自動車保険には交通乗用具事故特約と
人身傷害補償特約がおすすめです!
まずは事例で考えてみましょう。
あなたは、休日に友人と駅前で食事をしてお酒を飲みました。その帰宅途中、駅の階段を駆け上がっていたら、酔っていたこともあり、うっかり踏み外して足の骨を折って大けがをし、入院してしまいました。
この時、もしあなたが医療保険に加入していたとしたら、医療保険金は出るのでしょうか?
こうした場合には、入院した際には医療保険金が支払われますし、手術を受ければ手術給付金をさらに受け取れます。酔って転んだのは自分自身の不注意ではありますが、それで医療保険金が出ないということはありません。
もちろん、世の中には当たり屋というのもいますから、故意にやっているなど、重大な過失があると認められる場合には、受け取れない可能性もあります。
では、こうした医療保険以外に受け取れるものがあるのをご存知でしょうか?実は、このとき自動車保険に加入していれば、自動車保険から保険金を受け取ることができるのです。
自動車に乗っていないのに
自動車保険から保険金がもらえる?
このことを話すと、誰もが不思議に思われるのですが、自動車保険なのに階段から落ちても保険金が支払われるのです。
自動車保険というと、どうしても名称に「自動車」と付いているので、自動車に乗っていて人をひいてしまったとか、突っ込んで物を壊してしまったときに、保険金を支払ってもらうイメージがあると思います。
ですが、自動車保険というのは、自分が自動車に乗っていないとき、例えば、駅の階段から落ちてしまい亡くなってしまったとか、ケガをしてしまったときにも保険金が下りるのです。
しかも、この保険金は、1万円や2万円ではなく、治療にかかったお金すべて、例えば100万円かかったら100万円もらえるのです。不幸にも亡くなってしまった場合には、それこそ3千万円とか5千万円とか、それぐらい大きなお金が出るのです。
なぜケガや死亡で自動車保険から
保険金がもらえるの?
実は、自動車保険に「人身傷害補償特約」という特約が付いているからなのです。この「人身傷害補償特約」は、今の自動車保険ですと、おおよそ自動的に付いています。
そして、例えば、駅の階段で転んでしまったときや、エスカレーターに乗っていてケガをしてしまったとき、あるいは、歩いていたらクルマに突然ひかれてケガをしたときなど、そのような場合に保険金が出る特約になっています。
つまり、交通乗用具による事故でも、自動車保険は保険金が支払われるということなのです。
交通乗用具の階段とは?
駅の階段といっても、どこからどこまでが階段なのかというのはなかなか判断しづらいものです。一般的に駅の階段といった場合には、改札からホームまでの階段のことをいいます。つまり、改札内、スイカとかパスモなどを通した後の階段ということです。
ですから、交通乗用具の階段といった場合、階段なら何でもよいというわけではなくて、駅の階段のことをいいます。その他、エスカレーター、エレベーター、電車なども交通乗用具の対象になっています。
なお、人身傷害補償特約というのは、自分だけではなくて同居している家族にも適用されます。例えば、父親が自動車保険に加入していて、妻や子供が同じような目に遭ってしまったとしても、同じように保障されます。
人身傷害補償特約の注意点は?
注意していただきたいのは、保険会社によって保障の範囲が違うということです。というのは、インターネットで申込むような自動車保険の場合には、この「人身傷害補償特約」が付いていないケースがあるからです。
また、「人身傷害補償特約」は付いていても、この「交通乗用具による事故も対象にする」というのが入っていない可能性もあります。実際、私が知っているところでも付いていないところが結構あります。
それから、せっかく自動的に特約が付いているのに、事故に遭っても知らなくて請求しなかったという人も多いですから注意してください。
実は世の中には、本当は請求すればもらえたのに、請求をしないばかりにもらえていない、知らずに損をしている人たちがたくさんいるのです。
保険というのは保険金をもらうために加入しているわけですから、何かあった時には、どうせ出ないだろうではなくて、もしかしたら何か出るのではないかと常に疑うようにしてみて下さい。
そして、出るかどうかわからなくても、とりあえず保険会社や代理店に問い合わせて調べてもらうクセをつけておくとよいと思います。