自筆証書遺言は無効になりやすい?なぜ公正証書遺言がいいの?

 

 

自筆証書遺言無効になりやすい?

なぜ公正証書遺言がいいの?

 

 

公正証書遺言ですと無効になるリスクはほぼありませんが、自筆証書遺言の場合は無効になってしまうリスクがつきまといます。無効というのは、そもそも法的要件を満たしていないというケースよりも、どちらかといえば、どこかに問題があるということの方が多いです。

 

実際、これまで相談を受けてきて、全く問題のない自筆証書遺言を見たことがありません。それくらい問題のない遺言書を作成するのは難しいものなのです。

 

例えば、どんなものがあるのかというと「私の家は長男にあげる」というものです。

 

“家”というのは建物ですから、土地は?ということになるのです。“家”は土地も含めて自分の“ウチ”ということで何となくニュアンスはわかるのですが、やはり土地が漏れているのです。おそらくそうなんだろうなと思うのですが、判断に迷うわけです。

 

また、「私のお金は全部次男がもらって下さい」というのもありました。“お金”というと現金はお金ですが、預金はお金でしょうか?微妙ですが、預金は厳密には債権なのでお金ではないわけです。このように、微妙な書き方が多いのです。

 

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ですから、自筆証書遺言の場合、確実に無効というよりも、これで手続きをしてしまっていいのかなという判断に迷うようなものが非常に多いのです。

 

自筆証書遺言を自分で作成するキットのようなものが販売されていますが、遺言書を作成するのはそんなに簡単ではないです。

 

適当な遺言書を作成して残された家族を困らせてしまうことは、絶対に避けて欲しいというのは、実際に現場を見てきて一番思うことです。

 

 

自筆証書遺言の手続きの早さは?

 

公正証書遺言であれば、手続き先からの信頼がわりと厚いので、きちんと書かれていれば比較的早いです。一方、自筆証書遺言の場合は時間がかかります。

 

なぜかというと、先ほどのとおり、「お金は次男にあげる」というような微妙な書き方が多いので、金融機関からすると、それで預金を払い戻していいのかと判断に迷うわけです。他の相続人から文句を言われるかもしれないですからね。

 

長男側から「お金というのは預金じゃないよ」と言われてしまったら困りますよね。

 

金融機関というのは、なかなかそういったリスクを取りたがらないですから、何を言われるかというと、「この遺言書で手続きをしてもいいですよ」ということを、「他の相続人全員に納得してもらって実印をもらって下さい」と言われるのです。

 

そもそも他の相続人から実印がもらいづらいから遺言書を作成したのだと思います。にもかかわらず、「その遺言書で手続きをするのなら他の相続人の実印をもらって下さい」と言われるわけです。これでは本末転倒ですよね。

 

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自筆証書遺言と公正証書遺言のうち

どちらを選んだらいいの?

 

遺言には3種類あるとよく言われますが、そのうちの1種類はほとんど使われませんので、実際には2種類しかないと考えて下さい。

 

具体的には、自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類です。自筆証書遺言は自分で書く遺言、公正証書遺言は公証役場に行って公証人に作成してもらう遺言です。

 

自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらで作成した方がいいのかといっても、どちらにもメリット・デメリットがあります。

 

ただ、実際の問題になりますと、公正証書遺言に勝るものはありません。なので、私が相談を受けた場合も、自筆証書遺言で作成するのは極めて例外的な場合に限っています。

 

なぜかというと、自筆証書遺言の場合はトラブルが非常に多いですし、問題なく書かれた自筆証書遺言というのを見たことがないからです。自筆証書遺言は無効になりやすいですからね。

 

ですから、自筆証書遺言のようなあやふやなものを作成するよりも、あるいは後でトラブルを引き起こすようなものを作成するよりも、公正証書で作成した方が絶対に良いのです。

 

現実を考えますと、遺言書を作成するのであれば、公正証書遺言以外考えられないと言っても過言ではありません。

 

 

なぜ自筆遺言証書より公正証書遺言がいいの?

 

自筆遺言証書と公正証書遺言の違いについてです。自筆遺言証書というのは、書くのは簡単、費用もかかりません。なので、こちらで遺言書を書かれる方も結構多いです。ですが、自筆証書遺言というのは、実は後が大変です。

 

というのは、相続が発生した後、家庭裁判所に持って行って“検認”という手続きを取らなければならないからです。

 

この際、相続人を呼びますので、ここで時間も手間もかかることになります。そしてさらにその後に、この遺言書が有効だとか無効だとか、そういった話も出てきやすいのです。

 

一方、公正証書遺言の場合は、作成する際には費用も手間もかかりますが、実際に相続が発生して実行の段階になると、すぐに、明日にでも執行できることになります。

 

この辺りのことはなかなか気付きにくいですが、自筆証書遺言の大きなデメリットであり、公正証書遺言の大きなメリットと言えます。

 

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