遺贈の遺言書では遺留分も考慮して!遺留分の放棄とは?

 

 

遺贈遺言書では遺留分も考慮すべき?

遺留分の放棄とは?

 

 

全財産を特定の人に遺贈する遺言書には注意が必要です。遺言書を書く際に、全財産を、例えば特定の人にあげたいとか、寄付したいとか、そういった相談も結構あります。

 

ちなみに、長年連れ添った配偶者であれば、全財産を与えるという遺言書であっても、それほど問題にならないケースは多いです。

 

ただ、そうではないケース、例えば第三者とか内縁の妻とか、そういった人に全ての財産を遺贈するとなるとやはり問題になるケースが多いです。

 

というのは、残された相続人の生活とか、今まで一緒に暮らしてきたとか、そういう関係性から、もらえない人にとっては不公平感が出る場合があるからです。

 

そうすると、やはり感情的な対立に発展する可能性もありますし、そもそも法定相続人には遺留分というものがありますから、その遺留分を主張してくる可能性も高くなります。

 

ですから、もらえない人に全く配慮のない遺言書というのは、結果的にはトラブルが起こる可能性が高いと言えます。

 

スポンサーリンク

 

 

それならどうしたらいいのかということになりますが、できれば事前に「こういった遺言書にしたい」「こういう思いからしたい」というのを話し合うのが一番良いです。ただやはり秘密にしておきたい場合もあると思います。

 

その場合は、せめて残された法定相続人の遺留分くらいはある程度尊重して、あとはあげたい人にあげるというようにするのがよいです。もちろんすべてを尊重しなくてもいいとは思いますが。

 

その際に、その理由について、遺言の付言事項であったり、別の書面でもいいので、したためておいた方が、後の紛争やトラブルを予防できる可能性が高くなります。

 

 

遺贈には限界があります!

 

遺贈というのは、自分の意思で死後に誰かに財産を与えることです。その中にはまず特定遺贈というのがあって、例えば特定の財産、「この不動産は○○にあげる」とか「この銀行の預貯金は○○にあげる」というように与えるのが特定遺贈です。

 

これに対して、もう1つ包括遺贈というのがあって、例えば「自分の財産の3分の1は○○にあげる」とか「半分は○○にあげる」というように定めるのが包括遺贈です。

 

民法は、私有財産制のもとでは、自分の財産をどのように処分するのかについては原則自由としています。ただし、残された相続人の生活保障や相続人間の公平な財産の承継という観点から、法定相続人には「遺留分」というものが定められています。

 

この遺留分は、その遺留分のある遺留分権者といわれる法定相続人、具体的には子供、配偶者、直系尊属の父母などが、主張すれば認められる権利です。ただし、何も言わなければ特に権利として認められるものではありません。

 

スポンサーリンク

 

 

ちなみに、兄弟姉妹については遺留分はありませんので、もし兄弟姉妹に財産を残したくない場合には、遺言を書けばそれがそのまま実現されます。

 

ただ、前述のように、子供や配偶者、直系尊属といった法定相続人がいる場合には、遺贈によっても自由に財産を処分できない場合があるのです。

 

ということで、遺贈には限界がありますから、何らかの対策をしたい場合は、他の方法もまたありますので、そちらの方を利用することになります。

 

 

遺留分とはどれくらいなの?

 

遺留分というのは、基本的には法定相続分の半分ということになっています。ですから、例えば配偶者であれば法定相続分が2分の1なので、遺留分はその半分の4分の1となります。

 

ただ実際のところは、常に法定相続分の半分かというと、そういうわけでもありません。

 

というのは、例えば、生前にすでに贈与されているものがあるとか、あるいは債務のような支払わなければいけないものがあるとか、そういうものを足したり引いたりして最終的に遺留分は決まるからです。

 

ということで、必ず法定相続分の半分が遺留分ということではありませんので注意して下さい。

 

 

遺留分の放棄とは?

 

遺留分というのは、相続人として最低もらえる分です。この遺留分は放棄することができるというお話です。遺留分を放棄するということは、最低のもらえる分さえもらえないということですから、本来なら相続人にとっては不利なわけです。

 

ですが、この遺留分を放棄するということはできます。遺留分を放棄してしまうと、最低もらえる分がなく不利ですから、それはおかしいのではないかということになります。そこで、家庭裁判所から許可をもらって遺留分の放棄をするわけです。

 

そんな不利なことをするわけですから、すでに何か財産をたくさんもらっているから遺留分の放棄をしたのだろうとか、たくさん収入があるからしたのだろうとか、そういうことを確認して遺留分の放棄ができるようになります。

 

ただ、遺留分の放棄をしても、また相続が発生した時には、相続分としてもらうことは何ら差し支えありません。遺留分の放棄と相続ができるかできないかというのは、これはまた別の話になります。

 

スポンサーリンク

 

関連記事(一部広告含む)