遺言書作成は包括遺贈より特定遺贈にすべきです!

 

 

遺言書作成は包括遺贈より

特定遺贈にすべき理由は?

 

 

遺言書を書くときに、渡す財産を指定する方法には、包括遺贈という方法と特定遺贈という方法の2つがあります。

 

まず遺言書に何もなければ、例えば、亡くなった人に長男と次男がいた場合、奥さんがなくなっているとすると、もらう割合は長男が2分の1、次男が2分の1です。

 

これに対して、包括遺贈というのは、このもらう割合を変えるイメージになります。例えば、「長男に3分の2、次男に3分の1相続させる」というようなものが包括遺贈です。これは、相続人だけではなくて第三者が入ってきたときも同じです。

 

遺言書で第三者に、例えば「この人にはお世話になったので、全財産の3分の1を渡して下さい」というような書き方も包括遺贈になります。

 

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特定遺贈とは?

 

一方、特定遺贈というのは何かというと、例えば、「長男に○○銀行○○支店口座番号××××の普通預金を相続させる」というような個別具体的な書き方です。自宅でも同じです。例えば、「○○町○丁目○番地の建物を長男に相続させる」などです。

 

土地も同様です。とにかく個別具体的な財産を指定した書き方というのが「特定遺贈」と呼ばれるものになります。

 

ちなみに、大前提の話として、包括遺贈も特定遺贈も、これは法律の要件で言うとどちらも要件は満たしています。ですから、どちらも間違いではありません。公正証書遺言でも包括遺贈の遺言書というのは作成できてしまいます。

 

でも、包括遺贈はできれば避けていただきたいです。

 

 

なぜ遺言書作成は包括遺贈より特定遺贈にすべき?

 

例えば、長男に3分の2、次男に3分の1を相続させるという遺言書は、亡くなった人(遺言書を書いた人)からすると、「長男には世話になったし、次男と同じでは少しかわいそうだから多目にしておいてあげようかな」というような気持ちだと思います。

 

ですが、こうした遺言書は何の解決にもなっていないどころか、もめたりトラブルのもとになってしまうのです。

 

なぜかというと、もともと遺言書がなかったらどうなるのかというと、2人で話し合いをして2分の1ずつとは言われているものの、「2分の1って何なの?」という話し合いをしなければいけないからです。

 

財産の中には不動産もあれば現金もあります。

 

預金などは1ヵ所ではなく何ヵ所かにあったりします。その中で、例えば、みずほ銀行やUFJ銀行、ゆうちょ銀行など色々あった中で、例えばゆうちょ銀行は長男がもらおうとか、みずほ銀行は次男がもらおうとか、そういった話し合いが必要になるわけです。

 

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包括遺贈の遺言書は話し合いが必須!

 

では、それが遺言書によって3分の2と3分の1になったところで、この話し合いが不要になるのかというとそんなことはないわけです。長男が3分の2をもらうということはいいのです。ただ、2分の1が3分の2になっても、話し合いはしなければなりません。

 

具体的に、財産のどこから3分の2なのか、どこから3分の1なのか、という話し合いが必要になるのです。

 

もしあなたが銀行の担当者だったら、例えば預金が300万円ある人の担当者だったら、長男に200万円払って、次男に100万円払えばいいわけではありませんよね。

 

なぜなら、長男はもしかしたら自宅をもらっているかもしれませんし、他の金融機関のお金をもらっているかもしれないからです。

 

つまり、話し合いをして、どっちがどの財産をもらうのかという「遺産分割協議」を免れない、もめたりトラブルになる可能性はまだ残されているということなのです。

 

 

もし次男がへそを曲げたら・・・

 

さらに言えば、何の思いも伝えずにこういう遺言書を書かれたら、次男はどう思うかということもあります。もともと2分の1もらえたはずのものが、いきなり遺言書で3分の1に減らされたとなると、人によってはわだかまりのようなものが残ってしまうこともあるはずです。

 

「そんなふうに減らすのだったら、自分は手続きに協力しない」とへそを曲げてしまって相続手続きに協力しなかったらどうなるでしょう。長男は次男の協力なしに銀行からお金を下ろすことも不動産の名義を変更することも何もできなくなってしまいます。

 

ということで、包括遺贈というのは、法律的に間違っているわけではありませんし、「3分の1と3分の2に分ける」というのも有効です。

 

ですが話し合いは必須ですから、相続争いの解決策には何らなっていないという点には注意が必要です。できれば、包括遺贈で書かれた遺言書は作らない方がいいです。

 

 

包括遺贈と特定遺贈とは?

 

相続人以外の人が財産をもらうことを遺贈と言い、相続とは分けて考えます。そして、この遺贈には2つの種類があります。それは包括遺贈と特定遺贈と呼ばれるものです。

 

このうち特定遺贈というのはどのようなものかというと、例えば「○○の土地を譲る」とか、どの銀行のどの口座の預金を譲るなど、具体的な内容を遺言書に書くものを言います。

 

特定遺贈の場合は譲る財産が決まっていますから、遺言書に書くときには正確にその財産のことを書くようにします。

 

ちなみに、遺言書を書いてから時間が経ってしまうと、もしかしたら譲るはずであった財産を生きている間に譲ってしまったり、預貯金を使ってしまったり、なくなってしまったり、という可能性もあります。

 

なので、遺言書を書く側としても、何年かに1回は遺言書を見直すことをおすすめします。

 

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