死亡退職金の非課税枠と相続税対策での活用方法!

 

 

死亡退職金非課税枠

相続税対策での活用方法!

 

 

今回は死亡退職金についてのお話です。死亡退職金というのは、被相続人が本来受け取るはずであった退職金を遺族が受け取ることを言います。その死亡退職金は死亡保険金と同様、相続税の課税対象となります。

 

ただし、全額が相続税の課税対象となるのではなく非課税枠が設けられています。非課税枠は死亡保険金と同じで「500万円×法定相続人の数」によって求めることができます。

 

また、仮に相続人の中に相続放棄を選択した人がいたとしても、非課税枠を求める際にはその人も含めた上で計算します。

 

それから、死亡保険金と死亡退職金の両方が発生する場合には、それぞれ別で非課税枠が設けられています。これは、相続税の基礎控除額を求める際にも同様のことが言えます。

 

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生前に発生した退職金はどうなるの?

 

次に、生前に発生した退職金の税金の計算方法についてもみていきます。

 

退職所得は他の所得とは区分され、単独で税額を計算します。これを「分離課税」と言います。つまり、退職所得は給与所得などと合算して求めるわけではありませんので、税金が全体で安くなります。

 

また、退職所得には控除額が設けられています。これは勤続年数によって変わってきます。具体的には、勤続年数が20年以下の場合ですと「40万円×勤続年数」、勤続年数が20年以上の場合ですと「70万円×(勤続年数−20年)+800万円」となります。

 

このような計算方法によって控除額を求めることができます。

 

 

退職所得の1/2課税とは?

 

さらに、退職所得には1/2課税という優遇措置もあります。実際に支払われた退職金が前述した控除額に収まらない場合に、その残りの金額に対してさらに1/2を掛けることができるのです。

 

例えば、勤続年数が15年で退職金が2,000万円の場合でしたら、控除額である40万円に勤続年数の15年を掛けて600万円と控除額を計算することができます。

 

退職金は2,000万円ですから、2,000万円から600万円を差し引いた1,400万円が課税対象となりますが、1/2課税が使えますので「1,400万円×1/2=700万円」、つまり700万円が退職所得の課税対象となるのです。

 

なお、退職金は生前であれば所得税、死後であれば相続税が課税されます。どちらにも優遇措置がありますのでぜひ頭に入れておいて下さい。

 

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死亡退職金の非課税枠とは?

 

続いて、死亡保険金の非課税枠についてのお話です。死亡退職金には、遺族の生活を保障する目的もありますので、一定の金額を非課税とすることになっています。その計算式は「500万円×法定相続人の数」です。

 

例えば、夫が亡くなって死亡退職金が2,000万円、法定相続は配偶者と子供2人の合計3人の場合、死亡退職金のうち1,500万円(500万円×3人)が非課税枠となります。

 

この場合の法定相続人の数には、相続放棄をした人も含めます。つまり、相続放棄をした人がいてもその放棄がなかったものとした場合の相続人の数になります。

 

また、法定相続人の中に養子がいる場合、法定相続人の数に含める養子の数は実子がいるときは1人、実子がいないときは2人までとされています。例えば、前述した家族の場合であれば、亡くなった夫の死亡退職金は2,000万円です。

 

この場合は法定相続人は3人なので、500万円×3人=1,500万円が非課税枠となります。死亡退職金2,000万円から非課税枠の1,500万円を差し引いた差額の500万円(2,000万円−1,500万円)が相続財産となります。

 

 

相続税対策としての死亡退職金の活用方法とは?

 

相続税対策の1つとして死亡退職金の活用するというお話です。死亡退職金は非課税枠がかなりありますので、特に同族会社の会社の社長や役員、創業者の方は、死亡退職金を活用されることをおすすめします。

 

生命保険金についての非課税枠は「500万円×法定相続人の数」ですが、別枠で死亡退職金の方にも「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。ですから、ここは上手く活用して死亡退職金というのを作られるとよいと思います。

 

もちろん、会社の方でオーナーとか役員とかでなければ、そういった死亡退職金もなかなか活用できないということもあるかもしれません。そういう方の場合は、役員退職慰労金規定を作って、株主総会議事録などで決議して支給するという形になってきます。

 

その場合も、当然死亡退職金の方でも「500万円×法定相続人の数」の非課税枠がとれます。

 

ちなみに、税務署が認める退職金の金額というのもありますので、そういうのも踏まえて行うと会社の方でも損金に計上できますし、相続税の方でも優遇されていますので有利です。しかも、納税資金の方もそこでバッファー機能がありますからね。

 

ということで、相続において死亡退職金を活用すると納税資金などもコントロールできますので、その辺りも考慮に入れて活用されることをおすすめします。

 

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