ジュニアNISA(ニーサ)非課税枠と引き出し制限
学資保険よりおすすめ!
ジュニアNISA(ニーサ)は、2016年4月からスタートした制度です。もともと2014年1月から成人NISA(ニーサ)があって、年間1人当たり120万円まで非課税で投資ができました。
それが今度は子供でも年間80万円まで非課税の枠がスタートするということです。実際に口座を開設する場合には、親が持っている証券口座で作ることになると思われます。
ジュニアNISA(ニーサ)の非課税枠は?
成人NISA(ニーサ)が120万円で、ジュニアNISA(ニーサ)が80万円ですから、合計すると200万円です。子供がいればいるほど非課税枠は増えます。
よくあるパターンは、父親と母親がいて子供が2人いるというケースです。この場合、どれくらい非課税枠が増えるでしょうか?
非課税枠は400万円(120万円×2+80万円×2)になり、これが5年間ですから、2,000万円(400万円×5年間)になります。単純に2倍に拡充されているわけで、個人的にもすごくお得でメリットのある制度だと思います。
ジュニアNISA(ニーサ)の引き出し制限とは?
そもそもNISA(ニーサ)や非課税枠が増えてきていはいるのですが、ジュニアNISA(ニーサ)は0歳から19歳まで親が全部管理します。
そして、これは19歳までは引き出すことができません。0歳から19歳までのお子さんが対象になりますから、今、1歳であったり2歳であったり、これから生まれてくる子ももちろん対象になります。
つまり、0歳から19歳までで、2016年から2023年の8年間の中で、1人当たり1年間に80万円までの5年間400万円(80万円×5年間)までは、どこかで好きに使ってもいいですよということになります。
もちろん非課税なので、ジュニアNISA(ニーサ)口座に入っている限り売ってもいいのですが、その口座から引き出した時には課税されます。
イメージとしては、退職金の場合と同じです。退職金をずっと運用していって、退職金を受け取る時に、退職所得に税金をかけられるのに似ています。
なので、子供が20歳になった時には、通常のNISA(ニーサ)の方に移行します。つまり、0歳から19歳まではジュニアNISA(ニーサ)で非課税枠があって、20歳になった時にはそのまま次は成人NISA(ニーサ)の方に移るということです。
ジュニアNISA(ニーサ)は学資保険よりいい?
ジュニアNISA(ニーサ)でどれくらい資金が動くのかというと、0歳から19歳までの人数に前述の400万円を掛けると、その利用金額は最大で約1.2兆円になります。
ただ実際に利用する人はかなり少ないはずですから、5%くらいの人たちが利用すると仮定すれば、約6千億円ほどになります。
市場に6千億円のマネーが入ってきて、かつ、ジュニアNISA(ニーサ)の場合は売れないので、市場は固定されるはずです。
しかも、ずっと塩漬けのまま買い増しされるイメージになりますから、株価は上昇していくことになるでしょう。制度ができた背景としても、株価上昇や株価維持対策の面がありますからね。
マイナンバー制度の導入とともに口座を開設して、資金の把握と相続に関わる話でこの制度が出てきているのです。
毎年80万円ということは、月6万円くらいですから、毎月6万円の積み立てと考えると、学資保険に加入するよりは、この80万円の非課税枠の中で運用した方がお得なのでおすすめです。
NISA(ニーサ)の注意点とは?
NISA(ニーサ)を利用したものの、後から「こんなはずじゃなかった」とならないために、どのような点に注意しなければいけないのか、ぜひここで確認してみて下さい。
まず1つ目は、譲渡損失が生じた場合に、その損失がなかったものになる、また、譲渡損失の繰越(3年間)もできないということです。譲渡所得が非課税ということは、譲渡損失もなかったものになる、つまりは、儲けもないけど損もないということです。
よって、NISA(ニーサ)口座内で発生した損失は、他の上場株式や投資信託の譲渡益との通算することはできないという点には注意が必要です。
万が一、5年後の年末にマイナスになってしまった場合は、ロールオーバーという方法で再び5年間、時間を稼いで回復を待つという方法も考えられます。
2つ目は、上場株式についてNISA(ニーサ)口座を利用する場合、配当について非課税制度の適用を受ける場合には、「株式数比例配分方式」を選択する必要があることです。
例えば、私も株式を持っていて配当金をもらうのが楽しみなのですが、配当支払通知書が届くとすぐに郵便局に行って現金化して、何を買おうかとワクワクしたりします。
ですが、NISA(ニーサ)口座で投資した株式の配当については、こうした受け取り方をすると非課税の適用が受けられません。なので、NISA(ニーサ)口座で投資した株式について配当非課税の適用を受ける場合は、必ず「株式数比例配分方式」を選択して下さい。
もしこの方式を選ばないと、通常通り課税されてしまいますので注意が必要です。つまり、通常通り課税されてしまうということは、受け取った配当金に対して、源泉徴収されるということです。一方で、投資信託にはこういった手続きはありませんので安心して下さい。
3つ目は、NISA(ニーサ)は原則1人1口座ということです。
この名寄せ作業や非課税確認作業は、税務署が行いますので、比較的時間を要します。
つまり、NISA(ニーサ)口座で投資したいと思っても、すぐに口座開設して投資できるわけではない点には注意が必要です。審査期間や時間も含めて、余裕を持って口座開設の申請をするようにして下さい。
4つ目は金融機関の選択についてです。各金融機関ごとに取扱商品が違いますので、どの金融機関を選択するのかというところにも注意しながら、NISA(ニーサ)口座を利用するようにして下さい。
ジュニアNISA(ニーサ)と学資保険を比較!
