住宅ローン固定金利変動金利比較|違いと選び方!

 

 

住宅ローン固定金利変動金利比較

違いと選び方!

 

 

住宅ローンを組む際、変動金利と固定金利のどっちを選んだらよいのでしょうか?

 

まずその前に、知っておいてほしいことが2つあります。1つは、先々の金利がどうなっていくのかは、誰にもわらないということです。

 

もう1つは、わからないから何も考えなくてよいというのではなくて、「わからない中でどうやって選んでいったらいいのか」ということを考えなくてはならないということです。

 

 

なぜ将来の金利は予測できないの?

 

本当に、今後10年先、20年先、金利がどうなっていくのかというのは、誰にもわかりません。

 

よく変動金利を勧める方が、「今の日本経済を考えると、そんな高い金利になるはずがない」とか「過去10年、20年を考えても、変動金利の方がお得だった。今までそれで失敗したことがない」といった主張をされます。

 

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ですが、今後の経済状況については、かつても色々な学者や経済評論家が様々な予想としていましたが、かなりの確率で外れています。

 

やはりどんなに理論的に聞こえる内容であっても、経済は生き物なので予想しにくい、その結果として外れてしまう、ということがよくあるのです。

 

また、過去10年を見れば、確かに変動金利で住宅ローンを組んだ方がお得だったと思います。ただ、この先10年、20年も同じようにしてお得かどうかというのは、やはり全くわからないものなのです。

 

バブル時代、不動産業界にいたことで少し経験しているのですが、その時も不動産の価格はずっと上がっていて、「これからも下がることはありません」とか「政府が一般の方に酷いダメージを与えるような政策をとるはずがありません」というような話を、多くの学者や評論家、営業マンがしていました。

 

ところが、その後そういった予想は大外れだったというのは、あなたもご存知のとおりです。

 

金利の動向にしても、今の1%を切るような金利がこんなに長く続くとは、おそらく誰も予想できなかったのではないかと思います。もちろん、今後の金利動向などを全く予測しなくて良いという話ではありません。

 

予測は予測としてしっかりするとして、予測が外れた場合どうなるのかを考えたうえで、住宅ローン選びを考えていただきたいのです。

 

 

今後どのような住宅ローンを選べばいいの?

 

そうなると、将来のことがわからない中で、どういった住宅ローンを選んでいったらいいのか、ということになります。

 

これは、借りる方の経済状況によっても、選択肢が違ってきます。具体的には、お金に余裕のある方は変動金利の住宅ローンを、お金に余裕のない方は固定金利の住宅ローンを組むのがおすすめです。

 

ただし、現実的には、ほとんどの方は固定金利の住宅ローンを組んだ方が、後々のリスクが小さいので上手くいくと思います。これについては、シミュレーションしてみるとよくわかります。

 

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例えば、借入金2,000万円、1.8%全期間固定金利で、30年返済のケースで考えてみます。固定金利というのは、ずっと金利が一定で30年間変わりませんので、支払額もずっと一定です。

 

一番最初は元本部分が少なくて金利部分が大きいので、段々と元本が減っていくにつれて金利相当分も減っていきます。

 

なので、支払金額は同じですが、元本の比率が段々上がっていって金利の比率が減っていく、というのが固定金利の支払いスタイルになります。

 

一方、変動金利も金利が変わることによって、支払額が変わるのはもちろん、全体の中の元本や金利の割合も変わります。そして、最初は0.87%くらいで、その後は1%とか2%、2.4%、3%というように段階的に上がっていく、というのが変動金利のスタイルになります。

 

一般的に固定金利のメリットとして言われるのは、支払額が一定なので、変動金利のように途中で金利がものすごく高くなった時にでも、支払額が高くなることはないということがあります。

 

 

それ以外のメリットとしては・・・

 

支払額の内訳の元本部分の減り方です。

 

変動金利は金利が上がると支払額が上がって、かつ、元本の減り具合が少なくなるのですが、例えば、最初の3年間だけを見ると、そこで支払う金利部分というのはわずかです。

 

しかも、元本も割と高めに減っています。なので、3年後の元本の残りはかなり少なくなります。

 

それと比較して、固定金利の場合は、最初の3年間で見ますと、金利が高いので支払う金利部分というのはかなり大きくなっています。

 

つまり、当初の3年間については、固定金利の方が高い金利を払っているにもかかわらず、元本の減り具合は固定金利の方が少ないということになるのです。

 

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あくまでも最初の3年間だけを見た場合ですが、最初の3年だけで見れば、変動金利の方が支払額も少なく、元本もより多く返済しているのでお得ということが言えます。

 

ただし、変動金利の場合、ずっとこの安い金利が続くとは限りません。金利がグッと高くなることもありますので、もし金利が高くなったら、支払金額が増えるだけでなく、元本も減らないケースもあり得ます。

 

このシミュレーションのお話しをすると、「変動金利の場合は、金利が上がっても支払いは1.25倍までしか増えませんよ。そういうルールになっているのでそんなに高くなることはないはずです」という説明をされる方がいます。

 

 

実はこの1.25倍までという話には

トリックがあるのです..

