不動産の相続登記!必要書類・費用・税金〜
遺産分割協議書と登録免許税!
今回は、不動産の相続登記の流れについてのお話です。ここでは、配偶者とお子さん2人が相続人で、自宅不動産を相続登記するケースについて説明します。
遺言書がない場合、相続人間で遺産分割協議をして相続登記をします。相続登記の流れとしては、まず戸籍謄本を取って相続人が誰であるかを調べます。
次に亡くなった人の財産について調べます。財産について調べたら、相続人間でその財産をどう分けるのかを決めていきます。分け方を決めたら遺産分割協議書を作成して相続人全員の署名捺印をします。このときの捺印は実印で行います。
ちなみに、遺産分割協議書は司法書士さんが作成してくれます。遺産分割協議書に署名捺印をしたら、それを司法書士さんに預けます。そうすると司法書士さんの方で相続登記を申請してくれます。
相続登記の必要書類は?
相続人を確定するには戸籍を集めます。亡くなった人のことを被相続人といいますが、被相続人の必要書類として出生から亡くなるまでの一連の戸籍謄本、改正原戸籍、除籍謄本などが必要になります。
また、亡くなった人の住民票の除票を取ります。これは本籍地の記載があるものを取って下さい。
次の相続人の必要書類です。相続人は今回のケースでは、配偶者とお子さん2人となります。まず相続人の戸籍謄本を取ります。これは現在の戸籍謄本だけでOKです。また住民票も取ります。こちらも本籍地の記載があるものを取るようにします。
そして相続人の印鑑証明書を取ります。この印鑑証明書については、印鑑カードがないと取得することができません。ですが、他の住民票や戸籍については司法書士さんでも取ることが可能です。
また、亡くなった人の戸籍謄本や住民票除票についても司法書士さんでも取れます。なので、ご自分で取るのが手間だという場合は依頼するのもよいと思います。
続いて、財産の調査をします..
まず亡くなった人(被相続人)の所有していた不動産の所在や地番などを調査します。このとき私道部分などがもれてしまうのを防ぐため、名寄帳を取って調べます。ちなみに、この名寄帳は市役所で取ります。
名寄帳を取るとその市内にある亡くなった人の持っている不動産の一覧が表示されます。それにより財産を調べましたら、その財産を相続人間でどう分けるかを決めていきます。
それを決めたら、今度は司法書士さんの方で遺産分割協議書を作成してくれます。この遺産分割協議書には、まず被相続人として亡くなった人のことを書いて、そして遺言書がないので相続人間で遺産の分割協議をしたという旨を書きます。
そして不動産のことを書きます。例えば「次の不動産は○○が相続する」というように書きます。また、預貯金のことを書いておくこともできます。「○○銀行○○支店 普通預金 口座番号1234567 については○○が相続する」ということも記載しておけます。
この遺産分割協議の内容でよければ、相続人全員が署名をして実印を押すことになります。
遺産分割協議書に押印したら・・・
それを司法書士さんに預けます。すると司法書士さんの方で相続登記を法務局に申請してくれます。相続登記を申請してから概ね1〜2週間で相続登記は完了します。
相続登記が完了すると、登記識別情報通知というものが発行されます。これはかつての権利証の代わりの書類です。
この登記識別情報通知にはパスワードが記載されていますが、今後不動産を売ったり贈与したり、担保に入れたりするようなときにこのパスワードが必要になります。
なので、権利証と同様に保管しておき、売ったりするときにはそのときの担当の司法書士さんに渡していただければOKです。
相続登記の司法書士報酬は?
相続登記の基本報酬は、6万円+消費税になります。ただ場合によっては加算されるケースもあります。
1つ目は、不動産の数が5個を超えた場合です。この場合は、1個について2千円(+消費税)ずつ加算されます。ただ通常の自宅不動産の場合でしたら、不動産の数が5個を超えることはほとんどないと思います。
2つ目は、司法書士の方で集めた戸籍・住民票等が20通を超えた場合です。この場合は、21通目から1通について1,500円(+消費税)ずつ加算されます。
ただ通常相続人が配偶者と子である場合には、戸籍が20通を超えるということはあまりないと思います。通常は10通以下のケースがほとんどです。
3つ目は、異なる管轄に申請する場合です。この場合は、1管轄ごとに4万円(+消費税)が加算されます。これは例えば、不動産が松戸と柏にあるような場合は、松戸に申請して、また柏には別に申請するようですので管轄ごとに加算があるのです。
ただ自宅不動産の場合は、同じ市町村内にあることがほとんどだと思いますので、同一の法務局の管轄内であればこの加算はありません。
4つ目は、複数の不動産をそれぞれ違う人が相続する場合です。この場合は、1人につき4万円(+消費税)が加算されます。これは、例えば土地はAさん、建物はBさんというように別々の人が違う不動産を相続するようなケースです。
なので全ての不動産を同じ人、Aさんが相続するという場合はこの加算はありません。また、同じ不動産を複数の人が共有で相続する場合もこの加算は発生しません。
相続登記の実費(費用)はいくらくらいかかるの?
相続登記をする場合には、まず登録免許税といって法務局に収入印紙を納めます。この金額は不動産の評価額の1,000分の4になります。
例えば、不動産の評価額が1,000万円であったら収入印紙は4万円です。2,000万円であったら収入印紙は8万円というようになります。実際の価格については、司法書士さんの方で不動産の評価額を調べて知らせてくれます。
また、登記をする前と登記をした後に登記簿を取って確認をします。この費用が登記する前と登記した後を合わせて、1つの不動産につき900円弱くらいかかります。この900円弱に不動産の数を掛けていきます。
例えば、不動産の数が2個なら約1,800円(約900円×2個)が登記簿を取るお金としてかかります。また、司法書士の方で住民票などを集めた場合、役所にかかる実費については負担することになります。
昔の戸籍、例えば改正原戸籍や除籍謄本というのは、1通につき750円のところが多いです。ですから、10通取ると7,500円(750円×10通)かかる計算になります。
こちらは人によって登記簿を取る数が違いますから、多少人によって変わってくることになります。また、不動産の漏れを防ぐために名寄帳を市役所で取ります。これは、概ね1通につき数百円くらいのところが多いです。