住宅ローン繰り上げ返済シミュレーション|期間短縮と返済額軽減なら?

 

 

住宅ローン繰り上げ返済シミュレーション

期間短縮と返済額軽減なら?

 

 

「住宅ローンを繰り上げ返済しない方がよい」と言われることがあります。その理由は、大きく分けると2つあります。

 

1つは、今の住宅ローン金利が非常に低いので、もっと利回りの良い投資商品を買った方が儲かるというものです。もう1つは、今、生活が色々と不安定な状況に置かれていることが多く、万が一の時のため、安心・安全のためには現金で持っておいた方がいいので、住宅ローンを繰り上げ返済すべきでないというものです。

 

この2つは、どちらも間違いというわけではありません。ただ状況によっては間違いであるケースもありますので、ここではその場合について説明していきます。

 

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1つ目の投資に回した方がよい

という意見についてです..

 

例えば、今の住宅ローン金利は非常に安いので、1%くらいで借りられることも多いです。一方、投資の場合、2%くらいで運用できるという商品はたくさんあります。

 

当然、1%よりも2%の方が利回りがよいですから、1%で住宅ローンの繰り上げ返済をするよりも、2%の投資をした方がよいということで、繰り上げ返済をしない方がよいと言われるのです。

 

これはもちろん、厳密には間違いではありません。ただし、短期的にみた場合には、それが間違いになるケースもありますので、注意も必要です。

 

例えば、2,000万円の住宅ローンを25年返済で借りているとします。1年後に少しお金に余裕ができて100万円貯まった場合、これを繰り上げ返済した方がいいのか、あるいは投資に回した方がいいのか、シミュレーションしてみます。

 

2%の投資商品なら、100万円預ければ当然1年後には102万円になりますので、2万円の利益が出ることになります。繰り上げ返済は1%なので、その効果は1万円です。すると、1万円(2万円−1万円)多いので、投資に回した方がお得ということになります。

 

ただ実際には、1%の住宅ローンを繰り上げ返済した場合、トータルで支払わなけれいけない利息がおよそ12万円くらい減ります。これは、借入れの金利や借入期間などによっても金額は変わってきますが、残り期間が長ければ長いほど、当然この金額は大きくなります。

 

単に1年で見た場合は、1%の住宅ローンを返済する方が2%の投資で運用するよりも、トータルでは得をすることが多いということになります。

 

なぜこうなるのかというと、よく住宅ローンで元本と利息の図を目にしたことがあると思いますが、その月々返済しているお金のうち元本と利息の内訳を見ると、返済初期の頃というのは、利息の割合が大きいことがわかります。

 

つまり、返済し始めたばかりの頃は利息の割合が大きいので、たとえ1%であっても、利息軽減効果は大きく出ることになるのです。

 

 

繰り上げ返済には期間短縮と返済額軽減がある..

 

住宅ローンの返済には、金額を下げるやり方(返済額軽減)と、返済期間を短くするやり方(期間短縮)があるのですが、期間を短くするというやり方(期間短縮)ですと、初期の部分の元本を返済するということになり、その部分の利息を払わなくてよくなるということになるのです。

 

複利の効果というのは非常に大きいので、残りの期間24年分の複利の効果を最初のところで使う形になります。つまり、複利で払わなければいけなかった利息を返済することができるということで、そういった面で見ると、繰り上げ返済は結構お得ということになります。

 

上記の例では1%と2%で金利の差があるのに、なぜこのような差が出るのかというと、結局、残りの返済期間が長いからということになります。

 

もちろん2%の投資運用でも、住宅ローンと同じ期間、上の例ですと24年間、2%の複利で運用していけば、こちらの方がお得だというのは間違いありません。おおよそ2%の複利運用でシミュレーションしてみますと、7年目くらいで1%で繰り上げ返済する方を逆転する計算になります。

 

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ただ、ここで問題になるのが、そういった長い期間の投資を日常的にあなたができるかどうかということです。

 

投資を日常的にやっている方なら、なんてことのない話ですし、良い投資商品を見つけることもできます。ですが、投資の全く経験のない方が、そういったある程度長期の投資を、日常的に2%の利回りで運用することがものすごく簡単かというと、それほどではないとも言えます。

 

日常的に投資を経験している、あるいはこれから投資を始めたい、投資が趣味である、という方なら、やはり利率の良い方でそれを長期で回していくのも1つの方法です。

 

一方で、全く投資の経験がないとか、今後も投資をする予定がないという方は、単に見た目の1%、2%という金利の差だけで、こちらの方が得だからやってみようと考えるのは、かなりリスクがあるかもしれません。

 

また、1年とか2年の短期で見た場合には、繰り上げ返済の方がお得になるケースもありますので、ご自身がどちらのタイプに該当するのかというのをよく考えたうえで、繰り上げ返済をするのかしないのかを決めることをおすすめします。

 

 

2つ目の万が一の時の保険として

繰り上げ返済しない理由とは?

