(確定申告と年末調整、初年度と2年目、マンション、借り換え)
住宅ローン控除手続きのための
必要書類は?
住宅ローン控除を受ける手続きをするのための必要書類は、以下のものになります。
@給与所得の源泉徴収票
まず用意していただきたいのは、サラリーマンの場合は、「給与所得の源泉徴収票」です。サラリーマン以外で毎年確定申告している人は、収入の整理などして確定申告ができる準備をしてください。
A住民票
申告する人の「住民票」も必要になります。これは、市町村の窓口で取得してください。本年分の手続きであれば、年開け1月以降に取得したものを提出するようにします。
ちなみに、住民票はコピーではなく原本を提出してください。要するに、最新の住民票を原本で税務署に提出するということです。
B登記事項証明書
「登記事項証明書」については、あまり聞いたことがない人もいらっしゃるかもしれません。年配の方でしたら「登記簿謄本」とかつての呼び名で説明した方がなじみがあるかもしれません。こちらは、法務局の窓口で取得してください。
「建物の登記事項証明書」が必要になりますが、住宅と一緒に建築用の土地も取得された場合、建売住宅やマンションを購入した場合も、土地についても住宅ローン控除の適用を受けられるケースもあります。
ですから、土地についても適用を受ける場合には、建物と土地両方の登記事項証明書を用意してください。
ここで注意していただきたいのは、抵当権の設定が金融機関で終わった後に法務局で別途取得していただくということです。よく間違えて権利書を付けて提出する方がいるようなのですが、権利書は再発行ができませんので間違いのないよう注意してください。
C家屋(土地)の建築請負契約書または売買契約書のコピー
これは、建物や土地について金額がわかる契約書のコピーのことです。原本の契約書ですと何十ページにも渡るケースがありますので、金額と契約者のわかる部分をコピーすればOKです。
ここで、収入印紙に注意が必要です。契約書というのは、必ず収入印紙を貼ってあるものなので、もしここに収入印紙が貼られていなければ、自分で貼って割印を押すようにしてください。
逆に言うと、この収入印紙が貼ってあるページが上記に該当するものということでもあります。
契約を結ぶ際に、業者と収入印紙はどちらが負担するのかをよく確認して、あなたの方で貼るということであれば、速やかに貼っていただいて割印をするようにしてください。
D住宅ローンの年末残高証明書
住宅ローンの年末残高証明書は、住宅ローンを設定した金融機関等から、毎年秋頃送付されると思います。こちらも原本を税務署に提出してください。
ここで注意していただきたいのは、この書類はあくまでも、住宅ローン控除の手続きをするための専用の証明書であるということです。ですから、必ず所定の書式で提出する形になります。
もしわからないところがあれば、住宅ローンを設定した金融機関等に相談してください。よくローンの返済表でもいいのかと聞かれるのですが、それでは住宅ローン控除の手続きはできませんので注意してください。
必ず住宅ローン控除の正式名称である「住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書」という文言の入ったものを用意してください。これ以外ですと、住宅ローン控除の適用が受けられませんので注意が必要です。
以上が、基本的な確定申告の住宅ローン控除手続きの必要書類になります。
取得に際して補助金等を
受領しているケース
太陽光発電システムや浄化槽などについて、国や県、市町村から補助金が出るケースがあります。その場合は、その金額を提示することになりますので注意してください。
これについては、特に専用の書式などはありませんが、補助金を受け取る際に、相手から交付された書面にそのようなものが記載してあれば特に問題ありません。自宅に保存してある書類のコピーを税務署に提出すればOKです。
なお、通常は現金で受け取るというよりは、通帳等に振り込まれると思いますので、通帳等で確認することもできます。
以上の必要書類を
まとめると・・・
これまで解説してきた住宅ローン控除手続きのための必要書類をまとめると、以下のようになります。( )は入手先です。
@源泉徴収票・・・原本(勤務先)
A住民票(入居した年の12月31日以降に取得したもの)・・・原本(市町村)
B住宅取得資金に係る借入金等の年末残高証明書・・・原本(金融機関)
C・建物工事請負契約書(建売・マンションの場合は売買契約書)&土地売買契約書(土地も該当する場合)・・・コピー(自宅)
D建物にかかる登記事項証明書&土地にかかる登記事項証明書(土地も該当する場合)・・・原本(法務局)
※抵当権の設定がある場合は、設定日以降に取得したもの
E取得に際して補助金等を受領している場合は、その金額がわかる書類・・・コピー(自宅)
住宅ローン減税でいくら戻ってくるの?
住宅借入金等特別控除の計算は、以下のように行います。
@借入金の年末残高
A住宅等の取得価額
B@とAの少ない方×1%
※最高20万円まで
つまり、借入金の年末残高と住宅や土地の取得価額のどちらか少ない方の1%ということです。
例えば、住宅価額が2千万円で、借入金が1千万円だったら、2千万円と1千万円の少ない方ですから、1千万円の1%で10万円が住宅借入金等特別控除の金額となります。
ここで、控除額がそのまま戻ってくるのではないという点には注意が必要です。あくまでも減税ですから、納税者が本来負担すべき所得税の金額から返すということになるからです。つまり、負担すべき税金以上には戻ってこないということです。
具体的には、「給与所得の源泉徴収票」の「源泉徴収税額」のところを見てください。
例えば、そこに65,000円と記載されていたら、その金額が本来負担すべき所得税になりますので、住宅借入金等特別控除の計算上仮に10万円と算出されたとしても、65,000円までしか還付されないということです。つまり、65,000円が限度額になるということです。
所得税が0円だったら?
「給与所得の源泉徴収票」の「源泉徴収税額」が0円の場合には、住宅ローン減税をあきらめなければいけないのでしょうか?実はそんなことはありません。たまたま今年が0円かもしれませんので、手続きだけは済ませておくようにしておきましょう。
例えば、今年確定申告しておくと、今年の秋頃に税務署から住宅ローン減税の証明書が郵送で送られてきます。
その証明書と金融機関の「住宅取得資金に係る借入金等の年末残高証明書」により、今度は勤務先の年末調整で住宅ローン減税ができるようになります。
ですから、仮に「源泉徴収税額」が0円であっても手続きだけはしておいたほうがよいです。手間はかかりますが、一度やっておくと後が楽ですのでぜひ手続きはしておきたいですね。