住宅ローンの選び方!
繰り上げ返済のリスクとは?
人生最大の買い物は住宅ローンです。住宅ローンには知っておかないと失敗するポイントがたくさんあります。
今回はそのポイントについてのお話です。「住宅ローンをいくら借りるのか」ということがすごく気になると思います。ただ「借りられる金額」と「無理なく返済できる金額」というのは違います。
借りられる金額というのは、収入に対する返済比率から算出されるもので、住宅ローンをお願いした銀行が決めるものです。これは、金利や返済期間でも変わってきます。
これに対して、無理なく返済できる金額というのは、建築費以外に必要な費用や、将来の支出を見越して生活の支出を守る、あるいは生活の質を向上できるような金額になります。
教育資金。これからあなたのお子さんが大きくなるに従って、習い事をするかもしれません。塾に通うかもしれません。そういった費用だったり、それから入学、卒業のための費用というのも出てくると思います。
また、今乗っている車の買い換えが必ず出てきます。それが何年後で、どれくらいの車に換えたいのか、そういうものも考える必要があります。
それから、家を建てると登記費用や税金も発生します。メンテナンス費用も必要になってきます。さらに、老後の貯蓄なども考えていかなければなりません。それができた上で、住宅ローンを返済できる金額、月々の返済はいくらなのだろうかを考えるのです。
これには、ライフプランを立てる必要があります。
ファイナンシャルプランナーに相談してもいいですが、自分で作成することもできます。ライフプラン表を自分で作成する場合には、毎年必ずかかる費用と、年に応じてかかる費用、それを年ごとに書いていってシミュレーションしていきます。
すると、例えば、「ちょっとこのままでは車の買い換え費用は厳しくなるな」とか「教育費が足りなくなりそうだな」というのがわかってきます。こういうものをもとに、月々の返済額と貯蓄額を決めていくのがライフプラン表になります。
これで無理なく返済できる金額を割り出していきます。
住宅ローンの選び方は?
住宅ローンを選ぶ際に何を基準にすればいいのでしょうか?ここで面白いアンケート結果を紹介します。すでにお金を借りて返済が始まっている人たちに、「住宅ローンを選ぶときに何を重視しましたか?」というアンケートです。
一番多かったのは、毎月の返済額という回答でした。次に多かったのは、当初の適用金利でした。最初に適用される金利がいくらだったのかということを重要視したそうです。その次に多かったのは、返済期間でした。
そして、同じ人たちに、「もし今住宅ローンを選ぶときに戻れるとしたら、何を重要視しますか?」というアンケートをしました。すると、一番多かった回答は、返済総額だったのです。月々の返済額ではなくなってくるのですね。
返済総額というのは、借りた金額と利息を含めた金額になります。つまり、利息をできるだけ減らしたかったということなのです。次に多かったのは、金利の固定期間の長さでした。もっと長いものにすればよかったということです。
それから、先ほどは借入当初の金利を重視していましたが、今もう一度選べるとしたら、借入期間中の金利、全体金利を重要視して選びたかったそうです。
これは、住宅ローンを組んだ先輩たちが反省を込めて言っていることですから、これからお金を借りる方の参考になると思います。
返済総額、固定期間の長さ、全体の金利、これを重要視するのが大事だということになります。ぜひ、住宅ローンを選ぶ際には、これらを考慮して選ばれることをおすすめします。
住宅ローン選びの注意点は?
見せかけの金利や返済額に左右されない住宅ローンの選び方をしなければいけません。
手数料がどうなっているのか、保険料や保証内容、団体信用生命保険が金利に含まれているのか、金利に含まれているものもありますからね。その差も違いも選ぶ必要があります。
また、団体信用生命保険の保障内容です。
ガンだけでなく、三大疾病になったら返済しなくてもいいというものもあります。最近は、配偶者がガンになった場合でも返済しなくてもいいというものまで出てきています。そういった保障内容も見ないと、良い住宅ローンを選ぶことはできません。
さらに、繰り上げ返済の手数料がかかるのかどうか、というのも大きなポイントになります。単純に金利だけではなく、保証料、保険料、手数料などがいくらなのかということも、住宅ローンを選ぶ際の基準にして下さい。
住宅ローン選びのリスクとは?