 

もう1つの理由、万が一の時の時の保険の意味で、安心・安全のためには現金で持っておいた方がいいので、住宅ローンを繰り上げ返済すべきでないというものです。

 

これは例えば、会社が倒産した時とか、病気で休まなければならなくなった時とか、こうした時にある程度現金のストックが欲しいので、住宅ローンの繰り上げ返済はしない方がいいという考え方です。これは確かに考え方としてはありますが、結局いくらのお金をストックとして用意しておくのかという考え方次第になります。

 

実際に、住宅ローンを返済していく初期の頃であっても、全く余裕資金がなくてもいいかというと、決してそんなことはありません。返済初めの頃であっても、万が一のことというのはあるわけです。なので、常に一定のお金は用意しておく必要があります。

 

この一定のお金というのは、人によって当然違ってきます。人それぞれ月々かかる生活費の状況が違いますから、いくらというように考えるよりも、何ヵ月分、あるいは何年分の生活費を予備としてみておくのかと考えるのが現実的です。

 

例えば、独身で一人暮らしでそれほどお金がかからないという人なら、予備のお金はそれほど持たなくてもいいので、早めに繰り上げ返済してしまった方がいいかもしれません。反対に、家族がたくさんいて月々の生活費がかかるという場合は、万が一のことがあっても、家族が一定期間生活できるような予備のお金が必要になります。

 

予備のお金がいくら必要なのかについては、本当に考え方によります。かなり長い期間を主張される人で2年くらいという方もいますが、さすがに2年分の生活費となると、とんでもなく高い金額になりますので現実的ではありません。

 

また、生活費の見方も、全部それを現金で残しておかなければいけないかというと、決してそんなことはありません。例えば、万が一失業した時のリスクで考えると、失業保険がある程度出る方なら、それを考慮して生活費を何ヵ月分残していくという考え方でいいのです。

 

個人的には、失業保険などいざという時に出るお金を考慮して、半年分くらいの生活費を予備のお金として残しておいて、後は繰り上げ返済に回した方がトータルではお得だと思います。

 

結局、予備のお金をいくら残しておくのかによって、繰り上げ返済をしない、すなわち一定期間の利息が浮かないということは、その利息の金額相当分でその期間の安全を買っているのと同じことです。つまり、いくらの金額でその安全を買うのかという話になってくるのです。

 

こういったところは、もちろん細かくシミュレーションしていって、考えていくのが一番良いのですが、正直そこまで細かくシミュレーションするのは大変ですし面倒です。なので、ざっくり半年分の生活費を予備のお金として残しておいて、あとは繰り上げ返済していくのが現実的だと思います。

 

 

住宅ローン繰り上げ返済シミュレーション

期間短縮と返済額軽減なら?まとめ

 

以上のような「繰り上げ返済をしない方がよい2つの理由」を説明すると、「では、投資をしていて、その投資が換金性の高いものであれば、投資をしながら万が一の予備のお金にもなるのではないか」とおっしゃる方がいます。

 

個人的には、そこまで投資をしたいのであれば、それで構わないと思います。前述したとおり、投資を日常的にやる方は、繰り上げ返済しないで投資に回すということでOKです。

 

ただし、万が一の時に換金できるものや、その投資のリスクがどれくらいあるのかということを考えたうえでないと、万が一の時の予備のお金、兼、投資のお金にはなかなかなりにくいと思います。どちらにしても、こうした条件は、日常的に投資をやる方でないと当てはまりません。

 

ですから、投資を日常的に行って、ある程度商品の内容やリスク、換金性についてもしっかり把握していて、これを長期間やっていくという方は、投資に回して、かつ、万が一の時の予備のお金として充てるということでも特に問題はないと思います。

 

ということで、繰り上げ返済をした方がいいのか、しない方がいいのか、これはあくまでも考え方の1つですから、これが絶対に正しいということではありません。よくシミュレーションしてみて、ご自身に合った方法を選択されることをおすすめします。

 

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