FXで20万円以上の利益があったら
会社に知られてしまうの?
前述の例で言うと、経費等を差し引いても20万円以上の利益があった場合には、事情が変わってきます。この場合は、確定申告する必要がありますからね。
もしFXからの利益を会社に知られたくない場合は、確定申告書の住民税の普通徴収というところにチェックを付けておけば、会社に知られなくて済みます。
具体的には、「□ 給与から差引き(特別徴収)」と「□ 自分で納付(普通徴収)」のどちらかの□にチェックを入れるところがあるので、「□ 自分で納付(普通徴収)」の□にチェックを入れれば良いということです。
会社に知られてしまうかどうかは、この住民税の徴収方法がポイントなんですよね。
ちなみに、住民税の天引きによって会社に知られなかったとしても、確定申告すると、役所の課税証明等には、雑所得としての金額は記載されるということは覚えておいてください。
もし、こういった書類を会社に提出する機会があった場合には、給与以外に何か収入があるということはわかってしまいますので。もちろん、それがFXからの収入だということは知られないはずですけれど…。
住民税を普通徴収にすると
給与に対する住民税も天引きされなくなるの?
上記の例で、確定申告書の「□ 自分で納付(普通徴収)」にチェックしたからと言って、給与の住民税が天引きされなくなるわけではありません。
実際には、FXに対する住民税は、普通徴収になり納付書が自宅に送付されてきますが、給与に対する住民税は特別徴収のままなので、今まで通り給与からの天引きになります。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、所得税の天引きというのは、給与額のみで決まるものなんです。
それに対して住民税の天引きというのは、確定申告の給与分のみの天引きなんです。なので、FXの所得税分は、確定申告時に納付して、FXの住民税分は、普通徴収により自分で納付するんですね。
確定申告というのは、全ての所得を申告するわけで、FXの利益だけを申告するわけではありません。でも、給与に対する所得税というのは、毎月給与から天引きして(源泉徴収)していますので、それでも足りない分を納めるわけなんです。
給与に対する所得税は、年末調整によって多かったら戻ってくるし、少なかったら支払うという形になっていると思われますので、確定申告ではFXの利益に対する所得税を納めることになるわけです。
実際の確定申告書を見てみるとよくわかるのですが、確定申告書の2枚目の左下に、住民税に関する項目がありますよね。そこに、給与所得以外の所得に対する住民税の徴収方法という項目があります。
そこで、普通徴収を選ぶと、給与以外の分が普通徴収になるわけで、結果的に、FXなしの収入が特別徴収となり、(FXと合算して算出された住民税−特別徴収分の住民税)の分が普通徴収になるわけです。つまり、FXの分が普通徴収となるのですね。
なお、住民税は、税率が10%の固定税率です。
確定申告しなくても
税務署にはわかってしまうの?
株式投資やFX取引での利益を確定申告しなくても、税務署には誰がいくら儲かったのかはわかってしまうので、くれぐれも無申告にしないでくださいね。
まず、株式投資の場合、特定口座で源泉徴収有にすると、利益があるたびに源泉徴収されていますから、確定申告をする必要はありませんね。
また、FX取引の場合も、証券会社から税務署に対して、支払報告書が送付されていますので、誰にいくら支払ったのかがわかるようになっています。
ちなみに、支払報告書については、海外のFX業者には提出義務はありません。
なお、無申告の場合には、税務署は申告するように言ってくるわけですが、この際、本税と延滞税(14.6%)、無申告加算税が、さらに悪質と思われるケースでは重加算税という非常に高額なペナルティを支払うことになりますので注意しましょう。