 

それはそれで間違いではないのですが、あくまでも金利上昇期間の支払額が1.25倍までにしなければいけないというだけで、実際のトータルの支払額は、基本的に実際の金利どおりに支払わなければいけない契約になっているはずです。

 

つまり、支払額はその期間だけ抑えられるだけで、最終的には金利上昇分の支払いをしなければいけないのです。支払額が抑えられている時に、金利を下げてもらっているわけではありませんので、注意して下さい。

 

なので、実際の支払いでは金利だけを支払っていて、元本は減っていないということがあるのです。そして、もし支払額が元本まで届かなければ、残りの利息は結局後で支払うことになるのです。

 

ということで、1.25倍までの説明を受ける時には、この辺のことも詳しく話してもらうようにして下さい。上記のような話をあまりしないで、単純に「支払額が少ないですから大丈夫ですよ」ということで終わってしまうケースも多々ありますので注意が必要です。

 

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このように、変動金利の場合には、金利の上昇によって、支払額がドンと上がるリスクがあります。

 

金利が高くなると、トータルの支払額が多くなるということだけでなく、そこの期間の金利の比率が高くなりますので、たくさん支払っているにもかかわらず、元本があまり減らないということがあり得るのです。

 

払う金額の割に元本が減らないということで、ここは非常に損をする仕掛けになっているのです。ただ、先ほどのとおり、金利が低い間は支払う利息も低いので、その間は非常にお得になるというのは確かです。

 

 

なぜお金に余裕がある人は変動金利がいいの?

 

お金に余裕のある方は、金利が安い期間だけ使うという方法がとれるからです。つまり、変動金利の場合は、一番最初は固定金利より安いことがほとんどですから、例えば、最初5年くらいまでの金利の安い時期だけ使うのです。

 

もし6年目に金利が上がってしまったら、前述の1.25倍までのルールで返済するのではなく、余裕資金で残りの部分を一括返済してしまえばいいのです。

 

あるいは、返済期間をかなり短くしてしまって、支払い利息の負担を小さくしてしまうという対策をとることもできます。もし金利が低いままであれば、そのまま借り続けても何の問題もありません。

 

このようにお金に余裕がある場合には、いくつかの選択肢があるのがメリットと言えます。ちなみに、不動産売買の場合、「お金がある方がお金がかからずに済む」という仕組みになっているということは知っておいて下さい。

 

前述の変動金利の話もそうなんですが、「お金があっていつでも元本を返済できる資力がある、でも住宅ローン控除や色々な優遇を受けたいのでローンを借りている」という方については、変動金利の方がお得なことが多いです。

 

なぜなら、ある程度安い金利のものを使って住宅ローンを借りて、万が一金利が高くなって負担が大きくなったら元本を返済してしまう、あるいは期間を短くして利息の負担を小さくしてしまう、こうしたテクニックが使えるからです。

 

つまり、こうした対処が打てる方は、変動金利の方がお得なことが多いということです。

 

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住宅ローン固定金利変動金利比較

違いと選び方!まとめ

 

ただ、実際に家を買って住宅ローンを組む方で、残りの元本部分を一気に返済できたり、半分でも返済できる人はほとんどいないのも事実です。

 

お金に余裕のない方が、万が一急に金利が高い状況になると、非常に支払いがきつくなるだけでなく、元本も全然減らなくなってしまいます。

 

そして、また金利が安くなったとしても、そこでもある程度の支払いがあって、さらに金利が高い期間の元本が全然減っていませんから、その部分を少し上乗せして返済しなければなりません。

 

なので、返済を始めてから、比較的早いタイミングで1度でも金利の高い波が来てしまうと、その後の支払いは非常にきつくなってしまいます。最悪の場合、住宅ローン破綻となってしまいます。

 

変動金利の住宅ローンをおすすめする人も割と多いですが、こういった話しを詳しく説明されることがないのも事実です。

 

実際に住宅ローンを借りるのは、銀行の方でも不動産会社の方でもなくあなた自身ですから、こうしたリスクを十分理解した上で、変動金利がいいのか固定金利がいいのかを選ぶことが大切です。

 

ということで、ほとんど方は、リスクが小さい固定金利がおすすめです。

 

銀行やハウスメーカー、工務店といった建設会社に住宅ローンの相談をすると、まず変動金利を勧められるはずです。それは、それぞれの都合があるからです。その都合というのは、「家を買いたい」というあなたのためになるかどうかというのとは全く別です。

 

銀行は自行の利益になるかとか、建設会社は銀行ローンの手続き等が楽になるからとか、より高い物件を買ってもらえる可能性が高くなるから、といった理由で変動金利を勧めてくるケースも多々あります。

 

あくまでも住宅ローンを借りるのはあなたですから、あなたの都合で選ぶことをおすすめします。

 

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