遺留分減殺請求のやり方・方法とは?

 

 

遺留分減殺請求やり方方法とは?

 

 

遺留分減殺請求のやり方・方法については、法律上特別な方法によることは求められていません。実際、遺留分を請求する相続人(受贈者を含む)に対する意思表示のみで効力が発生し、必ずしも書面や裁判上の請求による必要がないからです。

 

ですから、以下のように、遺言で相続財産をもらった人に対して口頭で直接言うだけでも効力は生じるのです。

 

「あなたは○年○日付けの遺言書によって財産を相続しました。しかしながら、私は亡父の残した全財産のうち八分の一について遺留分を有しているので、遺留分を侵害されています。つきましては、あなたに対し遺留分減殺の請求をします。」

 

ところが、これでは後日「言った」「聞いていない」の話になってしまう可能性があります。

 

また消滅時効の関係もあるので、後日の証拠のために遺留分減殺の意思表示については、配達証明付きの内容証明郵便などで『遺留分減殺請求通知書』として郵送しておくことが望ましいです。

 

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ちなみに、遺言執行者がいる場合は、遺言執行者にも減殺請求権を行使する旨を知らせておくとよいです。

 

なお、遺留分減殺の意思表示については、「遺留分が侵害されていること」と「遺留分減殺の意思表示を明示」していればよいとされています。つまり、遺留分減殺の目的物、遺留分額ないし割合額については必ずしも明示する必要はありません。

 

 

遺留分とは?

 

遺留分というのは、相続人に最低限留保された(相続する権利のある)、相続財産の一定の割合のことをいいます。

 

法律上、法定相続人には、原則としてそれぞれ法定相続分の1/2の遺留分が認められています。また、原則として遺言者は遺言によって、その相続財産を自由に処分することが認められています。

 

ですが、その自由を無制限に認めてしまうと、相続人の期待をあまりにも無視する結果となってしまうことがあります。ですから、法律によって遺留分を定めて、本人の意思を尊重しながらも他の相続人を保護しようとしているのです。

 

ただし、遺留分を侵害するような遺言だったら直ちに無効になるのか、というとそういうわけではなく、遺言で遺留分を侵害された人が減殺請求をしてきたときに、その限度で効力をもたなくなるにすぎません。

 

なぜなら、これはあくまでも遺留分を侵害された法定相続人が持っている権利であって、必ず行使しなければならないものではないからです。

 

また、相手方が裁判外の任意の請求に応じない場合には、訴えを提起するしかないわけですが、その場合には、まずは家庭裁判所の調停によることになります。

 

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遺留分減殺の請求権とは?

 

遺留分権利者が相続の開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から1年間に行使しないときは、時効によって消滅します。また相続開始の時から10年を経過したときも時効によって消滅します。

 

なお、被相続人の兄弟姉妹には遺留分は認められていません。

 

 

遺留分減殺請求の例は?

 

以下、遺留分減殺請求の例になりますので参考になさって下さい。

 

渋谷区道玄坂○○丁目○○番地○○号
佐藤 太郎 殿

 

 私の亡き父佐藤一郎は、遺言によりあなたに対し、すべての財産を相続させました。
しかし私は、亡き父の残した全財産のうち八分の一について遺留分を有しております。
私は、亡き父の遺言により、私の遺留分を侵害されましたので、貴殿に対し遺留分減殺の請求をいたします。

 

                        平成○○年○○月○○日
                   港区南青山○○丁目○○番地○○号
                   佐藤 次郎

 

 

遺留分減殺請求のやり方・方法とは?まとめ

 

続いて、遺留分減殺請求のやり方・方法のまとめです。

 

まず遺留分というのは、遺言によっても侵すことのできない相続人の財産をもらえる権利です。ただし、兄弟姉妹には遺留分はありません。なので、兄弟姉妹が相続人の場合には、遺言の内容が「財産はあげない」というものであれば、一切もらえないことになります。

 

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子供や奥さん(配偶者)という場合は、法定相続分の1/2が遺留分です。また、直系尊属のおじいさんおばあさん、親が子供から財産をもらうというケースは遺留分は1/3になります。

 

 

遺留分減殺請求の方法は?

 

遺留分を私にくださいという請求は、内容証明郵便でしてください。

 

なぜかというと、遺留分の侵害を知ったときから1年で時効になってしまうからです。また、相続開始から10年で消滅してしまうからです。つまり、遺留分減殺請求をしたことを証明するためには、内容証明郵便ですることが重要なのです。

 

次に、内容証明郵便を出したけれど、遺留分についてもらった人から音沙汰がない、話し合いができないという場合は、家庭裁判所に遺留分減殺について調停を申し立てます。そして、調停不成立だと訴訟ということになります。

 

具体的には、遺留分相当額の支払いを求めて地方裁判所に訴訟を提起することになります。実際に弁護士さんなどに相談すると、まずは内容証明郵便を出して相手方に話し合いの機会、交渉をします。

 

ただ、交渉でうまくいかない場合には、調停を飛び越していきなり訴訟提起するケースもあります。特段の事情があれば調停を外すこともできますので、これ自体は問題はありません。

 

一方、遺留分減殺請求をされた方ですが、例えば不動産をもらった人は、不動産について遺留分相当額をもちろん返すこともできますが、価額弁償、お金ですることもできます。

 

ただし、価額弁償を選択すると、年5%の利息が請求されたときから付きます。なので、請求される側は、価額弁償であれば迅速な解決が大事です。

 

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