FXのスプレッド意味
ツーウェイプライスとは?
FX取引を始めると、ツーウェイプライスという言葉を知らなくても、実際にそれが行われていることに気づくはずです。
FXでは売値と買値の両方を同時に提示しているからですね。これを「ツーウェイプライス」というのですが、ツーウェイというのは「両方向の」という意味なので、その名の通りわかりやすいと思います。
具体的な例で言いますと、例えば、1ドル100円10銭−15銭と提示されていたとします。これは、この値段を提示している取引参加者は、「100円10銭なら買いますよ」、「100円15銭なら売りますよ」という意思を表示しているということになるのですね。
BidとAskとは?
なので、我々取引をしようとする者からすると、買う時の値段はツーウェイプライスの高い方の値段である100円15銭となるわけです。一方、売る時の値段はツーウェイプライスの安い方の値段である100円10銭となるのです。
また、左側の小さい方の数字のことを「Bid(ビッド)」と言い、右側の大きい方の数字のことを「Ask(アスク)」とか「Offer(オファー)」と言います。
なので、こちらの呼び方も覚えておいてください。ちなみに、通常はBidとAskの数字は、Bid<Askとなっていますが、ごく稀にBid=Askとなることがあります。
この場合は、同じ値段で買ったり売ったりできるわけですが、このことを「Choice(チョイス)」と呼んだりしています。ただ、これですと、価格を提示している業者にとっては、その分損失となるわけですから、基本的にはないと考えてよいのです。
最近、セントラル短資という業者でこのBidとAskの関係が逆になる逆スプレッドが話題になっていたりしました。
まぁ、たまたま取引しているときにそういった状態になっていればお得ではあるわけですが、それを利用して利益を狙うというのは、本来のFX取引から考えると本末転倒ではないのかなと思います。
FXのスプレッド意味は?
なぜスプレッドが拡がるの?
前述したBidとAskの価格差というのは、通常一定ではありません。
スプレッドというのは、この価格差のことを言うわけですが、これは広くなったり狭くなったりします。なぜスプレッドが狭くなるのかと言えば、それはやはり価格を提示している側がお客に取引をたくさんして欲しいと考えているからですね。
なので、スプレッドが広くなる時というのは、価格を提示している側がお客に取引をして欲しくない時ということが言えるわけです。
例えば、毎月第1週目の金曜日に発表される米国の雇用統計などは、マーケットが大荒れになるわけですが、このときなどはスプレッドはかなり広くなります。
米国の雇用統計だけでなく、主要国の中央銀行による政策金利の発表など、金融市場に影響を及ぼしそうなイベントがある場合には、マーケットがどうなるか予想がつかないわけです。
なので、そういったイベントの際には、しばらく様子をみたいという立場から、銀行など価格を提示する側はスプレッドを広くする傾向にあるのです。
クロス円とは?
クロス通貨のことを、日本人は「クロス円」という言葉をよく使います。これは、米ドルを含まない通貨ペアのことを言います。なので、日本円と組み合わされている全ての通貨ペアが「クロス円」ということになります。
例えば、高金利通貨で人気の高いAUD/JPY(豪ドル円)とかNZD/JPY(ニュージーランドドル円)などもクロス円になりますし、EUR/JPY(ユーロ円)やGBP/JPY(ポンド円)などもそうなります。
また、こちらは聞き馴染みがないかもしれませんが「ドルクロス」という言葉もあります。これはドルを介在している通貨ペアのことです。例えば、EUR/USD(ユーロドル)とかAUD/USD(豪ドルドル)などがそうです。
さらに、「ユーロクロス」という言葉もありますが、これはユーロを介在している通貨ペアのことを言います。
例えば、EUR/GBP(ユーロポンド)やEUR/CHF(ユーロスイス)などがそれです。このように見ていくとわかってくると思いますが、「クロス」というのは掛け算の意味で用いられているのです。
米ドルは基軸通貨であり中心!
輸出入での外貨決済は世界の基軸通貨である米ドルで行われますよね。
なので、日本で欧州での貿易の決済をするときには、一旦、円を米ドルに両替して、その米ドルを再びユーロに両替する必要があるわけです。この際のレートはどうのように計算すると思いますか?
これは、例えばドル円が100円で、ユーロドルが1ドル40セントであるとすると、ユーロ/円の価格は140円(100円×1.40)と計算します。
日本人の場合でしたら、一番身近にある通貨が「円」ですから、EUR/JPYとかAUD/JPYなどの通貨ぺアに対しては、それほど違和感がないかもしれません。
でも、円をユーロに両替するときには、円からドルへ、ドルからユーロへと段階を踏まなければならないことについては若干違和感があるかもしれません。
こうしたことが行われているのは、やはり世界の基軸通貨が米ドルであり、またドルを中心にして考えているからなのです。
通貨記号を覚えよう!
FX取引をするのであれば、絶対に通貨記号は覚えておいた方がいいです。書籍などでは日本語やカタカナ表記されていますが、実際に取引を始めると、FX業者が提供しているシステムの取引画面では、ほぼ全て通貨記号を採用していますからね。
慣れるまでは何となく難しそうに思えるかもしれませんが、慣れてしまえばむしろこちらの方が使い心地が良かったりします。
<通貨記号>
■JPY(円):日本円
■USD(ドル):米ドル
■EUR(ユーロ):ユーロ
■GBP(ポンド):英ポンド
■CAD(カナダ):カナダドル
■AUD(オージー):オーストラリアドル
■NZD(キウイ):ニュージーランドドル
■CHF(スイス):スイスフラン
■ZAR(ランド):南アフリカランド
■SGD(シング):シンガポールドル
■NOK(ノック):ノルウェークローネ
■SEK(セック):スウェーデンクローナ
■CNY:中国元
■HKD:香港ドル
この通貨記号の意味ですが、左から2文字目までが国名を表しています。
なので、例えばGBPでしたら、「GB」はグレート・ブリテンで英国のことを表しているのです。また、3文字目の「P」は通貨名を表しているのですが、これはポンドの「P」ですね。これで、GBPは英ポンドを表しているのです。
同じくJPYでしたら、「JP」はジャパンで日本のことを表していて、「Y」は円の通貨名を表しているのです。中国人民元の「CNY」については、「元」をピンインで書くとyuanになるので、これの「Y」を使っているのです。
ちなみに、ピンインというのは、中国語の発音を英語表記にしたもののことです。
ここでスイスフランの「CHF」が気になりませんか?スイスフランは「Swiss Confederation」ですから、頭文字は「SCF」ではないのかと思いますよね。
これは、通貨記号の「CHF」は英語ではなく、ラテン語の「Confoederatio Helvetica Franc(スイス連邦フラン)」が用いられているからなのです。
スイスはEUに加盟していませんから、現在もフランという単位を使っているわけです。同じく、南アフリカの「ZAR」についてもなぜ?と思うわけです。南アフリカは「South Africa」ですから、本来なら「SAR」ではないの?と。
これには色々と理由があって、実はSAR(South Africa Rand)にしようとしたらしいのです。
でもその時には、すでにサウジアラビア・リアルがSARで通貨登録をした後だったのだとか。それで、仕方なくオランダ語表記の「Zuid-Afrikaanse Rand」を使用することになったのだそうです。
オランダ語表記になったのは、歴史的な背景があるからです。つまり、1652年にオランダの東インド会社がケープに入植しましたが、1795年にイギリスがオランダの支配権を奪うまで、オランダの植民地支配が続いたからです。