住宅ローン返済期間を長期にするデメリットとは?

 

 

住宅ローン返済期間

長期にするデメリットとは?

 

 

今回は、住宅ローンの返済期間は本当に長い方がいいのかというお話しです。

 

不動産会社の営業マンやファイナンシャルプランナーに相談すると、「住宅ローンが組めるうちは、最初は長く組んだ方がいい」とアドバイスされるケースが割と多いです。その理由を聞いてみると、大きく2つあります。

 

1つは、返済期間を後から短くすることはできるけれど、長くすることはできないので、最初から安全のため長くした方がいいという理由です。

 

もう1つは、返済期間を長くした方が月々の返済額が少なくなるので生活に余裕ができるし、何か問題が起こった時にもその余裕分で対処ができるから安全という理由です。

 

この2つの理由から、返済期間を長くした方が良いと主張されているようです。

 

もちろん、こうした意見の全てが間違っているわけではありません。一部そういったメリットもあるのも事実です。ですが、住宅ローンの返済期間を長くするデメリットもかなりありまして、両者のバランスを取ると、デメリットの方が大きいケースも多いのです。

 

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住宅ローンの返済期間を長くするデメリットとは?

 

住宅ローンの返済期間を長くする最大のデメリットは、大きく5つあります。まず1つ目のデメリットは、何と言っても支払利息の総額が高くなることです。

 

これは当然の話で、返済期間が長くなればなるほど、それにかかってくる利息は高くなるからです。特に当初の利息の支払額が大きくなっていきますので、トータルの利息も高くなります。

 

問題はこれについて頭では理解していても、実際にいくら高くなるのかを計算してみない方が意外に多いことです。返済期間を20年で組めるところを35年に延ばすと、かなり期間が長くなるわけですが、それによる利息の増え方はものすごく大きなものになります。

 

期間を長くしたことによって利息は増えても、それでお金の余裕を買ったと思うのなら、その金額が妥当であるのかどうか、というのも常に考える必要があります。

 

 

2つ目のデメリットは、

元本の減るペースが遅くなることです..

 

ここで、返済期間を長くすると支払利息が増えるのですが、余裕がある分お金が貯まっていくので、随時繰り上げ返済をしていけば変わらないという考え方もあります。

 

ただ、細かくシミュレーションしてみると、それは同じではないことがわかります。これは、元本の減るペースが期間が長いと遅くなるからです。実際、期間が長いと当初の利息の割合が高いので、あまり元本が減っていきません。

 

実際に考える際には、ぜひシミュレーションで数値を正しく把握して欲しいのですが、1年間に貯まったお金を繰り上げ返済に充てたとしても、当初から住宅ローンを短く組んでいたときから比べると、かなりのお金を損していることがわかります。

 

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もちろん、その金額がわかっていて最初から長期で組んでいる、あくまでも生活の余裕を得るためにその金額を支払ったのだ、というのであれば何も問題はありません。

 

ですが、いくら余計にお金を支払うことになるのを知らないと、「生活の余裕を得るために何十万円もかけたのか」ということにもなりかねません。ですから、こうした問題は、必ず実際にシミュレーションして金額を調べてから判断することが大切です。

 

 

3つ目のデメリットは金利が高いことです..

 

これは、変動金利で住宅ローンを組む方には関係ありません。全期間固定金利で住宅ローンを組む方にとっては、返済期間を20年で組むのと35年で組むのとでは、かなり金利が違うということがあります。

 

最近は大手の銀行やネット銀行でも、長期の固定金利を用意するようになってきていますが、期間が短い方がやはり金利が低いというのはどの銀行でも同じです。

 

実際、期間が長くなると、1%くらい金利差がつくことがあります。

 

ただでさえ期間が長くなることで利息額が増えるのに、金利も高くなるとさらに返済額が増えてしまいます。こうした金利の差も返済期間によって影響が出てきますので、こちらについても確認することが大切です。

 

 

4つ目のデメリットは保証料が高いことです..

 

住宅ローンを借りるときに、一番最初に保証料を何十万円という単位で払わなければならないケースが多いです。保証料は、借りる金額と返済期間の長さで決まりますので、当然、保証期間が長くなれば、その分保証料は高くなります。

 

これも繰り上げ返済をするごとに、ある程度返ってくるものではありますが、100%返ってくるわけではありません。当然、手数料などが差し引かれた分しか戻ってこないからです。

 

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5つ目のデメリットは、

返済額が少ない生活スタイルです..

 

返済期間を長くしたのは、月々の返済額を抑えて生活の余裕を持つということだったかと思います。もちろん、余裕ができてお金が貯まっていけば、予定通り繰り上げ返済に回したり、予備として貯蓄していくことができます。

 

ところが、たいていの場合、返済額が一定で決まってしまうと、その返済額をベースとした生活スタイルができてしまって、本来は余裕のお金として残る部分を使ってしまうケースが多々あります。

 

なので、当初から生活の余裕を得るために返済期間を長くした場合は、その余裕資金はあくまでも予備なんだと考えて、強制的にお金が貯まる仕組みを取り入れることをおすすめします。

 

そうしないと、気付かないうちに余裕資金はなくなってしまって、結局、繰り上げ返済することもなく、最終的に返済期間が長くなって、生活の余裕を買ったはずが全然余裕がなくなってしまうということになってしまいます。

 

 

住宅ローン返済期間を長期にするデメリットとは?

まとめ

 

以上5つのデメリットと、生活の余裕を買うというメリットを比較して、どちらを選ぶのかというのは、そのバランスを見て判断することが大切です。

 

それから、ここで考えなくてはいけないのは、「住宅ローンの返済期間は長期にした方がいい」というのは誰が言っているのかということです。というのは、あなたが住宅ローンを長期で組むと、得をする人たちがいるからです。

 

例えば、銀行は当然長期で組んでもらった方が得をします。

 

利息もたくさん取れますし、保証料や手数料もたくさん取れることが多くなるからです。また、不動産売買の関係者、例えば、仲介会社の場合は、買ってもらう金額が大きければ大きいほど受け取る手数料が多くなります。

 

ただ、大きな金額の物件を買ってもらうためには、当然、お客さんにそれだけのお金を出してもらわなければいけません。

 

その際、月々の返済額が多いと、なかなか高い物件は買いにくいですが、返済期間を長くすると月々の返済額が少なく見えますから、「これくらいなら払えそう」となって、ついつい金額の高い物件を買ってしまう流れになってしまうのです。

 

不動産仲介会社や不動産販売会社は当然高い物件を売った方が利益が出やすいですから、より高い物件を買ってもらうために、見た目の返済額を減らそうと、長期の返済を提案をするということがよくあります。

 

ということで、「住宅ローンの返済期間は長期にした方が良い」と提案する人すべてではありませんが、中にはお客様のためというよりはむしろ、自社の利益のためにそういう提案をしてくる場合がありますので注意して下さい。

 

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