後見制度支援信託とは?報酬・手数料・費用とデメリット!

 

 

後見制度支援信託とは?

報酬手数料費用とデメリット!

 

 

今回は、後見制度支援信託についてのお話です。後見制度支援信託というのは、成年後見や未成年後見の制度を利用しているご本人の財産を適切に管理・保護する仕組みです。

 

後見制度支援信託の対象になるのは、成年後見および未成年後見のみです。ですから、保佐・補助・任意後見は利用の対象とはなりません。

 

 

具体的に後見制度支援信託とは・・・

 

後見制度支援信託は、ご本人の財産のうち日常生活で必要なお金を後見人が管理し、普段は使用しないお金を信託銀行などに信託するものです。また、信託した財産は家庭裁判所の指示がなければ払い戻しや解約ができないことになっています。

 

例えば、入院費用など急にまとまったお金が必要になった場合はどうなるのでしょうか?

 

多額の臨時出費が必要になって後見人が手元で管理では不足する場合には、家庭裁判所の許可を得て信託財産を払い戻すことができます。

 

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一方、ご本人の月々の収支が赤字の場合には、定期的に不足分を信託財産からご本人の口座に送金されるように設定することも可能です。

 

このように後見制度支援信託は、家庭裁判所の許可がなければ払い戻しや解約ができないなど、厳格に管理・保護される一方で、収支の状況や臨時の出費にも対応できる柔軟な仕組みになっているのです。

 

信託銀行に信託した財産の管理について、信託銀行などには法律に基づいて厳格な管理義務が課されています。そして、信託財産は信託銀行などの固有財産とは別に管理され、原則として信託銀行などが破綻したとしても影響を受けないことになっています。

 

つまり、ご本人の財産がなくなってしまうということはないということです。

 

信託財産は元本が保証されることになっているだけでなく、万が一信託銀行などが破綻して元本を補てんできなくなった場合でも、預金保険制度がありますから元本1,000万円と破綻日までの収益金は保護されます。

 

 

後見制度支援信託は利用した方がお得?

 

実際、後見制度支援信託の利用はどのような場合に検討することになるのでしょうか?

 

後見制度支援信託は家庭裁判所がご本人の財産が適切に管理するために必要と判断した時点で利用を検討します。

 

ちなみに、後見制度の利用開始後、遺産分割や不動産の売却などの課題を専門職後見人に解決・整理してもらってから、後見制度支援信託の利用を検討するケースもあります。

 

すでに後見制度を利用中で後見人が選任されているケースであっても、家庭裁判所が必要と判断した場合には、その時点で利用を検討することになります。つまり、家庭裁判所が必要と判断した場合に後見制度支援信託の利用が検討されるということです。

 

ちなみに、信託銀行などと信託契約するまでの間は、弁護士や司法書士などの専門家が後見人として関与することになります。

 

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後見制度支援信託の手続きの流れは?

 

家庭裁判所が後見制度支援信託の利用を検討する場合には、弁護士や司法書士などの専門職後見人を選任します。すでに後見人が選任されているケースでは、専門職後見人が追加で選任されることになります。

 

専門職後見人は、ご本人の生活状況や財産の状況を踏まえたうえで、後見制度支援信託の利用に適しているかどうかで検討します。そして専門職後見人が利用に適していると判断した場合には、家庭裁判所に報告書を提出します。

 

家庭裁判所が報告書の内容を確認し、後見制度支援信託の利用が適当と判断した場合は、指示書を発行してくれます。

 

この指示書を専門職後見人が信託銀行などに提出して信託契約を結ぶことになります。契約は取り扱う銀行によっても違ってきますが、窓口で行うだけでなく郵送で行うことも可能です。

 

なお、専門職後見人は関与の必要がなくなれば辞任します。当初から専門職後見人だけが選任されているケースでは、この段階で親族を後見人に選任します。専門職後見人の辞任後、親族後見人に対して管理していた財産の引き継ぎが行われます。

 

 

後見制度支援信託利用の効果は?

 

後見制度支援信託は、払い戻しや解約に家庭裁判所が関与することになり、適正かつ安全に財産管理ができる仕組みといえます。

 

これ以外にもメリットはあります。例えば、後見人が普段管理しなければならない財産が限定されることにより、財産管理事務の負担が軽減されます。

 

また家庭裁判所への報告についても、主に信託財産以外の財産状況について家庭裁判所に報告すればよいことから負担が軽減されます。

 

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信託財産の状況については、信託銀行などから定期的に後見人に報告されますから、信託銀行などから送付された書類は家庭裁判所への報告に備えて、大切に保管しておくようにしましょう。

 

後見人として家庭裁判所から定期的に監督を受けていることに加えて、後見制度支援信託を利用しながら適切にご本人の財産を管理できるのは安心ですよね。

 

 

後見制度支援信託利用の注意点・デメリットは?

 

後見制度支援信託は、すべての場合において利用が検討されるわけではないという点には注意が必要です。というのは、信託することのできる財産は、現金や預貯金といった金銭財産に限られれているからです。

 

つまり、財産状況によっては利用に適さないケースもあるのです。

 

また、後見事務を行うために専門的な知識が必要な場合などには、後見制度支援信託を利用するのではなく、専門家が後見人や後見監督人として継続的に関与した方がよいと判断されるケースもあります。

 

家庭裁判所はそれぞれ個別の事情を総合的に考慮して、最もふさわしいと考える方法を検討した上で判断するということですね。

 

 

後見制度支援信託の報酬・費用・手数料は?

 

後見制度支援信託の利用の際には、一定の費用が発生します。後見制度支援信託を利用するには、信託契約の手続きが完了するまで、関与することになる専門職後見人に対する報酬と、信託銀行などに対する信託契約の報酬が必要になります。

 

専門職後見人に対する報酬は、家庭裁判所が専門職後見人の行った仕事の内容や、ご本人の財産状況などを考慮して決められます。信託銀行などに対する信託契約の報酬については、信託商品や信託財産額によって違ってきます。

 

なお、詳細は信託銀行などに問い合わせてみてください。

 

 

信託契約締結後の財産管理は?

 

信託した財産は信託銀行などで管理されます。なので、後見人は年金の受取りや施設などのサービス利用料の支払いといった、日常生活に必要な金銭管理をすることになります。

 

ご本人に多額の支出が必要になり、後見人が手元で管理しているお金では足りなくなった場合には、必要額の払い戻しを検討します。

 

また、収支の黒字分が貯まったり臨時収入があったりして後見人が管理するお金が多額になった場合には、追加信託を検討することになります。なお、いずれの場合も家庭裁判所に相談するようにして下さい。

 

後見制度支援信託は、ご本人の財産を適切に管理・保護するための仕組みです。これから後見制度を利用する方についても、すでに後見制度を利用している方についても、家庭裁判所が必要と判断した時点で利用を検討することになります。

 

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