家族信託(民事信託)とは|マイケルジャクソンの遺言書が実現可能に!

 

 

家族信託(民事信託)とは?

マイケルジャクソンの遺言書が実現可能に!

 

 

家族信託(民事信託)とはどのような制度かというお話です。家族信託(民事信託)とは、財産を持っている人が、管理して欲しい財産を信頼できる人に託し、その財産から得られる収益を得るといった制度です。

 

財産の所有者、財産を預ける人のことを「委託者」、財産を預かって管理・運用・処分する人のことを「受託者」、財産の運用・処分で利益を得る人のことを「受益者」と言います。家族信託(民事信託)制度を利用すると、今まででしたら実現することが難しいと思われていた柔軟な財産管理を行うことができるようになります。

 

ただし、受託者が財産を勝手に処分してしまう可能性があるという点や、まだ事例が少ないという点に配慮して、家族信託(民事信託)制度を利用する際は慎重に進める必要もあります。

 

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家族信託(民事信託)では、認知症に備えたり、障害のある子供のために備えたりと用途は様々です。また、遺言書では不可能であった跡継ぎを、あらかじめ信託契約で決めておくことが可能になりました。

 

例えば、存命中は受益者を自分自身にしておき、自分の死後は配偶者へ、また配偶者の死後は長男へ、さらに長男の死後はその子供へ、といったことが可能となります。

 

ただし、その契約を結んでから30年が経過した時点で受益者が長男の場合、その次の世代である長男の子供への契約は打ち切られます。つまり、30年が経過した時点の受益者の代で契約は終了するということです。

 

家族信託(民事信託)は成年後見制度と違い利用しやすい制度ではありますが、色々な注意点もありますので、しっかり全体像を把握した上で利用することをおすすめします。

 

 

遺言と民事信託

 

次に、マイケルジャクソンの遺言を取り上げつつ、民事信託について解説していきます。

 

最近は、新聞やテレビなどでも特集が組まれたりしていますので、民事信託という言葉くらいは聞いたことがあるかもしれません。民事信託は今、非常に注目を集めている制度で、本当にここ1〜2年くらいで急に熱が高まっています。

 

私のところにも問い合わせがきます。その問い合わせも、雑誌や新聞、テレビを見て、「あなた所でできますか?「経験はありますか?」という内容が多いです。こういうことは、これまでにはあまりない経験でした。

 

やはり民事信託は非常に使いやすい仕組みだというのが、おそらく伝わっているのだなと思いました。

 

 

マイケルジャクソンの遺言とは?

 

さて、マイケルジャクソンは何年か前に亡くなりましたが、遺言の内容などが色々な記事に出ています。

 

実際、インターネットで検索すると遺言の原文も見ることができます。きちんとMJという本人のサインもあって、本人の遺言状なんだなと感じると思います。もし興味があったら、すぐに見つかりますので検索してみて下さい。

 

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マイケルジャクソンの遺言は興味深いです。というのは、これまでの私たち日本人が普通に考える相続という仕組みとはちょっと違うからです。ただ、ここから非常に勉強になることも多いのも事実です。

 

 

マイケルジャクソンの遺言の内容は?

 

まずマイケルジャクソンの遺言では、マイケルジャクソン・ファミリー・トラストという信託財産にいくことになっています。つまり、全財産が信託されるということです。そして、その中を10に割って、そのうちの20%が慈善団体に寄付されます。

 

残り80%は相続人にいくわけですが、そのうちの半分、つまり40%はお母さんにいきます。

 

また、お母さんが亡くなった時に残っていたら、それは子供たちに均等に渡されます。そういう仕組みになっています。お母さんに半分いくわけですが、残りの半分は3人の子供に均等に相続させるようになっています。

 

というように、相続財産は子供3人に均等にいくのですが、その渡し方がとても面白いです。30歳の時、35歳の時、40歳の時、3回に分けて子供に遺産が渡されるというようになっています。

 

お母さんに半分、お母さんが亡くなったら子供に均等に、残りは子供に渡す、ただし、渡し方は段階的に渡していく、これがマイケルジャクソンの遺言です。

 

 

これを日本でやったらどうなるのかというと・・・

 

実は、伝統的な日本の民法の相続、遺言の仕組みだとこれはできません。

 

どこができないのかというと、まずお母さんに遺産の半分がいきますが、それはお母さんが相続した瞬間にお母さんの財産になります。なので、その財産をどうしようがお母さんの自由になるわけです。

 

つまり、お母さんのその先を決めることはできないのです。二次相続は遺言で指定できないということですね。これがマイケルジャクソンの遺言ではそのようになっているわけです。

 

また、マイケルジャクソンのように遺産を子供に段階的に渡すというのも、日本の民法ではできません。相続開始時に一気にに渡すことしかできないのです。ここが、マイケルジャクソンの遺言の面白いところです。

 

ところが、これは民事信託という仕組みを使うと、事前に契約で作り込むことによって、この2つが両方とも実現できるのです。民事信託は非常に自由度の高い仕組みになっているからですね。

 

「こういうふうにしたいんだ」という思いを、きちんと最初に信託契約で作り込むことによってそれが実現できるという意味では、本当にその人のニーズに合わせた財産の承継の仕組みを作ることができます。

 

そういうことから考えても、民事信託は今後5〜10年後にはかなり一般的になっていくのだろうと予想されます。

 

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