住宅ローンのリスクはすべてあなたにあります。銀行には何のリスクもないようにできているからです。
月々の返済は口座引き落としです。給料が入ったら即引き落とされます。また、土地や建物は担保に取られています。さらに、保証料をあなたが負担しています。それなのに、リスクはすべてあなたにあるのです。
仮にあなたが事故に遭ったりして、住宅ローンの返済ができなくなったとします。
そうすると、銀行は保証料を支払っている保証協会から弁済してもらいます。あなたが支払わなかったものは、保証協会が代わりに払ってくれます。保証協会はどうするのかというと、あなたに返済を迫ってきます。月々の返済をあなたに迫ってきます。
もし返済できなかったら、土地や建物を競売にかけます。
競売にかけても、日本の今の不動産というのは入居した途端、資産価値が下がっていますから、担保割れの物件が出ます。土地を取られ家を取られても、担保価値が下がっているわけですから、まだ支払わなければいけない借金が残ってしまうのです。
すると、その借金を保証会社から請求されて、払い続けなければいけない状況になるのです。
住宅ローンの繰り上げ返済について
住宅ローンについては、それ以外にも重要なポイントはたくさんあります。
繰り上げ返済にもリスクがあるということを知っておいて下さい。まとまったお金ができたから、貯蓄ができたから、繰り上げ返済をするかどうか、これはかなり慎重に考えなければいけないことです。
繰り上げ返済をすると、借金が減りますので、住宅ローンの返済期間を短くする、あるいは、同じ期間で毎月の返済額を少なくすることができます。
でも、それがいいのかどうか、貯蓄に残しておいた方がいいのかもしれません。もし、住宅ローンの契約者が事故または病気で死亡してしまった場合、その時には住宅ローンは免除されます。家は家族に残ります。
でも残された家族が生活するためにどうするか、それを考えた時には、貯蓄が多い方がいいのかもしれません。そういうことを考えて繰り上げ返済をしていただきたいです。
繰り上げ返済のリスクとは?
先ほどのアンケート結果で、総返済額を考えて住宅ローンを組んだ方がいいというアドバイスがありました。総返済額を考えると、返済期間はできるだけ短い方がいいです。
でも、何かの都合で返済計画が狂うこともあります。
そういう時に、返済期間を20年で組んでいた住宅ローンは、それよりも長くすることはできません。ですから、例えば、最初は25年あるいは30年で組んで完済するという目標を立てて、繰り上げ返済をしていく方がいいと思います。
30年で組んだ住宅ローンは、25年や20年に短縮することは可能です。最初は返済期間を長くするということは、考えておかなければいけないポイントになります。
生命保険の見直しとは?
生命保険も見直して下さい。今、死亡保険を重要視しているような保険に加入していたら、死亡保険よりも入院給付金を重視した方がいいです。
住宅ローンを組むということは、その住宅ローンの金額の死亡保険に入ったのと同じことです。返済期間中に病気になった場合、それでも返済は続きます。
ですから、入院給付金日額5千円で2年程度はあるような保険に加入しておいた方がいいです。
定年時の残債と貯蓄について
住宅ローンを組む段階ではなかなか考えにくいものとして、定年時の残債と貯蓄の問題があります。
あなたが会社を辞める時に住宅ローンの残債がいくらあるのか、そのお金をどうやって返済していくのか、あるいは、ライフプランによって定年時にどれだけの貯蓄ができているのか、という問題です。
年金が期待できない今、定年時の残債、あるいは、定年時にいくらの貯蓄ができているか、これらは考えなければいけない大きなポイントになります。