地等は完全併用できるの?

 

しかしながら、法人自らが洗濯機や洗濯乾燥機などを所有するなどしてコインランドリーを運営すれば特定同族会社事業用宅地等となります。

 

なので、その法人の役員である親族が取得し、申告期限まで所有し、事業を継続した場合は、小規模宅地等の特例が適用できます。つまり、特定同族会社事業用宅地等の400uまでの80%減と特定居住用宅地等の330uまでの80%減を完全に併用することが可能です。

 

この完全併用については、平成25年度税税改正によって平成27年1月1日以降の相続から適用されています。要件を満たせば最大で合計730uまでの土地について80%の減額が可能ですので、評価減の効果は非常に大きいといえます。

 

 

二世帯住宅は小規模宅地等の特例は適用できるの?

 

続いて、玄関が別々の二世帯住宅に住んでいる場合、小規模宅地等の特例は適用できるのかというお話です。

 

取得者要件や継続要件など、特定居住用宅地等(自宅)での小規模宅地等の特例を適用できる要件が満たされていれば、区分登記されていない1棟の二世帯住宅の場合でしたら、その敷地全体で限度面積の330uまで小規模宅地等の特例の適用を受けることが可能です。

 

かつて平成25年以前の相続では、例えば1階と2階が分離されていて、内部で行き来ができない二世帯住宅で、親子が1階と2階に分かれて居住していた場合は、それぞれ独立した家屋と考えられていました。

 

つまり、その建物に居住する二世帯は同居していないものとされていたのです。

 

ですから、たとえ親の死亡により子がその建物の敷地を相続により取得した場合でも、それは、「相続開始時に被相続人の居住用家屋に同居していた者」に該当しないとされていたのです。

 

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このように、以前は原則として小規模宅地等の特例の適用を受けることができませんでした。

 

しかしながら、平成25年度の税制改正によって、特定居住用宅地等の前提となる被相続人の居住の用に供されていた宅地等の範囲について、被相続人とその親族、子が1棟の建物の中で居住していたときには、その建物の構造にかかわらずその親族が居住の用に供していた部分の敷地に対応する部分についても、被相続人の居住の用に供されていた宅地等に含まれることになったのです。

 

つまり、1棟の建物の敷地全体が小規模宅地等の特例適用の対象の土地になったのです。

 

 

家なき子は小規模宅地等の特例が使えるの?

 

続いて、相続発生時に被相続人と同居していない親族、通称「家なき子」が小規模宅地等の特例を使うにはどうすればいいのか、というお話です。このポイントは2つです。

 

まず1つ目のポイントは、相続前3年以内に持ち家に住んでいないことです。これが一番のポイントになります。つまり、賃貸物件に住んでいてもいいし、親の持ち家にタダで住んでいても構わないということです。

 

しかしながら、親が子供夫婦が住むマンションを購入する場合等、子供が少しでもお金を出して共有にすると、それは相続税、小規模宅地等の特例の適用を考えるとダメということになります。

 

なぜなら、子供の持分が仮に10%でも入っていると、「相続前3年以内に日本国内にある自己または自己の配偶者の所有する家屋に居住したことがない」という条件をクリアできないからです。

 

一方、親が100%持ち分のマンションに子供が住むのなら「家なき子」となりますので、小規模宅地等の特例の適用が可能となります。

 

例えば、子供が2人いて、長男は賃貸マンションに居住していて、次男は親が所有しているマンションに居住しているのであれば、二次相続により「長男が母の住む実家の土地を相続」すれば特例が適用できます。

 

もし子供が2人とも持ち家に住んでいれば、どちらか一方が自宅を賃貸で貸すか、売却して自分は借家に住むという方法もあります。

 

ただし、3年間はその状態を続ける必要があります。ですが、相続はいつ起こるかわかりませんのでタイミングも難しく、また遺産分割の問題もありますので色々と難しいかもしれません。

 

ただ小規模宅地等の特例を使うと何千万円もの相続税が変わってくる場合は、二次相続でも小規模宅地等の特例が使えるように考えていく必要があると思います。

 

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