調停に代わる審判とは|遺産分割調停の傾向は?

 

 

調停に代わる審判とは?

遺産分割調停の傾向は?

 

 

法律上、調停に代わる審判という手続きがあります。ちなみに、この手続きは、東京家庭裁判所では、平成25年には118件、平成26年には468件も使われています。平成27年にはこれを上回るペースで使われています。

 

『家庭の法と裁判』という雑誌の4号で紹介されている座談会で、家庭裁判所の裁判官などが報告している話になります。

 

この調停に代わる審判が使われる累計には、3パターンがあるとされています。どのようなときにこの調停に代わる審判が使われるのかというと、まず1つ目に合意型というパターンがあります。

 

調停であれば、本来なら合意があれば調停を成立させるということができるはずです。

 

ですが、手続き上、合意があっても調停が成立できないようなケースもないわけではありません。例えば、電話会議で話を進めていて離婚を同時にするというような場合には、調停を成立させることができません。

 

そのような場合、実際には合意がされているのだけれど、その内容を実現する手段として審判手続きを使うという方法があります。このような合意型で使われるパターンが1つあります。

 

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2つ目、3つ目のパターンは?

 

2つ目は、相手方が欠席しているという場合に調停に代わる審判という手続きで進めるというパターンもあります。

 

相手方が欠席しているので、資料などを提出させます。例えば、養育費や婚姻費用のようなときに使われます。このように相手方が欠席しているというケースでも、調停に代わる審判が使われます。

 

ただ、この点に関しては、実際に欠席しているという場合には、調停に代わる審判は使えないという裁判官の意見もありますので、実際には裁判所の運用によって変わってくるといえそうです。

 

3つ目のパターンは、不一致だという時に使われるケースです。

 

つまり、合意ができていない、合意としては一致していないもののその一致ができない理由として、感情的な理由でできない、当事者間の感情が対立しているというようなケースです。調停を成立させる、合意を成立させるのは嫌だというケースですね。

 

ただ「裁判所がそのような内容で審判として決定を出すのであればそれに従います」というような意向があるときに、調停に代わる審判で裁判所の考え方を出すというケースもあります。

 

以上、調停に代わる審判としては、このような3パターンがあります。

 

 

調停に代わる審判に納得できない場合は?

 

この調停に代わる審判については、法律上は異議を出すということができます。ただ、この異議を出す割合としては、東京家庭裁判所では全事件を平均すると12%くらいだそうです。ちなみに、他の裁判所でも概ね10%程度のようです。

 

このように調停に代わる審判が使われるというケースもありますので、あまたに入れておいていただければと思います。

 

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最近の遺産分割調停の傾向は?

 

今回は、『家庭の法と裁判』の2015年2号に遺産分割調停の傾向が掲載されていましたので紹介したいと思います。

 

そこでは、家庭裁判所の裁判官からの報告があげられています。その中に遺産分割調停をしている当事者の傾向というところがあって、なかなか当たっているなと感じるところでもあります。

 

最近はどのような傾向があるのかというと、まず主張をすべて尽くそうとする当事者が多いということです。

 

その主張をすべて尽くそうとしている理由として、裁判官は、当事者が高齢化したことで、まず仕事をしておらず調停にかける時間があるので、全部言いたいことを言うという話をあげていました。

 

ちなみに、頭が活性化するという当事者の声もあるそうです。主張をまとめるということで頭が活性化するということで、だからこそ全部尽くそうということを考えているようです。

 

 

身勝手な主張や出張拒否も・・・

 

また、身勝手な主張が少し増えているというのが裁判官の話しでした。身勝手な主張に終始していて合理的な話がなかなかできないという当事者が少し増えているということですね。

 

さらに、出張拒否をする当事者も増えてきているそうです。引きこもりになっていたり、あるいは家裁の調査官が訪問しても居留守を使っているという人も中にはいるようです。

 

また、生活保護を受けていると、遺産分割調停に関わってしまうと打ち切られてしまうのではないかと不安に思っている人もいるようです。そもそも関わりたくないということで、このように出張を拒否する人も実際にはいるのですね。

 

 

感情的な対立も・・・

 

その他、調停の中で一度した合意を撤回する、また解決したという話が後戻りをする、前回期日で決めたことについてまた紛争を繰り返す、話を蒸し返すということで、なかなか話が進まない当事者もいるとのことでした。

 

こうしたことをされてしまうと、逆に他の当事者というのも、その人に対して感情的になったりするので、感情的な対立がどんどん増えてしまうということになったりします。

 

そのため、裁判所としてはなかなか話がまとまりにくくなっているのではないかということで、このような当事者の傾向がありますという話しでした。

 

やはりこのような人に対応した時には感情的にならない、相手の方に一々感情的になっていると、なお合理的に話せなくなってしまうので話がまとまらなくなってきます。できれば頭を活性化するというようなことは他でやっていただきたいものですね。

 

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