まず通常の保険で、保険契約者、被保険者、保険金受取人の関係を見ていきます。
「保険契約者」は、保険の当時者となる人のことで保険料の負担者でもあります。また、「被保険者」は、保険の対象となる人のことです。そして、「保険金受取人」は、保険金を受け取る人のことです。
ここでは、保険契約者を父親、被保険者を母親、保険金受取人を父親とします。
普通の保険の場合、被保険者、この場合ですと母親の生死について保険金が支払われるか支払われないかということが決まります。もし仮に、保険契約者である父親が亡くなった時は、代わりの人を保険契約者として変更するということになります。
学資保険の特徴は?
次に学資保険の場合ですが、保険契約者が父親、被保険者が子供、保険金受取人が父親、という関係になっているとします。
この場合、被保険者である子供が亡くなると、父親が保険金を受け取ることになります。一方、学資保険で特徴的なのは、保険契約者である父親が亡くなった時です。この場合は、将来の保険料の払込みが免除される仕組みになっています。
これが学資保険の一番の特徴になります。ちなみに、将来の保険料の払込みが免除されたからといって、給付金やその他の保険金などの金額が減らされることはありません。なので、学資保険の場合は、父親に何かあった時にでも保障があるということになります。
学資保険のメリット・デメリットとは?
まず学資保険の4つのメリットがあります。
1つ目のメリットは、親に万が一のことがあった時でも、子供の学資資金を確保できるということです。これは、先ほど説明したところになります。
2つ目のメリットは、元本割れしないということです。学資保険に加入をした時点で、将来の保険料の支払いも保険金の受け取りも、すべて確定しているということになりますので、元本割れはありません。
3つ目のメリットは、定期的に祝い金などが支払われることです。今の学資保険は、中学校に入学したらとか、高校に入学したらというような、定期的な祝い金が支払われるものが多くなっています。
4つ目のメリットは、預貯金よりは利回りが良いということです。
これに対して、学資保険には3つのデメリットがあります。
1つ目のデメリットは、利回りがよくないということです。もちろん、預貯金よりは利回りは高いのですが、一般的には利回りと言えるほどのものではないのも事実です。
2つ目のデメリットは、親の死亡に備えるのであれば、別の保険に加入した方がよいということです。
3つ目のデメリットは、節税のメリットがほとんどないということです。つまり、税金の面で言うと、あまりメリットがないということです。
かんぽ生命とフコク生命を比較すると?
ここでは、具体的な学資保険、かんぽ生命とフコク生命についてみていきます。かんぽ生命の学資保険は、最近新たな商品が投入されたばかりです。また、フコク生命の「みらいのつばさ」も良い学資保険としてよく取り上げられている保険になります。
まずかんぽ生命ですが、こちらの保険期間は18歳満期になっています。また、保険料払込期間は18歳払込満了となっています。保険期間と保険料払込期間がピッタリと一致しているということで、専門用語では全期払いと言ったりもします。
そして、給付金については、小学校の入学時に5万円、中学校の入学時に5万円、高校入学時に15万円、大学の入学時に100万円、と受取総額が130万円になる保険になっています。ここで指定する金額は100万円です。
100万円という金額を最初に指定すると、残りの金額は自動的に決まってくる仕組みになっています。月払保険料はこのケースですと5,900円、戻り率は102.0%になります。
一方、フコク生命ですが、こちらの保険期間は22歳満期になっています。保険料払込期間は、17歳払込満了になっています。このように、保険料払込期間が保険期間よりも短いもののことを、専門用語で短期払込と言ったりします。
そして、給付金については、3歳になった時に5万円、小学校入学時に5万円、中学校入学時に10万円、高校入学時に10万円、大学入学時に70万円、20歳になった時に10万円、22歳になった時に100万円、と受取総額が210万円になる保険になっています。
この商品の場合、月払保険料は9,493円、戻り率は108.4%となっています。
戻り率とは?
戻り率とは、どのように計算するのかというと、受取保険金あるいは給付金など名称に関係なく受け取るものの合計・総額、それを払込保険料の総額で割って算出します。
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■戻り率=受取保険金・給付金の総額÷払込保険料総額
これが「戻り率」と呼ばれているものです。戻り率は、18年あるいは22年の保険期間を通じての投資効率になります。なので、前述の戻り率108.4%というのは、22年間を通算した数値です。1年当たりに8.4%の利回りがあるということではありませんので注意して下さい。
では、1年当たりの利回りはどれくらいなのでしょうか?
実際に計算すると、かんぽ生命の学資保険は0.27%、フコク生命の学資保険は0.82%になります。これだけですとわかりづらいので、他と比較してみます。
今、残存期間が10年の日本国債の利回りは0.44%です。また、ネット銀行の定期預金(100万円未満の場合)の利回りは0.22%となっています。
このように国債や定期預金と比較すると、おおよそに通った利回りになっているということがわかります。